自動でロックするハブの仕組み
車のことを知りたい
先生、「自動で固定するしくみ」って、普通の車と何が違うんですか?いちいち降りて何かしなきゃいけないのがめんどくさいっていうのはわかるんですけど…
車の研究家
そうだね、めんどくさいよね。普通の「手動で固定するしくみ」の車の場合、四輪駆動に切り替える度に、車から降りて、タイヤの横にある「ハブ」という部品を手で回して固定する必要があるんだ。雪道やぬかるみで動けなくなった時など、四輪駆動に切り替える度にこれをやらなきゃいけないんだよ。
車のことを知りたい
ええ!毎回降りるの大変ですね!でも自動で固定するしくみだと、どう違うんですか?
車の研究家
「自動で固定するしくみ」なら車に乗ったまま、運転席のレバーで四輪駆動に切り替えるだけで、自動的にハブが固定されるんだ。だから、いちいち降りなくていいんだよ。便利だろう?
オートマチックロッキングハブとは。
四輪駆動のスポーツ用多目的車などで使われる『自動でロックがかかるハブ』について説明します。普通の車では、四輪駆動にするためのハブのロックや解除をする度に、運転手が車を停めて外に出て、自分で操作する必要がありました。しかし、自動でロックがかかるハブが付いている車なら、車に乗ったまま、自動でロックと解除ができます。仕組みはこうです。運転手が四輪駆動に切り替えると、前の車輪に力が伝わり、自動的にハブがロックされます。ロックを解除するには、二輪駆動に切り替えれば良いのです。ただし、車種によっては、停止して数メートル後ろに下がらないと解除できないものもあります。
快適な四輪駆動走行
四輪駆動車は、力強い走破性で悪路をものともせず、オフロード愛好家にとって頼もしい存在です。ぬかるみや雪道など、二輪駆動車では立ち往生してしまうような過酷な状況でも、四輪すべてに駆動力を伝えることで走破することができます。しかし、従来の四輪駆動車は、二輪駆動と四輪駆動の切り替えに手間がかかるという難点がありました。多くの四輪駆動車には、マニュアルロッキングハブと呼ばれる機構が備わっており、二輪駆動と四輪駆動を切り替える度に、運転席から降りて車輪のハブを手で操作する必要がありました。これは、急な天候の変化や、舗装路から未舗装路へ移行する際など、頻繁な切り替えが必要な状況では非常に不便です。ましてや、雨や雪などの悪天候下では、車外での作業は危険を伴うものでした。このような不便さや危険性を解消するために開発されたのが、オートマチックロッキングハブです。この画期的な機構は、車輪の回転を感知して自動的にハブをロック・解除するため、ドライバーは運転席に座ったまま、スイッチ操作だけで二輪駆動と四輪駆動を切り替えることができます。急な路面状況の変化にも瞬時に対応できるため、安全性が大幅に向上しました。また、車外に出る必要がないため、快適性も向上しました。オートマチックロッキングハブの登場は、四輪駆動車の使い勝手を大きく向上させ、オフロード走行をより安全で快適なものにしました。これにより、これまで以上に多くのドライバーが、悪路走破の喜びと、四輪駆動車の持つ力強さを体感できるようになりました。
駆動方式 | 切り替え方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
従来の四輪駆動車 | マニュアルロッキングハブ(手動) | 悪路走破性が高い | 切り替えに手間がかかる、天候によっては危険 |
オートマチックロッキングハブ搭載四輪駆動車 | スイッチ操作(自動) | 悪路走破性が高い、切り替えが簡単、安全、快適 | – |
自動ロックの仕組み
自動式の車輪固定装置は、前輪への動力の伝わり方を利用して、機械的に固定される仕組みです。運転者が四輪駆動の状態を選ぶと、動力源からの力が前輪に伝わり始めます。この力が車輪固定装置の中の仕組みに働きかけ、固定されていない状態から固定された状態へと切り替えます。
この切り替え装置には、いくつかの種類があります。一つは、機械的な仕組みだけで出来ているものです。歯車やレバーなどの組み合わせによって、動力が伝わると同時に車輪を固定する仕組みになっています。これらは構造が単純で丈夫なので、悪路での走行にも耐えることができます。しかし、部品同士の摩擦などで多少の抵抗が生じるため、燃費にわずかな影響を与える可能性があります。
もう一つは、空気を抜くポンプを使ったものです。これは、エンジンの力でポンプを動かし、車輪固定装置の中の空気を抜くことで、内部の部品を動かして固定する仕組みです。機械式に比べて部品点数が少なく、軽量に作ることができるため、燃費への影響を抑えることができます。しかし、ポンプや配管などの部品が追加されるため、機械式に比べると複雑な構造になります。
どちらの種類も、運転者が自ら操作する必要はありません。四輪駆動の状態を選ぶだけで自動的に車輪が固定されるので、素早く確実に四輪駆動での走行に切り替えることができます。これは、急に滑りやすい路面に出くわした時や、急な坂道を登る時など、迅速な対応が必要な場面で特に有効です。
種類 | 仕組み | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
機械式 | 歯車やレバーの組み合わせで、動力が伝わると同時に車輪を固定 | 構造が単純で丈夫。悪路走行に強い | 部品の摩擦で抵抗が生じ、燃費にわずかに影響する可能性あり |
ポンプ式 | エンジンの力でポンプを動かし、空気を抜いて内部部品を動かし固定 | 部品点数が少なく軽量。燃費への影響が少ない | ポンプや配管が追加され、機械式より複雑な構造 |
自動解除の仕組み
四輪駆動車は、通常、燃費向上のため二輪駆動で走行します。路面状況が悪化し四輪駆動が必要な場合は、運転席のスイッチ操作で前輪にも駆動力を伝えることができます。この時、前輪を駆動するための部品であるハブが自動的にロックされます。同様に、二輪駆動に戻す際もこのハブのロックが自動で解除されるようになっています。
運転者が二輪駆動モードを選択すると、まず前輪への駆動力の伝達が遮断されます。この時点で、前輪はエンジンからの力を受けて回転しなくなります。この状態になると、ハブ内部に組み込まれたバネやギアなどの機構が働き、ハブのロックを解除する方向へ回転を始めます。こうして、ハブはロックされていない状態、つまり二輪駆動の状態に戻ります。
ほとんどの車種では、この自動解除は走行中に自然に行われます。運転者はスイッチを切り替えるだけで、あとは車が自動で処理してくれます。しかし、車種によってはハブの構造上の理由から、完全に解除するには停止した状態で少し後退する必要がある場合があります。これは、ハブ内部の部品の位置が完全に二輪駆動の位置に戻っていない場合に、後退することでそのずれを解消するためです。このような操作が必要な車種の場合、車の取扱説明書に詳しい手順が記載されています。安全に操作するためにも、事前に取扱説明書をよく読んで、ご自身の車の操作方法をしっかりと理解しておくことが大切です。
駆動方式 | 状態 | ハブ | 操作 | 備考 |
---|---|---|---|---|
四輪駆動 | 路面状況悪化時 | ロック | スイッチON | 前輪にも駆動力を伝達 |
通常走行時 | ロック解除 | スイッチOFF | 燃費向上のため二輪駆動 | |
二輪駆動 | 走行中 | 自動解除 (自然) |
スイッチOFF | ほとんどの車種 |
停止状態 | 手動解除 (少し後退) |
後退操作 | 一部車種 (取扱説明書参照) |
利点と欠点
自動で車軸を固定する仕組みは、多くの利点を持っています。一番の利点は、車から降りることなく、運転席から簡単に二輪駆動と四輪駆動を切り替えられることです。これは、雨や雪などの悪天候時や、ぬかるみや砂地など、危険な場所で車を降りて操作する必要がないため、安全性を大きく高めます。また、いちいち車外に出て操作する手間を省けるため、運転の負担を軽減し、快適性も向上させます。
一方、自動で車軸を固定する仕組みには、いくつかの欠点も存在します。手動で操作する仕組みに比べて、構造が複雑になるため、故障する可能性が少し高くなるという側面があります。また、車軸の固定を解除する際に、車を後ろに動かす操作が必要な種類もあり、場所によっては操作が難しい場合があります。さらに、自動で固定する仕組みは、常に最適な駆動方式を判断するとは限りません。例えば、乾燥した舗装路で四輪駆動が不要な場合でも、自動的に四輪駆動になってしまう場合があり、燃費が悪化する可能性があります。
しかし、これらの欠点を考慮しても、自動で車軸を固定する仕組みは、快適で安全な四輪駆動の走りを可能にすると言えるでしょう。特に、頻繁に二輪駆動と四輪駆動を切り替える必要のある人や、悪路を走る機会が多い人にとって、その利便性は非常に大きいものです。技術の進歩により、信頼性も高まってきており、今後の四輪駆動車において、ますます重要な役割を果たしていくと考えられます。
項目 | 内容 |
---|---|
利点 |
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欠点 |
|
結論 | 快適で安全な四輪駆動の走りを可能にし、特に頻繁に駆動方式を切り替える必要のある人や悪路を走る機会が多い人にとって利便性は非常に大きい |
様々な四輪駆動システム
四輪を駆動する仕組みには、様々な種類があります。大きく分けると、常に四輪を駆動する方式と、そうでない方式があります。
常に四輪へ動力を伝える方式を、全輪駆動方式と呼びます。この方式は、前後輪へ常に動力を分配することで、安定した走行を実現します。滑りやすい路面や、でこぼこ道でも、しっかりと地面を捉え、安定した走りを実現できることが大きな利点です。しかし、常に四輪を駆動するため、二輪駆動の車と比べると、燃費が悪くなる傾向があります。
一方、普段は二輪駆動で走り、状況に応じて四輪駆動に切り替える方式もあります。これを選択駆動方式と呼びます。この方式は、通常走行時は二輪駆動のため、燃費の悪化を抑えることができます。必要な時だけ四輪駆動に切り替えることで、燃費と走破性を両立できることが利点です。切り替え操作が必要となるため、全輪駆動方式と比べると、即応性に劣る場合があります。
近年では、コンピューター制御によって、自動的に四輪駆動へ切り替わる方式も普及しています。これは電子制御式四輪駆動システムと呼ばれ、路面の状況や車の状態を常に監視し、最適な駆動力配分を自動で行います。これにより、ドライバーは意識することなく、あらゆる路面状況で安全かつ快適な運転を楽しむことができます。
どの方式にも利点と欠点があります。雪道や山道を頻繁に走る方は全輪駆動方式、普段は舗装道路を走り、時々悪路を走る方は選択駆動方式、快適性と安全性を重視する方は電子制御式四輪駆動システムといったように、自分の使い方や好みに合わせて最適な方式を選ぶことが大切です。
駆動方式 | 説明 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|---|
全輪駆動方式 | 常に四輪へ動力を伝える方式 | 滑りやすい路面や、でこぼこ道でも、しっかりと地面を捉え、安定した走りを実現できる。 | 二輪駆動の車と比べると、燃費が悪くなる傾向がある。 |
選択駆動方式 | 普段は二輪駆動で走り、状況に応じて四輪駆動に切り替える方式 | 通常走行時は二輪駆動のため、燃費の悪化を抑えることができる。必要な時だけ四輪駆動に切り替えることで、燃費と走破性を両立できる。 | 切り替え操作が必要となるため、全輪駆動方式と比べると、即応性に劣る場合がある。 |
電子制御式四輪駆動システム | コンピューター制御によって、自動的に四輪駆動へ切り替わる方式 | 路面の状況や車の状態を常に監視し、最適な駆動力配分を自動で行う。ドライバーは意識することなく、あらゆる路面状況で安全かつ快適な運転を楽しむことができる。 | 記載なし |
適切な使い方
四輪駆動車は、二輪駆動車よりも複雑な仕組を持っているため、安全で快適に使うためには、正しい操作とこまめな手入れが必要です。特に、自動で車輪のロックを切り替える仕組みを持つ車は、その仕組みを正しく理解し、適切に扱うことが大切です。
まず、車の使い方を書いた説明書をよく読んで、車輪のロックと解除の仕方をしっかり理解しましょう。これは、四輪駆動の性能を十分に活かすためにも、車の寿命を延ばすためにも重要です。間違った操作は、車の故障につながるだけでなく、思わぬ事故を引き起こす可能性もあります。
次に、日頃から車輪の周りの状態をチェックする習慣をつけましょう。特に、自動でロックを切り替える部分は、泥や砂などが詰まりやすいので注意が必要です。定期的に汚れを取り除き、動きを滑らかにする油を差すことで、部品の摩耗を防ぎ、長く使うことができます。
四輪駆動車は、でこぼこ道や雪道など、普段走らない道を走る機会が多いでしょう。そのため、定期的な点検と整備は欠かせません。専門の工場で点検してもらうことで、自分では気づかない小さな不具合も見つけてもらえます。整備を怠ると、大きな故障につながり、多額の修理費用がかかることもあります。また、故障が原因で事故につながる可能性も高く、安全のためにも定期的な点検整備は必ず行いましょう。
安全で快適な四輪駆動走行を楽しむためには、正しい操作と日頃の手入れを心がけることが大切です。少しの手間をかけることで、車はより長く、より安全に走ることができます。車を大切に扱うことで、ドライブの楽しみもより一層広がるでしょう。
重要項目 | 詳細 |
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説明書をよく読む | 車輪のロックと解除の仕方を理解する |
車輪周りの状態チェック | 泥や砂などの詰まりに注意し、定期的に清掃と注油を行う |
定期的な点検整備 | 専門工場での点検で、小さな不具合の早期発見につなげる |