安全を守る!衝撃吸収ステアリング
くるまどうしのぶつかりあい、とくに真正面からのぶつかりあいでは、うんてんしている人はたくさんのきけんにさらされます。シートベルトやエアバッグといった安全のための装置は進歩しているおかげで、生きていられる割合は大きく上がりましたが、それでも、車内で二回目にぶつかることによるけがは大きな問題です。とくに、ハンドルはうんてんしている人にとって一番近いところにあるため、ぶつかったときに頭や胸を強く打ってしまうことが多く、重いけがにつながるおそれがあります。
ぶつかったとき、人は前につんのめるように動きます。このとき、シートベルトは体の大きな部分を支えますが、頭は比較的自由に動いてしまいます。もし、ハンドルが運転者の方へ大きくせり出している構造であれば、顔や胸をハンドルにぶつけてしまうでしょう。エアバッグは、このような衝撃を和らげるために重要な役割を果たしますが、エアバッグだけではすべての衝撃を吸収しきれない場合もあります。また、エアバッグの展開速度によっては、かえってけがを悪化させてしまう可能性も否定できません。
そのため、ハンドルの安全性対策は乗っている人の安全を守る上でとても大切になります。近年のくるまでは、ハンドルの素材を柔らかくしたり、衝撃を吸収する構造にしたりすることで、ぶつかったときの衝撃を少なくする工夫が凝らされています。また、ハンドルの位置や角度を調整できる機能も、体格に合わせた運転姿勢を確保し、衝突時の安全性を高める上で役立ちます。さらに、事故の際にハンドルが運転席側に押し込まれないような構造も重要です。
安全なくるまを選ぶ際には、衝突安全試験の結果だけでなく、ハンドルの安全性についても注目することが大切です。販売店などで、ハンドルの素材や構造、調整機能について確認し、しっかりと安全性を評価しましょう。安全運転を心がけることはもちろんですが、万が一の事故に備えて、安全なくるまを選ぶことは、自分自身や同乗者の命を守る上で非常に大切なことです。