キューブ:シカクいクルマの魅力

キューブ:シカクいクルマの魅力

車のことを知りたい

先生、「キューブ」ってどんな車か教えてください。

車の研究家

「キューブ」は、名前の通り四角い形が特徴的な車で、初代は1998年に登場しました。コンパクトで、街乗りしやすいのが魅力ですね。2代目からは左右非対称のデザインを取り入れるなど、個性的です。

車のことを知りたい

左右非対称なんですか? それは面白いですね。他にはどんな特徴がありますか?

車の研究家

初代はマーチをベースにしていて、エンジンもマーチと同じものを使っていました。時代に合わせてCVTや四輪駆動といった技術も採用され、進化していった車です。2代目は室内空間を広げる工夫も凝らされています。

キューブとは。

『キューブ』という車について説明します。キューブとは、立方体という意味で、その車の形を表しています。最初の型は1998年2月に登場しました。2代目マーチを土台として作られ、4つのドアと後ろに開くドアを持つ車で、4人乗り、前輪駆動のワゴン車です。エンジンはマーチと同じ1.3リットルですが、キューブに合わせて調整されています。変速機は4速の自動変速機か無段変速機が使われていました。1999年11月には一部改良が行われ、高性能な無段変速機が採用されました(6速の手動変速モード付きもありました)。この改良で、無段変速機だけに自動制御の四輪駆動が追加されました。2000年9月には、再び一部改良が行われました。前と後ろのデザインが新しくなり、大きな2段式のヘッドランプや、透明なレンズを使った後ろの組み合わせランプなどが採用されました。車内では、シートや内装の生地などが変更されました。後部座席が3人掛けになり、5人乗りになったことも新しい点です。2001年5月には、1.3リットルで101馬力のエンジンを搭載したαシリーズが新しく追加されました。変速機は高性能な無段変速機だけでした。2002年10月には、2代目へと完全にモデルチェンジしました。車体は角を丸めた四角い形ですが、左右非対称のデザインが特徴です。これは、左後方の視界を良くし、右側の後ろの柱の内側の使い勝手を考えて、左側の窓ガラスの面積を右側の後ろの柱まで広げる形にしたためです。大きさとしては、全長が20mm短くなりましたが、全幅は60mm、全高は15mm大きくなり、車輪の間の距離も70mm長くなって、車内全体が広くなりました。エンジンはマーチにも搭載されている1.4リットルのCR14DE型です。これに4速の電子制御自動変速機、または電子制御無段変速機が組み合わされています。駆動方式は前輪駆動と、マーチにも使われている電子制御四輪駆動があります。2003年9月には3列シート車が追加されました。

初代モデルの登場

初代モデルの登場

1998年2月、画期的な自動車、初代キューブが市場に登場しました。その名前が示す通り、立方体に似た形が特徴で、四角さを前面に押し出した斬新なデザインは、当時の自動車業界に大きな衝撃を与えました。開発の土台となったのは二代目マーチで、コンパクトカーとしての実用性を継承しつつ、独自の個性を確立することに成功しました。

初代キューブは、四枚のドアと後ろに開くハッチを備えたワゴンタイプの車で、乗車定員は四人でした。室内空間は、限られた大きさながらも、工夫を凝らした設計により、快適な居住性を実現していました。

心臓部には、二代目マーチと同じ1.3リットルエンジンをベースに、キューブ専用に調整を施したものが搭載されました。このエンジンは、力強い走りを実現するだけでなく、燃費性能にも優れており、経済性を重視する消費者にも高く評価されました。変速機には、滑らかな変速と扱いやすさが特徴の四速のトルクコンバーター式自動変速機と、燃費効率に優れた無段変速機の二種類が用意され、運転の好みに合わせて選ぶことができました。

コンパクトな車体、扱いやすいエンジン、そして個性的なデザインという三つの要素が絶妙に組み合わさった初代キューブは、多くの消費者の心をつかみ、瞬く間に人気車種となりました。特に、若い世代や女性からの支持が高く、街中でよく見かけるようになりました。この初代キューブの成功は、後のコンパクトカーのデザインに大きな影響を与え、自動車業界における一つの転換点となりました。

項目 内容
発売時期 1998年2月
車名 初代キューブ
形状 立方体に似た形
ベース車 二代目マーチ
タイプ ワゴンタイプ(4ドア、ハッチバック)
乗車定員 4人
エンジン 二代目マーチの1.3リットルエンジンをベースに調整
変速機 4速トルクコンバーター式自動変速機、無段変速機
特徴 コンパクトな車体、扱いやすいエンジン、個性的なデザイン
評価 特に若い世代や女性に人気

進化するキューブ

進化するキューブ

平成11年11月、小さな箱型の車「キューブ」は、少しだけ姿を変えました。この変更では、滑らかに加速する無段変速機がさらに進化し、まるで自分でギアを選ぶように、六つの段階を手動で操作できる機能も加わりました。さらに、四つのタイヤ全てに力を伝える四輪駆動の型も登場し、雪道や山道など、様々な道でしっかりと走れるようになりました。

それから約一年後、平成12年9月には、キューブの外見と内側が大きく変わりました。まず、車の顔とも言える前の部分は、上下に二段になった大きなヘッドランプが目立つようになり、後ろの組み合わせランプは透明なレンズで、より現代的な印象になりました。車内では、椅子と内装材が新しくなり後ろの席は大人三人でもゆったり座れるように広げられました。これにより、乗れる人数は五人になり、家族や友人との移動がより便利になりました。

このように、二度の変更を経て、キューブは、走りやすさ、見た目、そして使い勝手の全てが向上し、多くの人々から愛される車へと成長していきました。滑らかな加速と力強い走りを両立させた進化した無段変速機、そして広々とした室内空間は、この小さな箱型車の大きな魅力となりました。時代に合わせて変化していくことで、キューブは進化を続け、人々の生活に寄り添う車であり続けました。

変更時期 変更点
平成11年11月
  • 無段変速機の進化 (6段階手動操作機能追加)
  • 四輪駆動モデルの追加
平成12年9月
  • フロントデザイン変更 (二段式ヘッドランプ)
  • リアコンビランプ変更 (透明レンズ化)
  • シート・内装材の変更
  • 後部座席の拡大 (3人乗車可能)
  • 乗車定員変更 (5人乗り)

高性能モデルの追加

高性能モデルの追加

2001年の5月、走行性能を高めた新型車が加わりました。この新型車は、従来の車よりも力強い1.3リットルのエンジンを搭載し、最高出力は101馬力に達します。この力強いエンジンによって、街中での滑らかな走り出しはもちろん、高速道路での合流や追い越しもスムーズに行うことができます。

この新型車には、無段変速機と呼ばれる、変速ショックのない滑らかな変速が特徴の自動変速機が採用されています。無段変速機は、アクセルペダルを踏む量に応じてエンジンの回転数を最適に制御するため、燃費の向上にも貢献します。さらに、この無段変速機には、手動で変速操作を楽しめる六速手動変速モードも備わっています。この機能により、ドライバーは運転状況に合わせて自由にギアを選択し、よりスポーティーな運転を楽しむことができます。例えば、山道の下り坂ではエンジンブレーキを効かせたい場合に、手動で低いギアを選択することで、より安全な運転が可能になります。

この高性能モデルの追加は、幅広いお客様のニーズに応えるというメーカーの想いを体現しています。これまで、小回りの利く扱いやすい車を求めるお客様には最適な選択肢でしたが、力強い走りを求めるお客様には物足りない部分もありました。今回の高性能モデルの追加により、街乗り重視のお客様から、運転の楽しさを追求するお客様まで、より多くのお客様に満足していただける車種ラインナップとなりました。この新型車によって、通勤や買い物といった日常使いから、週末のドライブまで、様々な場面で快適な運転を楽しむことができるでしょう。

項目 内容
発売時期 2001年5月
エンジン 1.3リットルエンジン
最高出力: 101馬力
トランスミッション 無段変速機(CVT)
6速手動変速モード搭載
特徴 力強い走り
滑らかな加速
燃費向上
スポーティーな運転が可能
ターゲット顧客 街乗り重視の顧客
運転の楽しさを追求する顧客

二代目モデルの革新

二代目モデルの革新

2002年10月、大勢の人々が待ち望んでいた二代目となる新型車が発売されました。初代モデルの箱のような形をそのままに、角を丸くすることで親しみやすい印象になりました。特徴的なのは、左右非対称のデザインです。運転席側の窓が助手席側の柱まで大きく広がっており、左後方の視界が格段に向上しています。また、助手席側の柱の内側には、ちょっとした小物を収納できるスペースが設けられました。これは、左右非対称のデザインを活かした、他に類を見ない工夫と言えるでしょう。

車体の大きさは、全長が20ミリメートル短くなりましたが、全幅は60ミリメートル、全高は15ミリメートル大きくなりました。さらに、車輪の間の距離であるホイールベースも70ミリメートル延長されたことで、車内は以前よりも広々とした空間となっています。大人数での乗車や荷物の持ち運びにも、ゆとりを持って対応できるようになりました。

搭載されているエンジンは、同じ会社の小型車と同じ1.4リットルのものです。変速機は、四つの段階で変速する自動変速機と、無段階で変速する自動変速機の二種類から選ぶことができました。タイヤを動かす力は、前輪駆動と四輪駆動が用意されており、路面状況や好みに合わせて選択することができました。前輪駆動は燃費の良さが、四輪駆動は雪道などでの走行安定性がそれぞれ長所です。このように、二代目モデルは、デザインだけでなく、機能性や走行性能も大きく進化を遂げた、革新的な車と言えるでしょう。

項目 詳細
発売時期 2002年10月
モデル 二代目
デザイン 初代の箱型を継承しつつ角を丸くした親しみやすいデザイン。左右非対称で、運転席側の窓が大きく、左後方の視界が向上。助手席側の柱に小物収納スペースあり。
サイズ 全長-20mm、全幅+60mm、全高+15mm、ホイールベース+70mm。車内空間が拡大。
エンジン 1.4L(同社小型車と同じ)
変速機 4速AT、CVT
駆動方式 FF、4WD

三列シートモデルの登場

三列シートモデルの登場

{二〇〇三年九月、日産自動車を代表する小型箱型乗用車、キューブに待望の三列シート仕様が追加されました。それまでのキューブは、広い室内空間と個性的なデザインで人気を集めていましたが、乗車定員は五人でした。そのため、大家族での使用や、大人数での外出には不向きという側面がありました。

この三列シート仕様の登場は、キューブのユーザー層を大きく広げるきっかけとなりました。特に、お子様を持つ家族層からの支持は高く、週末の買い物や旅行など、様々な場面で活躍するようになりました。三列目シートを倒せば、広い荷室空間も確保できます。これにより、普段使いからレジャーまで、幅広い用途に対応できるようになりました。

三列目シートの追加にあたっては、安全性も重視されました。各座席に十分な強度を持たせ、万が一の衝突時にも乗員を保護する設計が施されました。また、三列目シートにもシートベルトを標準装備し、全ての乗員が安全に移動できるよう配慮されました。

この三列シート仕様の追加は、キューブの販売台数を大きく伸ばすことにも貢献しました。それまでキューブの購入を検討していなかった層にも、新たな選択肢として受け入れられたのです。キューブは、時代と共に進化を続け、常に人々の移動手段としての役割を担ってきました。三列シート仕様の登場は、その進化の過程における重要な一歩であり、キューブが多様なニーズに応える車であることを証明した出来事と言えるでしょう。

項目 内容
発売時期 2003年9月
車種 日産 キューブ
変更点 3列シート仕様追加
従来モデルの乗車定員 5人
主なターゲット お子様を持つ家族層
メリット 多様なニーズに対応、大人数での移動が可能、広い荷室空間
安全性 各座席の強度向上、3列目シートにもシートベルト標準装備
結果 販売台数増加、ユーザー層拡大

左右非対称デザインの理由

左右非対称デザインの理由

車の世界では、左右対称であることが当たり前と考えられてきました。しかし、二代目小型乗用車「方形」は、あえて左右非対称のデザインを取り入れ、話題を呼びました。これは、単なる見た目の面白さを狙ったものではなく、運転席からの視界と車内の使い勝手を向上させるという明確な目的がありました。

まず、左側、つまり運転席側の窓を大きく設計することで、左後方の死角を大幅に減らし、安全性を高めました。交差点での巻き込み事故や車線変更時の接触事故などを防ぐ上で、左後方の視界の確保は非常に重要です。従来の左右対称のデザインでは、どうしても左後方の視認性に限界がありましたが、「方形」は非対称デザインにすることでこの課題を解決しました。運転席から左後方を確認する際、太い柱や窓枠が視界を遮ることが少なくなり、より安全に運転できるようになりました。

さらに、「方形」は右側の柱の内側に、小物などを収納できるスペースを設けました。左右対称のデザインでは、このスペースを左右両側に設けるのが一般的ですが、「方形」はあえて右側だけに設置することで、限られた車内空間を最大限に活用しました。助手席に座る人は、このスペースにバッグや飲み物などを手軽に収納できます。また、運転席側には収納スペースを設けないことで、運転席周りの空間を広く確保し、快適な運転姿勢を維持しやすくしました。

このように、「方形」の左右非対称のデザインは、安全性と使い勝手の両方を向上させるという、機能性に基づいた革新的なものでした。このデザインは「方形」の大きな特徴となり、多くの人々に支持されました。左右対称であることが当然と考えられていた車の世界に、新たな風を吹き込んだと言えるでしょう。

項目 特徴 メリット
運転席側窓 大型化 左後方の死角減少、安全性向上、巻き込み事故や車線変更時事故の防止
右側柱 収納スペース設置 限られた車内空間の有効活用、助手席側の利便性向上
運転席側 収納スペースなし 運転席周りの空間確保、快適な運転姿勢維持
全体 左右非対称デザイン 安全性と使い勝手の両立

広がる可能性

広がる可能性

初代から二代目へとモデルチェンジした車は、様々な面で大きな進化を遂げました。見た目だけでなく、使い勝手や走りも大きく変わりました。

まず、目を引くのはその外観です。初代モデルは既に角張った独特の形をしていましたが、二代目モデルはそれをさらに強調し、より箱のような形になりました。この個性的なデザインは、他の車とは一線を画す存在感を放ち、街中でもすぐにそれと分かります。角張った形でありながら、空気抵抗を減らす工夫も凝らされており、見た目だけでなく機能性も向上しています。

室内空間も広くなりました。小さな車でありながら、大人数でもゆったりと座れる広い空間を実現しています。特に後部座席は足元が広くなり、長時間の乗車でも快適に過ごせます。また、荷室も広く、たくさんの荷物を積むことができます。家族での旅行や買い物など、様々な場面で活躍してくれるでしょう。シートアレンジも多彩で、様々な用途に合わせて空間を自由に使うことができます。

走行性能も向上しました。エンジンの改良により、力強い走りを実現しています。坂道や高速道路でもスムーズに加速し、快適な運転を楽しむことができます。また、燃費も向上しており、環境にも優しくなっています。さらに、静粛性も高まり、車内は静かで落ち着いた空間になっています。長距離運転でも疲れにくく、快適なドライブを楽しめます。

このように、二代目モデルは、初代モデルの良さを引き継ぎながら、デザイン、使い勝手、走りなど、あらゆる面で進化を遂げました。多くの人の心を掴み、特別な位置を築いたこの車は、これからも進化を続け、私たちを驚かせてくれるでしょう。

項目 初代 二代目
外観 角張った独特の形 より箱のような形、空気抵抗を減らす工夫
室内空間 大人数でもゆったり座れる広さ、広い後部座席と荷室、多彩なシートアレンジ
走行性能 力強い走り、向上した燃費、高い静粛性