リブラグタイヤ:静粛性と駆動力の融合
車のタイヤの表面には、複雑な溝が刻まれています。これを踏み面模様と呼びますが、リブラグ模様はこの模様の種類の一つです。リブラグ模様は、その名前が示す通り、二つの異なる模様の特徴を組み合わせたものです。一つは、肋模様と呼ばれる、タイヤの回転方向に沿って真っ直ぐに溝が続く模様です。もう一つは、塊模様と呼ばれる、ブロック状の溝が独立して並んでいる模様です。
肋模様は、タイヤが路面と接する面積を大きく保つことができるため、静かで滑らかな走りを実現し、燃費の向上にも繋がります。高速道路など、舗装された道路を走る際には、この肋模様が効果を発揮します。まるで線路の上を走る列車のように、安定したスムーズな走行を可能にします。
一方、塊模様は、路面をしっかりと掴む力に優れています。そのため、ブレーキをかけた時や、デコボコ道、砂利道など、舗装されていない道路を走る時に効果を発揮します。それぞれのブロックが路面に食い込むことで、しっかりと地面を捉え、高い駆動力と制動力を生み出します。
リブラグ模様は、これらの二つの模様を組み合わせることで、それぞれの長所を活かしたタイヤを実現しています。一般的には、タイヤの中央部分に肋模様を配置することで、静粛性と燃費性能を高めています。そして、タイヤの両端、つまり肩の部分には塊模様を配置することで、カーブを曲がるときや、滑りやすい路面での安定性を向上させています。このように、リブラグ模様は、都会の舗装道路から、山道などの悪路まで、様々な道路状況に対応できるバランスの取れた性能を持つ、万能型の踏み面模様と言えるでしょう。