車の心臓部、クランクジャーナルを徹底解説

車の心臓部、クランクジャーナルを徹底解説

車のことを知りたい

クランクジャーナルって、クランクシャフトの回転する軸の部分のことですよね?難しそうで、よくわからないんですけど…

車の研究家

そうですね。クランクシャフトが回転するための軸の部分です。自転車のペダルを思い浮かべてみてください。ペダルと自転車をつないでいる軸の部分と似たような役割を果たします。

車のことを知りたい

なるほど。自転車のペダルの軸みたいなものですか。でも、エンジンオイルを供給するってどういうことですか?

車の研究家

クランクジャーナルには、そこからクランクピンという部品にエンジンオイルを送るための入口があります。エンジンオイルは、エンジンをスムーズに動かすための潤滑油のようなものです。この入口からオイルを送ることで、クランクシャフト全体を滑らかに回転させることができるのです。

クランクジャーナルとは。

車のエンジン内部にある「クランクシャフト」という部品の中心軸部分を「クランクジャーナル」と言います。これは「メインジャーナル」とも呼ばれます。クランクシャフトは、このクランクジャーナルの部分で「メインベアリング」という部品を介してエンジン本体の「シリンダーブロック」に固定されています。シリンダーブロックには「メインベアリングキャップ」という部品が使われています。

一般的に、クランクジャーナルの数はエンジンの種類によって異なり、4気筒エンジンでは5個、6気筒エンジンでは直列の場合7個、V型の場合4個、8気筒V型エンジンでは5個となっています。

クランクジャーナルには、そこから「クランクピン」という部分にエンジンオイルを送るための油路の入り口があります。クランクジャーナルの太さや長さは、クランクシャフトのひねりや曲げに対する強さ、そして軸受けにかかる荷重が許容範囲内になるように決められています。この強さには、クランクシャフトの腕の部分やクランクピン部分も大きく関係しています。

回転軸の役割

回転軸の役割

車の動きを生み出す心臓部、発動機の中心には、回転軸と呼ばれる重要な部品があります。これは、動きを伝える軸であり、往復運動を回転運動に変える、いわば力の変換装置の核心を担う部分です。正式には、曲がり軸とよばれるこの軸の回転軸部分を、主軸受と呼びます。

主軸受は、ピストンの上下運動を回転運動に変換する曲がり軸を支える重要な役割を担っています。ピストンは筒の中で上下に動きますが、この動きだけでは車は走りません。ピストンの上下運動を、車を動かす回転運動に変えるのが曲がり軸であり、その回転を支えているのが主軸受です。この回転運動が、歯車などを介して、最終的に車輪を回し、車を走らせる力となります。ですから、主軸受は車の走行に欠かせない部品と言えるでしょう。

曲がり軸は、この主軸受の部分で主軸受メタルを介して発動機本体に固定されています。主軸受メタルは、薄い金属の板で、曲がり軸と発動機本体の間に入って、曲がり軸の回転を滑らかにし、摩擦や摩耗を減らす重要な役割を果たしています。摩擦が大きくなると、発動機が熱を持ち、性能が低下したり、最悪の場合は壊れてしまうこともあります。主軸受メタルは、こうした不具合を防ぐための、いわば潤滑剤の役割を果たしているのです。

さらに、主軸受には、それを上から押さえつける主軸受蓋があります。主軸受蓋によって主軸受メタルと曲がり軸はしっかりと固定され、発動機の安定した動作を支えています。もし、主軸受や主軸受メタルが損傷すると、発動機全体の動作に深刻な影響を及ぼす可能性があります。発動機がスムーズに回転しなくなるばかりか、大きな異音が発生したり、最悪の場合は発動機が停止してしまうこともあります。そのため、定期的な点検と適切な管理が重要です。

回転軸の役割

ジャーナルの個数

ジャーナルの個数

車の心臓部であるエンジンには、クランク軸と呼ばれる重要な部品があります。このクランク軸を支えるのがクランクジャーナルです。クランクジャーナルは、エンジンの回転を滑らかに伝えるために欠かせない部品であり、その数はエンジンの種類によって異なります。

一般的に、4つの筒を持つエンジンでは5つのジャーナルが用いられています。6つの筒を持つエンジンでは、筒が一直線に並んだ直列型では7つ、V字型に並んだV型では4つのジャーナルが用いられています。また、8つの筒を持つV型エンジンでは5つのジャーナルが一般的です。

エンジンの構造や設計によって、最適なジャーナルの数が決められています。これは、エンジンの性能や耐久性に大きく影響するためです。例えば、V型エンジンは直列型エンジンに比べてクランク軸の長さが短いため、ジャーナルの数も少なくなっています。クランク軸が短くなることで、エンジン全体の大きさや重さを抑えることができ、車の燃費向上にもつながります。

ジャーナルの数は、エンジンの回転の滑らかさにも影響します。ジャーナルの数が多ければ、クランク軸をより多くの点で支えることができるため、回転がより安定します。しかし、ジャーナルの数が増えると、部品点数が増え、製造コストも高くなるため、最適なバランスが求められます。

それぞれのエンジンの特性に合わせて、最適な数のクランクジャーナルが設計されており、エンジンのスムーズな回転、高い性能、そして長い寿命を実現するために重要な役割を果たしているのです。

シリンダー数 エンジンタイプ ジャーナル数
4 5
6 直列 7
6 V型 4
8 V型 5

潤滑油供給の経路

潤滑油供給の経路

車は心臓部である発動機を円滑に動かすために、油を様々な部品に送り届ける仕組みを備えています。この油の通り道を、ここでは詳しく見ていきましょう。

発動機の中心には、回転する軸があります。この軸は、力を生み出すための重要な部品である、上下に動く部品とつながっています。この連結部分には、軸を支える重要な部品があり、これを滑らかに動かすために油が必要です。軸には、この部品に油を送り込むための入り口が設けられています。

軸の入り口から送り込まれた油は、連結部分全体に行き渡り、表面を覆います。これにより、金属同士が直接こすれ合うのを防ぎ、摩擦による熱の発生と摩耗を減らすことができます。この油による保護は、発動機の寿命を延ばす上で非常に重要です。

油の通り道は、必要な量の油を確実に届けるように、精密に設計されています。もし、この通り道がゴミで詰まったり、何らかの理由で傷ついてしまったりすると、連結部分に必要な油が行き渡らなくなります。油が不足すると、金属同士が激しくこすれ合い、熱が発生し、摩耗が進んでしまいます。最悪の場合、発動機が動かなくなることもあります。

そのため、定期的に油の状態を確認し、汚れていたり量が減っていたりする場合は、新しい油と交換することが大切です。古くなった油は、粘り気がなくなって滑らかさを失い、部品を保護する働きが弱くなってしまいます。また、ゴミや金属の粉が混じっていると、油の通り道を詰まらせる原因になります。定期的な油の交換は、発動機の健康を保ち、長く乗り続けるために欠かせない作業です。

このように、発動機内部の油の通り道は、小さな部品ですが、発動機の性能と寿命を左右する重要な役割を担っています。日頃から、油の状態に気を配り、適切な管理を心がけることが大切です。

潤滑油供給の経路

剛性への影響

剛性への影響

回転運動の要となる部品、クランク軸は、その頑丈さがエンジンの働きに直結します。頑丈さには、ねじれに対する強さと曲げに対する強さの二種類があり、どちらもクランク軸の各部、特に回転軸を支える部分であるクランクジャーナルに大きな影響を受けます。ねじれに対する強さとは、クランク軸がねじれる力に耐える力のことで、曲げに対する強さとは、曲がる力に耐える力のことを指します。これらの強さが高いほど、エンジンの回転は安定し、力のロスや振動を抑えることが可能になります。

クランクジャーナルの直径や長さは、これらの強さを保つ上で重要な要素であり、最適な値となるよう設計されています。直径が大きければ太くて頑丈になり、長さが適切であれば支点が安定します。しかし、ただ大きく、長くすれば良いという訳でもありません。大きすぎれば重くなり、エンジンの回転に負担がかかります。長すぎれば他の部品との兼ね合いが悪くなり、設計全体のバランスが崩れてしまいます。そのため、エンジンの出力や大きさ、その他様々な要素を考慮して、最適な値が決められています。

さらに、クランクジャーナルの形や表面の仕上げ具合も、これらの強さに影響を及ぼします。 表面が滑らかで精度が高ければ、摩擦が減り、回転がスムーズになります。形も、ねじれや曲げに強いように工夫が凝らされています。そのため、クランクジャーナルの製造には、非常に精密な加工技術が必要です。ほんの少しの歪みや傷が、エンジンの性能に大きな影響を与える可能性があるからです。クランク軸は、まさにエンジンの心臓部と言える重要な部品であり、その頑丈さを支えるクランクジャーナルは、精密な設計と高度な加工技術によって生み出されています。

要素 ねじれに対する強さ 曲げに対する強さ 影響
クランクジャーナルの直径 大きいほど強い 大きいほど強い 大きすぎると重い
クランクジャーナルの長さ 適切な長さで支点が安定 適切な長さで支点が安定 長すぎると他の部品との兼ね合いが悪くなる
クランクジャーナルの形状 ねじれに強い形状が理想 曲げに強い形状が理想
クランクジャーナルの表面仕上げ 滑らかで精度が高いほど摩擦が減る 滑らかで精度が高いほど摩擦が減る

軸受け荷重

軸受け荷重

車の心臓部であるエンジン内部では、クランクシャフトという部品が回転運動を生み出しています。このクランクシャフトには、クランクジャーナルと呼ばれる軸状の部分があり、ここに接続する部品を回転させる役割を担っています。このクランクジャーナルには、エンジンが動くたびに大きな力が加わります。これが軸受け荷重です。

軸受け荷重の大きさは、エンジンの出力や回転数、そして接続する部品の重さなど、様々な要因によって変化します。高出力のエンジンでは、より大きな力が発生するため、軸受け荷重も大きくなります。また、エンジンを高回転で回した場合も、同様に軸受け荷重は増加します。

クランクジャーナルは、この大きな荷重に耐えられるよう、頑丈に設計されています。具体的には、クランクジャーナルの太さや長さ、そして使用する材料の強度などが、荷重に耐えられるように綿密に計算されています。もし、軸受け荷重がクランクジャーナルの許容範囲を超えてしまうと、クランクジャーナルやそれを支える軸受けが変形したり、破損したりする可能性があります。

軸受け荷重を支える重要な部品として、軸受けがあります。軸受けは、クランクジャーナルとそれを支える部分との間に挟み込まれた部品で、摩擦を減らし、滑らかに回転するのを助けます。この軸受けは、エンジンオイルによって油膜が形成され、クランクジャーナルと直接接触しないようになっています。この油膜のおかげで、摩擦による摩耗や発熱を抑えることができます。

高性能で長持ちするエンジンを作るためには、軸受け荷重を適切に管理することが欠かせません。そのため、エンジンの設計段階では、様々な運転状況を想定し、軸受け荷重が許容範囲内にお収まるように、クランクジャーナルの寸法や材質、軸受けの形状などが綿密に設計されています。さらに、高精度の加工技術によって、設計通りの形状や寸法に仕上げることで、エンジンの耐久性と性能を高い水準で両立させています。

軸受け荷重

まとめ

まとめ

自動車の心臓部とも呼ばれる発動機の中には、動力を生み出す重要な部品がたくさん組み込まれています。その中で、回転運動を滑らかに伝えるクランク軸を支えているのがクランクジャーナルです。これは、いわば縁の下の力持ちと言えるでしょう。

クランク軸は、発動機内部でピストンが上下運動する力を回転運動に変換する役割を担っています。この回転運動は、最終的に車輪に伝わり、車を走らせる力となります。クランクジャーナルは、このクランク軸をしっかりと支え、滑らかに回転させるという重要な役割を担っています。もし、クランクジャーナルがなければ、クランク軸は安定して回転することができず、車はスムーズに走ることができません。

クランクジャーナルの数は、発動機の構造によって異なります。一般的には、発動機の大きさや出力に合わせて最適な数が設計されています。数が多ければ摩擦が減り、回転が滑らかになりますが、部品点数が多くなるため、発動機全体の大きさが大きくなってしまうこともあります。反対に、数が少なければ発動機は小型化できますが、摩擦が大きくなり、回転がスムーズにいかない可能性があります。

クランクジャーナルには、常に潤滑油が供給されています。これは、金属同士の摩擦を減らし、摩耗を防ぐためです。潤滑油が不足すると、クランクジャーナルやクランク軸が焼き付いてしまい、発動機が動かなくなることもあります。また、クランクジャーナルは、発動機内部で発生する大きな力に耐えられるよう、高い強度も求められます。

このように、クランクジャーナルは小さいながらも、自動車の走行に欠かせない重要な部品です。日頃から発動機の音や揺れに注意を払い、定期的に整備を行うことで、クランクジャーナルの状態を良好に保つことができます。これは、発動機の寿命を延ばし、安全で快適な運転を楽しむことに繋がります。

項目 説明
役割 クランク軸を支え、滑らかに回転させる
重要性 クランクジャーナルがなければ、クランク軸は安定して回転できず、車はスムーズに走れない
エンジンの大きさや出力に合わせて最適な数が設計されている
・数が多い: 摩擦軽減、回転滑らか、部品点数増加、エンジン大型化
・数少ない: エンジン小型化、摩擦増加、回転スムーズでない可能性
潤滑油 常に供給。金属同士の摩擦軽減、摩耗防止
強度 エンジン内部の大きな力に耐える高い強度が必要
メンテナンス エンジンの音や揺れに注意、定期的な整備で状態を良好に保つ