車の心臓、セルモーター:エンジンの始動を支える
車のことを知りたい
セルモーターって、エンジンをかけるためのものですよね?でも、なんでエンジンは自分でかけられないんですか?
車の研究家
いい質問ですね。エンジンは、燃料を燃やすことで力を生み出しますが、止まっている状態からでは、自分で燃料に火をつけることができないんです。だから、セルモーターという電気の力で動くモーターで、最初の回転の力を与えているんですよ。
車のことを知りたい
なるほど。自転車みたいに、最初にペダルをこぐ必要があるってことですね。それで、電気を使うってことは、電池が必要なんですよね?
車の研究家
その通り! 車のバッテリーがその電池の役割をしています。セルモーターはたくさんの電気を使うので、バッテリーも大きな力が必要なんです。
セルモーターとは。
車を動かすための言葉「セルモーター」について説明します。セルモーターは、エンジンを始動させるための電気で動くモーターです。ガソリンや軽油で動くエンジンは、自分で始動することができません。そのため、エンジンをかける時は、バッテリーから電気を送ってセルモーターを回す必要があります。このモーターは、動き始めとゆっくり回っている時に大きな力が出せるように作られています。エンジンを始動させる時はたくさんの電気を使う必要があり、普通の車では12ボルトで100アンペア以上の電気が必要です。小さいバイクには、ぜんまいを巻いて、その力を利用してエンジンを始動させるものもあります。
始動の仕組み
車は、自らの力だけでは動き出すことができません。人間で例えるなら、ぐっすり眠っている状態です。目を覚まして活動するには、誰かに起こしてもらう必要があります。車の場合、この「起こす」役割を担うのが始動装置です。
始動装置の心臓部には、電動機と呼ばれる部品が備わっています。この電動機は、車の蓄電池に蓄えられた電気の力を利用して回転する仕組みになっています。ちょうど、扇風機に電気を送ると羽根が回るように、蓄電池から電動機に電気が流れると、勢いよく回転を始めます。
この回転運動が、原動機を目覚めさせる第一歩となります。原動機内部には、上下に動く活塞と呼ばれる部品があります。電動機の回転は、この活塞を押し下げる力を生み出し、原動機全体を回転させるのです。まるで、ブランコを漕ぎ始める時、最初に地面を蹴るように、最初のひと押しを与えているわけです。
私たちが普段何気なく行っている車の始動操作、鍵を回すだけでエンジンがかかる裏側には、このような複雑な仕組みが隠されています。電動機のおかげで、私たちはスムーズに車を走らせることができるのです。毎日の運転で、この小さな部品の働きに思いを馳せてみるのも良いかもしれません。 蓄電池の電気が不足すると、電動機を回すことができなくなり、エンジンが始動しなくなります。これは、まるで目覚まし時計の電池が切れて、朝起きられないのと同じです。ですから、日頃から蓄電池の状態を確認し、適切な管理を心掛けることが大切です。
力強い回転
車を動かすには、まずエンジンをかけなければなりません。エンジンをかけるには、大きな力が必要です。この大きな力を生み出すのが、始動装置です。始動装置の中には、直流直巻き型電動機と呼ばれるものが入っています。この電動機は、動き始めやゆっくり回っている時に、大きな回転する力(トルク)を生み出すのが特徴です。
例えるなら、自転車を漕ぎ始めるときを想像してみてください。止まっている状態から動き出すには、大きな力が必要です。一度動き出してしまえば、ペダルを漕ぐのは楽になりますよね。直流直巻き型電動機も同じで、動き始めやゆっくり回っている時に大きな力を発揮し、静止しているエンジンを回転させるのです。
この電動機は、電磁石の仕組みを利用しています。電磁石は、電気を流すと磁石になり、電気を止めると磁石ではなくなる性質があります。直流直巻き型電動機の中には、いくつかの電磁石が並んで配置されています。電気を流すとこれらの電磁石が磁力によって引き寄せられたり反発したりすることで回転力が生まれます。
直流直巻き型電動機は、構造が単純で、製造費用も安く抑えられるという利点があります。また、小型でありながら大きな力を出せるため、車以外にも様々な用途で使われています。例えば、電車や電動工具などにも利用されています。
このように、小さな始動装置の中に組み込まれた直流直巻き型電動機は、大きな力を生み出し、エンジンを始動させるという重要な役割を担っています。まさに、車の心臓部を動かすための縁の下の力持ちと言えるでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
始動装置 | エンジンをかけるために必要な大きな力を生み出す装置。 |
直流直巻き型電動機 | 始動装置の内部にある、動き始めや低回転時に大きなトルクを生み出す電動機。電磁石の原理を利用し、構造が単純で製造費用が安く、小型で高出力。 |
電磁石 | 電気を流すと磁石になり、電気を止めると磁石でなくなる性質を持つ。直流直巻き型電動機の回転力の源。 |
用途 | 車以外にも、電車や電動工具など、様々な用途で使用されている。 |
役割 | 車のエンジンを始動させる重要な役割を担う縁の下の力持ち。 |
電気の要
車は、ガソリンや軽油といった燃料を燃やして動きますが、燃料に火をつける最初のきっかけは電気です。その電気の大切な役目を担っているのが、始動装置です。この装置の中心となる部品が、電動機です。
電動機は、大きな力を出すために、たくさんの電気を使います。普通の乗用車では、12ボルトという電圧で、100アンペア以上の電流が流れます。これは、家庭で使っている電気製品の中でも、電気をたくさん使うエアコンや電子レンジと同じくらいの電力です。
この大きな電流を蓄電池から瞬時に送ることで、電動機は勢いよく回り、エンジンを始動させます。蓄電池は、いわば車の心臓ともいえる重要な部品で、常に十分な電気を持つように管理する必要があります。
もし蓄電池の電気が少なくなっていると、電動機がうまく回らず、エンジンがかからないことがあります。これは、冬の寒い朝によく起こる現象です。気温が低いと、エンジンオイルが固くなってしまい、エンジンを回すのにより大きな力が必要になります。その結果、電動機にもより多くの電気が必要となり、蓄電池への負担が大きくなるのです。
また、ヘッドライトや室内灯、カーエアコンなど、さまざまな電装品を使うことでも蓄電池の電気は消費されます。ですから、こまめに蓄電池の状態を確認し、必要に応じて充電するなど、適切な管理が必要です。そうすることで、いつでもスムーズにエンジンを始動させ、快適な運転を楽しむことができるでしょう。
小型バイクの工夫
小さな自動二輪車には、様々な工夫が凝らされています。その一つに、エンジンを始動させるための仕掛けに、電気を使う始動機の代わりに、ぜんまいを使うものがあります。これは、おもちゃのねじ巻き人形のように、ぜんまいに力をためておくことで、エンジンを動かす仕組みです。
具体的な仕組みを見てみましょう。まず、始動レバーを足で踏み込むことで、内部のぜんまいに力が蓄えられます。この時、ぎゅるぎゅると回転する音とともに、レバーに反発力を感じます。これは、ぜんまいが力をため込んでいる証拠です。十分に力が蓄えられたら、今度は始動レバーを勢いよく踏み込みます。すると、蓄えられたぜんまいの力が一気に解放され、エンジンにつながる部分を回転させます。この回転の力によって、エンジン内部の部品が動き出し、燃料に火がつき、エンジンが始動するのです。
このぜんまい式の始動方法は、電気を使う始動機に比べていくつかの利点があります。まず、大きな電気を必要としないため、小型自動二輪車に搭載される比較的小さな蓄電池でも十分にエンジンを始動させることができます。また、電気系統の故障時にも、ぜんまい式であればエンジンを始動させることができます。これは、緊急時や出先でのトラブル時に大きな安心感につながります。さらに、ぜんまい式の始動装置は、構造が単純であるため、部品点数も少なく、軽量でコンパクトです。これは、限られた大きさや重さの中で様々な機能を搭載しなければならない小型自動二輪車にとって、大きなメリットとなります。
このように、ぜんまい式の始動方法は、小型自動二輪車ならではの工夫と言えるでしょう。小さな車体に秘められた、知恵と工夫を感じることができる技術です。
特徴 | 詳細 | メリット |
---|---|---|
始動方式 | ぜんまい式 | 小型軽量、部品点数削減 |
始動手順 | 1. 始動レバーを踏んでぜんまいに力を蓄える 2. 始動レバーを勢いよく踏み込み、ぜんまいの力を解放 3. エンジンにつながる部分を回転させ、エンジン始動 |
– |
利点1 | 小さな蓄電池で始動可能 | – |
利点2 | 電気系統の故障時にも始動可能 | 緊急時やトラブル時に安心 |
なくてはならない存在
車を動かすために欠かせない部品の一つに、始動装置があります。普段はあまり気に留めることもないかもしれませんが、毎日のようにエンジンをかける際に、陰で活躍している縁の下の力持ちです。この装置は、正式には「始動電動機」と呼ばれ、よく「セルモーター」という名で親しまれています。
この始動装置は、どのようにエンジンを始動させているのでしょうか。簡単に説明すると、蓄電池に蓄えられた電気の力でモーターを回し、その回転力をエンジンのクランク軸に伝えてエンジンを始動させます。ちょうど、自転車のペダルを漕ぎ始める時のように、最初のひと押しを与えてエンジンを動かし始める役割を担っています。自転車の場合、ペダルを漕ぎ始めれば自分の力で進みますが、車の場合は、始動装置によってエンジンが始動すると、その後はエンジン自身が動き続けるのです。
この小さな部品が正常に動作しなければ、エンジンは始動しません。毎日何気なく車を走らせられるのは、この始動装置が確実に仕事をしてくれているおかげです。ですから、始動装置は、まさに車にとって「なくてはならない存在」と言えるでしょう。
始動装置の寿命を延ばすためには、定期的な点検が重要です。点検を怠ると、ある日突然エンジンがかからなくなるという事態にもなりかねません。また、普段からエンジンをかける際にキーを回しっぱなしにしないなど、正しい使い方を心がけることも大切です。日々の小さな心がけと定期的な点検によって、快適な運転を長く楽しむことができるでしょう。
始動装置は、私たちが快適に車を利用するために、静かに、しかし確実に仕事をこなす、なくてはならない存在なのです。 車の仕組みを少し理解することで、より安全で快適な運転につながるだけでなく、車への愛着も深まるでしょう。普段は見えないところで活躍する小さな部品にも、感謝の気持ちを忘れずにいたいものです。