車の目:視覚センサー
視覚感知器とは、人間の目と同様に、周りの様子を捉えるための装置です。カメラのレンズを通して光の情報を取り込み、電気信号に変換することで、周りの物体の形や位置、動きなどを認識します。まさに車の「目」の役割を果たし、安全運転を助ける上で大切な役割を担っています。
視覚感知器には様々な種類があり、それぞれ得意とする分野や特徴が違います。よく使われるものとして、人間の目に見える光を捉えるカメラがあります。このカメラは、昼間の明るい場所では鮮明な映像を捉えることができますが、夜間や暗い場所では性能が落ちてしまうことがあります。これを補うのが赤外線カメラです。赤外線カメラは、物体から放射される熱を検知することで、暗い場所でも物体を認識することができます。人や動物など、熱を持つものを識別するのに優れています。
また、単眼カメラと複眼カメラといった分類もあります。単眼カメラは一つのレンズで映像を捉えるのに対し、複眼カメラは複数のレンズを使って映像を捉えます。複眼カメラは、立体的に物体を捉えることができるため、より正確な距離や大きさの測定に役立ちます。さらに、レーザー光を使ったライダー(LiDAR)と呼ばれる感知器もあります。ライダーは、レーザー光を照射し、その反射光を計測することで、周囲の物体の形状や距離を非常に精密に測定することができます。霧や雨などの悪天候時でも比較的安定した性能を発揮するのが特徴です。
これらの視覚感知器は、状況に応じて適切に使い分けることで、より正確で様々な情報を取得することができます。例えば、明るい場所では通常のカメラで鮮明な映像を取得し、暗い場所では赤外線カメラで熱を持つ物体を検知するといった具合です。近年、技術の進歩により、視覚感知器の性能は大きく向上しています。より小型化、高性能化が進み、ますます高度な運転支援の仕組みの実現に貢献しています。