気になる車の振動、2次振動とは?
車のことを知りたい
先生、「2次振動」って一体何ですか?よく分かりません。
車の研究家
そうですね。「2次振動」は、もととなる振動の2倍の速さで揺れる振動のことです。例えば、ブランコをこぐ時、ブランコが揺れる速さと、こぐ速さが違うよね?こぐ速さがブランコの揺れの2倍の時のような揺れ方を「2次振動」と言うんだよ。
車のことを知りたい
ブランコのこぎ方と関係あるんですね。でも、車のエンジンでどういう風に起こるのですか?
車の研究家
エンジンのピストンの動きで生まれる力にムラがあるのが原因です。このムラはエンジンの回転よりも速く、2倍の速さで振動として伝わることが多いので「2次振動」と呼ばれるのです。この振動が大きくなると、車がブルブルと揺れてしまうんだよ。
2次振動とは。
車について話すとき、「2次振動」という言葉があります。これは、もととなる振動(1次振動)の2倍の速さで揺れる振動のことです。たとえば、4つの気筒を持つ、4サイクルエンジンで考えてみましょう。エンジンの動きの勢いが変わる回数は、クランクシャフトと呼ばれる部品の回転回数の2倍になります。この勢いの変化によって起こる揺れの主な部分は、エンジンの回転による2次振動です。また、ものがある固有の速さで揺れるとき、一番揺れやすい速さ(最低次)の、次に揺れやすい速さでの振動も2次振動と呼ぶことがあります。
振動の種類
車は動き出すと、様々な揺れを感じます。この揺れは、快適な運転を邪魔するだけでなく、車にも負担をかけます。揺れの発生源や種類を理解することで、より快適で安全な運転につなげることができます。
まず、道路の凸凹から伝わる揺れは、乗り心地に直結する大きな要因です。道路のわずかな起伏や段差、道路上の小石などを乗り越える際に、タイヤやサスペンションを通して車全体に揺れが伝わります。この揺れは、速度や路面の状態によって大きく変化し、不快感を覚えるだけでなく、運転操作にも影響を及ぼす可能性があります。
次に、エンジンの動きに伴う揺れも無視できません。エンジンのピストン運動は、常に細かな振動を発生させています。この振動は、エンジンマウントと呼ばれる部品を通して車体に伝わり、運転席や助手席で感じられることがあります。エンジンの回転数が上がるにつれて、振動も大きくなる傾向があり、特に古い車や整備不良の車では、この揺れが顕著になることがあります。
さらに、タイヤの回転も揺れの原因となります。タイヤは完全な真円ではなく、わずかな歪みや変形があります。また、タイヤの溝や摩耗も揺れに影響を与えます。これらの要素が組み合わさることで、回転するタイヤから揺れが発生し、車体に伝わります。高速走行時には、この揺れが大きくなり、ハンドルに振動が伝わることもあります。
これらの揺れを軽減するために、車は様々な工夫を凝らしています。サスペンションは、路面からの衝撃を吸収し、車体の揺れを抑える役割を果たしています。エンジンマウントは、エンジンの振動を車体に伝えないようにするための部品です。タイヤの素材や構造も、揺れを少なくするように設計されています。これらの装置の働きを理解することで、車の状態を適切に把握し、より安全で快適な運転を心がけることができるでしょう。
揺れの発生源 | 揺れの影響 | 揺れの特徴 | 関連装置 |
---|---|---|---|
道路の凸凹 | 乗り心地低下、運転操作への影響 | 速度や路面状況により変化 | サスペンション |
エンジンの動き | 運転席・助手席での振動 | 回転数上昇に伴い振動増大、古い車や整備不良車で顕著 | エンジンマウント |
タイヤの回転 | 高速走行時のハンドル振動 | タイヤの歪み、変形、溝、摩耗が影響 | タイヤの素材・構造 |
2次振動とは何か
車は、様々な部品が組み合わさってできており、走行中は常に振動が発生しています。この振動は、大きく分けて一次振動と二次振動に分けられます。一次振動とは、車が上下に揺れる、最も基本的な振動のことです。例えば、道路の凹凸を乗り越えた際に、車全体が大きく揺れるような動きが一次振動です。この一次振動は、バネとダンパー(緩衝器)によってある程度抑えられますが、完全に無くすことはできません。
二次振動とは、この一次振動の周波数の二倍で発生する、より速い振動のことです。一次振動がゆっくりとした大きな揺れであるのに対し、二次振動は細かな、速い揺れとして感じられます。ブランコを例に考えてみましょう。ブランコを大きく揺らすと、一定のリズムで前後に動きます。これが一次振動です。このとき、ブランコに乗っている人は、さらに細かな振動を感じることがあります。これが二次振動です。車においても同様に、一次振動に伴って二次振動が発生します。
二次振動は、乗り心地を悪くする大きな要因となります。シートの振動や、ハンドルに伝わる微振動など、不快な乗り心地の原因となることが多いです。また、長期間にわたって二次振動にさらされると、部品の摩耗や損傷に繋がる可能性もあります。小さな振動が繰り返し加わることで、金属疲労を引き起こし、部品の寿命を縮めてしまうのです。
自動車メーカーは、様々な技術を用いて二次振動を抑える工夫をしています。例えば、サスペンションの設計を最適化したり、防振材を効果的に配置することで、二次振動の発生を最小限に抑えています。快適な乗り心地と、車の耐久性を高めるためには、二次振動への対策が欠かせないと言えるでしょう。
振動の種類 | 概要 | 特徴 | 影響 |
---|---|---|---|
一次振動 | 車が上下に揺れる基本的な振動 | 道路の凹凸による大きな揺れ バネとダンパーで抑制 |
乗り心地への影響 二次振動の原因 |
二次振動 | 一次振動の周波数の二倍で発生する速い振動 | 細かな、速い揺れ ブランコの例え |
乗り心地悪化 部品の摩耗・損傷 金属疲労 |
エンジンの振動
自動車の乗り心地を大きく左右する要素の一つに、動力源である機関の揺れがあります。機関の揺れは、主に燃焼行程で発生するピストンの往復運動が原因です。ピストンはシリンダー内部を上下に激しく動き、この動きが機関全体を揺らします。
例えば、広く普及している4つのシリンダーを持つ機関を考えてみましょう。それぞれのシリンダーでピストンが上下に動くたびに揺れが生じ、クランク軸が1回転する間に4回の揺れが発生します。ピストンが上死点や下死点に達する瞬間には、ピストンの動きが反転するため、特に強い揺れが発生します。
これらの揺れは、機関台と呼ばれるゴムや油圧を利用した緩衝装置によって吸収・抑制されます。機関台は機関と車体フレームの間に取り付けられており、機関から発生する揺れを車体に伝わる前に軽減する役割を果たします。しかし、機関台は全ての揺れを完全に吸収できるわけではありません。特に、2次揺れと呼ばれる高い周波数の揺れは吸収しきれず、車内に伝わってしまうことがあります。この高い周波数の揺れは、不快な振動として乗員に感じられ、乗り心地を損なう原因となります。
さらに、機関の回転速度によっても揺れの大きさは変化します。低い回転速度では揺れは小さく、それほど問題にはなりませんが、回転速度が高くなるにつれて揺れも大きくなり、より不快な振動となります。そのため、自動車メーカーは機関台以外にも、バランス軸や動吸振器といった様々な技術を用いて、機関の揺れを抑制し、快適な乗り心地を実現しようと努めています。これらの技術は、揺れの周波数や振幅を調整することで、車内に伝わる振動を最小限に抑える効果があります。
原因 | 影響 | 対策 | 補足 |
---|---|---|---|
ピストンの往復運動 (燃焼行程による) |
機関の揺れ ・クランク軸1回転あたり4回 (4気筒エンジン) ・上死点/下死点で強い揺れ |
機関台(ゴム/油圧式)による振動吸収 | 2次揺れ(高周波)は吸収しきれない |
機関の回転速度の上昇 | 揺れの増大、不快な振動 | バランス軸、動吸振器 | 振動の周波数/振幅を調整 |
4気筒エンジンの場合
四つの気筒を持つエンジンは、振動対策が特に重要です。その理由は、エンジンの回転に伴い発生する振動の中でも、「二次振動」と呼ばれるものが顕著に現れるためです。この二次振動は、四気筒エンジンの構造と、爆発が生み出す力の変化に由来します。
四気筒エンジンでは、クランクシャフトが二回転する間に、各気筒で一回ずつ、合計四回の爆発が起こります。この爆発は、ピストンを押し下げる力となり、最終的に車の駆動力へと変換されます。しかし、この爆発力は常に一定ではなく、爆発の瞬間は大きな力が発生し、それ以外のタイミングでは力は小さくなります。この力の変動こそが、「トルク変動」と呼ばれる現象です。
トルク変動は、エンジンの回転に不規則な変化を生じさせ、これが振動として車体に伝わります。特に、エンジン回転数の二倍の速さで発生する振動が「二次振動」です。例えば、エンジンが毎分3000回転している時、二次振動は毎分6000回もの振動として発生します。この細かな振動は、車内に不快感を与え、乗り心地を悪くする原因となります。
二次振動を抑えるためには、様々な工夫が凝らされています。例えば、バランスシャフトと呼ばれる部品を追加して振動を打ち消したり、エンジンの取り付け方法を工夫して振動の伝わりを少なくしたりするなど、様々な対策が施されています。これらの工夫によって、四気筒エンジンは滑らかで快適な乗り心地を実現しているのです。
項目 | 説明 |
---|---|
四気筒エンジンの爆発 | クランクシャフト2回転で各気筒1回ずつ、計4回爆発 |
トルク変動 | 爆発力の変動(爆発時は大きな力、それ以外は小さい力)がエンジンの回転に不規則な変化を生じさせ、振動として車体に伝わる。 |
二次振動 | トルク変動によりエンジン回転数の2倍の速さで発生する振動。例:エンジン回転数3000rpm時、二次振動は6000rpmで発生。 |
二次振動の影響 | 車内に不快感を与え、乗り心地を悪くする。 |
二次振動対策 | バランスシャフトの追加、エンジンの取り付け方法の工夫など。 |
振動対策
車は、走ることで様々な振動が発生します。この振動は、乗っている人に不快感を与えるだけでなく、車の部品にも負担をかけ、故障の原因となることもあります。快適な乗り心地と車の耐久性を確保するために、様々な振動対策が施されています。
中でも特に重要なのが、エンジンが発生させる振動対策です。エンジンは、ピストンの往復運動によって動力を生み出しますが、この動きが振動の大きな原因となります。代表的な対策として、エンジンマウントの改良が挙げられます。エンジンマウントは、エンジンと車体をつなぐ部品で、ゴムなどの振動吸収材を使用することで、エンジンから車体への振動伝達を抑制しています。材質や形状を工夫することで、特定の周波数の振動を効果的に吸収し、静粛性を高めています。
また、エンジンの回転運動に伴う振動を打ち消すために、バランサーシャフトが搭載されている車種もあります。これは、エンジン内部で回転する軸で、エンジンの振動と逆方向の振動を発生させることで、振動を相殺する仕組みです。バランサーシャフトの搭載により、特にアイドリング時や低速走行時の振動が大幅に低減され、快適な乗り心地を実現しています。
車体構造そのものも、振動対策に重要な役割を果たします。振動を吸収しやすい素材を車体に使用することで、振動の伝達を抑制することができます。また、車体の剛性を高めることで、振動による変形を抑え、振動の増幅を防ぐ効果があります。
これらの技術は、単独で用いられるだけでなく、組み合わせて用いられることで、より効果的な振動対策を実現しています。振動を抑える技術の進化は、車の快適性と耐久性を向上させるだけでなく、燃費向上にも貢献しています。今後も、更なる技術開発によって、より快適で静粛な車内空間が実現されるでしょう。
対策箇所 | 対策内容 | 効果 |
---|---|---|
エンジン | エンジンマウントの改良(振動吸収材の材質・形状工夫) | 特定周波数の振動吸収、静粛性向上 |
エンジン | バランサーシャフト搭載 | アイドリング時・低速走行時の振動低減、快適な乗り心地 |
車体 | 振動吸収しやすい素材の使用 | 振動伝達抑制 |
車体 | 車体剛性の向上 | 振動による変形抑制、振動増幅防止 |
快適な運転のために
心地よい運転は、長距離の移動でも疲れにくく、楽しい時間を過ごせる大切な要素です。しかし、車の揺れは、快適な運転を阻害する大きな要因となります。揺れが大きいと、集中力が途切れやすく、運転に疲れを感じやすくなります。また、長時間揺れにさらされると、体に負担がかかり、肩や腰の凝り、頭痛などを引き起こす可能性もあります。快適な運転を楽しむためには、車の揺れを抑える工夫が欠かせません。
まず、車を選ぶ際には、揺れ対策が施されているかを確認することが重要です。車の構造やサスペンション(ばね装置)の種類によって、揺れの大きさは大きく変わります。試乗の機会があれば、様々な路面状況で運転してみて、揺れの程度を体感してみることをお勧めします。
次に、タイヤの空気圧も、乗り心地に大きく影響します。空気圧が適正値より低いと、タイヤの変形が大きくなり、揺れが増幅されます。逆に、空気圧が高すぎると、路面からの衝撃を吸収しにくくなり、乗り心地が悪くなります。こまめに空気圧をチェックし、適正値を維持することが大切です。
さらに、定期的な点検整備も、快適な運転を維持するために不可欠です。サスペンションの部品や、タイヤの状態が悪くなると、揺れが増加する原因となります。定期的に整備工場で点検を受け、部品の交換や調整を行うことで、車の状態を良好に保ち、揺れを抑えることができます。これらの点に気を配り、快適な運転環境を整えることで、ドライブをより安全で楽しいものにすることができます。
快適な運転のための揺れ対策 | 具体的な方法 |
---|---|
車の選択 | 揺れ対策が施されているか確認。様々な路面状況で試乗し、揺れの程度を体感。 |
タイヤの空気圧 | こまめにチェックし、適正値を維持。低すぎると揺れが増幅、高すぎると乗り心地が悪化。 |
定期的な点検整備 | サスペンション部品やタイヤの状態をチェック。部品交換や調整で車の状態を良好に維持。 |