モード燃費とは何か?

モード燃費とは何か?

車のことを知りたい

『モード燃費』って、どういう意味ですか?なんか難しそうでよくわからないです。

車の研究家

簡単に言うと、試験場で決まった走り方をさせて車の燃費を測ったものだよ。車のカタログに載っている燃費はこの『モード燃費』なんだ。

車のことを知りたい

決まった走り方っていうのは、どういうものですか?

車の研究家

昔は『10モード』や『10・15モード』っていう走り方をさせて燃費を測っていたんだけど、今は変わっているんだ。車の実際の走り方とは違うから、あくまで目安と考えておいた方がいいよ。

モード燃費とは。

『モード燃費』とは、車の燃費を測る言葉です。タイヤを回転させる装置の上で、排気ガス検査と同じ運転方法で走らせて、使った燃料の量から燃費を出します。排気ガス検査の運転方法は、1973年から1990年までは10モードと11モードという方法でしたが、1991年に10モードは10・15モードという方法に変わりました。モード燃費は、10モードまたは10・15モードのエンジンが温まっている状態での検査で測ります。実際に道路を走る時の車の運転の仕方は本当に様々なので、検査での運転方法は、市場に出回っている車の一般的な運転方法を真似ています。ただ、車の普及によって道路の交通状況も変わってきているので、市場での一般的な運転方法について、これから長い期間かけて見直していく予定です。

モード燃費の概要

モード燃費の概要

「モード燃費」とは、車の燃費性能を測るための大切な指標です。車の燃費は、運転の仕方や道路状況、天候など、様々な要因で変化しますが、それらを一定の条件に揃えて測定したものがモード燃費です。具体的には、実験室の中にある「シャシダイナモメーター」と呼ばれる装置の上で車を走らせ、その時の燃料消費量を計測します。この装置は、実際の道路の走行抵抗を再現することができるので、車を実際に走らせるのと同じような負荷をかけることができます。

モード燃費を測る時には、「走行モード」と呼ばれる決められた運転パターンに従って車を走らせます。この走行モードは、市街地や郊外、高速道路など、様々な道路状況を想定した加速、減速、停車のパターンを組み合わせたものです。このパターンに従って運転することで、どの車も同じ条件で燃費を測定することができ、公平な比較が可能になります。つまり、モード燃費は、ある特定の運転パターンに基づいて測定された燃費の値なのです。

カタログなどに記載されている燃費の多くは、このモード燃費の値です。ですから、車の燃費性能を比較検討する際に、このモード燃費は重要な情報源となります。しかし、実際の道路を走る時の燃費は、モード燃費で示される値と必ずしも一致するとは限りません。なぜなら、実際の道路では、モード燃費の測定時とは異なる様々な要因が燃費に影響を与えるからです。例えば、エアコンの使用や乗員数、荷物の量、渋滞の有無など、様々な要素が燃費に影響を及ぼします。ですから、モード燃費はあくまでも参考値として捉え、実際の燃費は運転の仕方や道路状況によって変化することを理解しておく必要があります。

項目 内容
モード燃費とは 一定の条件下で測定された車の燃費性能指標
測定方法 シャシダイナモメーター上で走行モードに従って走行し、燃料消費量を計測
走行モード 市街地、郊外、高速道路など様々な道路状況を想定した運転パターン
測定の意義 車種間の公平な燃費比較を可能にする
カタログ燃費 多くの場合、モード燃費の値が記載
注意点 実際の燃費は、運転の仕方や道路状況によって変化するため、モード燃費はあくまでも参考値

走行モードの変遷

走行モードの変遷

車の燃費を測るやり方は、時代とともに大きく変わってきました。昔は、10モードとか11モードと呼ばれるやり方で燃費を測っていました。これは、昭和48年から平成2年までの約17年間も使われていた方法です。

この10モードというのは、あらかじめ決められた道を走ることで燃費を測る方法でした。しかし、この方法では実際の道路の走り方とは少し違っていて街中でのストップアンドゴー高速道路での速い走りなどはあまり考えられていませんでした。

そこで、平成3年からは、もっと実際に近い燃費を測るために、10モードを改良した10・15モードが作られました。この新しい方法では、街中を走る時によくある、発進や停止といった動きが、より多く取り入れられました。例えば、信号で止まって、また走り出すといった場面を想定して、より細かく速度を変えるような走り方をします。

このように、10・15モードでは、より現実に近い走り方で燃費を測るようになったので、カタログに載っている燃費の数字も、実際に私たちが運転した時の燃費に近い値になったと言えるでしょう。

自動車の技術は常に進歩していますし、道路の状況や交通事情も変化していきます。ですから、燃費の測り方も、時代に合ったより良い方法へと、これからも進化していくと考えられます。

燃費測定方法 期間 特徴
10モード 昭和48年~平成2年 (約17年間) あらかじめ決められた道を走行。ストップアンドゴーや高速走行はあまり考慮されていない。
10・15モード 平成3年~ 10モードを改良。発進・停止など、より実走行に近いパターンで測定。

ホットサイクルによる測定

ホットサイクルによる測定

燃費の測定方法の一つに「ホットサイクル」という方法があります。この方法は、実際に私たちが車を走らせる状況に近づけて燃費を測るための工夫が凝らされています。

車を走らせる時、エンジンが冷えている状態と温まっている状態では、燃費に大きな差が出ます。エンジンが冷えている時は、温まっている時に比べて多くの燃料を必要とするため、燃費が悪くなります。ですから、実態に近い燃費を測るには、エンジンが温まった状態で測定することが重要になってきます。

ホットサイクルでは、まずエンジンを十分に温めます。そして、あらかじめ決められた速度や加減速のパターンに沿って車を走らせ、その時の燃料消費量を計測します。このパターンは、街中や郊外、高速道路など、様々な道路状況を想定して作られています。ですから、ストップ&ゴーの多い街中での走り方や、一定速度で走る高速道路での走り方など、色々な運転状況での燃費を測ることができるのです。

このように、エンジンを温めた状態で、様々な運転パターンを想定した測定を行うことで、より現実に近い燃費を計測できます。このホットサイクルという測定方法は、私たちが実際に車を使う時の燃費をより正確に知ることができるように考えられた、信頼性の高い測定方法と言えるでしょう。

ただし、実際に私たちが運転する時の燃費は、運転の仕方や道路状況、天候など、様々な要因によって変化します。ですから、ホットサイクルで測定された燃費はあくまでも目安であり、実際に走る時の燃費と完全に一致するとは限りません。燃費をよくするためには、急発進や急ブレーキを避けるなど、日頃から燃費効率の良い運転を心がけることが大切です。

燃費測定方法 ホットサイクル
測定の特徴 エンジンを温めた状態で、決められた速度や加減速パターンに沿って測定
測定パターン 街中、郊外、高速道路など、様々な道路状況を想定
メリット
  • 実際に車を走らせる状況に近い燃費を測定できる
  • 様々な運転状況での燃費を測ることができる
  • 信頼性の高い測定方法
注意点
  • 測定された燃費はあくまでも目安
  • 実際の燃費は、運転の仕方や道路状況、天候などによって変化する
燃費向上のための運転方法 急発進や急ブレーキを避けるなど、燃費効率の良い運転を心がける

走行モード選定の基準

走行モード選定の基準

自動車の燃費は、運転の仕方や道路の混み具合で大きく変わります。そのため、カタログに載せる燃費を測る時には、なるべく多くの人の実際の運転に近くなるよう、平均的な運転の型を定めています。これを走行モードと言います。この走行モードは、様々な運転の状況を考え、多くの運転者に役立つ目安となるように作られています。

走行モードを決める上で大切なのは、公平さと実用性の両立です。まず公平さとは、どの車種でも同じ条件で燃費を測ることです。同じ走行モードを使うことで、異なる車種同士の燃費を正しく比べることができます。

次に実用性とは、実際の運転状況を反映した燃費を測ることです。急発進や急ブレーキが多い走り方だけでなく、穏やかな走り方など、様々な運転の状況を考慮に入れて走行モードは作られています。これにより、カタログに載っている燃費が、実際の運転での燃費と大きくかけ離れることを防ぎます。

走行モードは、市街地走行や郊外走行、高速道路走行など、いくつかの種類があります。市街地走行では、信号待ちや渋滞など、停止と発進を繰り返す運転を想定しています。郊外走行では、比較的流れの良い道路での運転を想定し、高速道路走行では、高い速度で走る運転を想定しています。

このように、それぞれの走行モードは、異なる運転状況を想定して作られています。これにより、消費者が自分の運転状況に合った燃費情報を得られるようになっています。走行モードを正しく理解することは、自動車の燃費性能を正しく評価するために大切なことです。それぞれの走行モードの特徴を理解し、自分の運転状況に合った車選びに役立てましょう。

走行モードの目的 走行モードの構成要素 各走行モードの特徴
多くの人の実際の運転に近い、平均的な運転の型を定めて燃費を測定し、カタログに掲載する。 公平さ:どの車種でも同じ条件で燃費を測ること 市街地走行:信号待ちや渋滞など、停止と発進を繰り返す運転を想定
郊外走行:比較的流れの良い道路での運転を想定
高速道路走行:高い速度で走る運転を想定
実用性:実際の運転状況(急発進や急ブレーキが多い、穏やかな走り方など)を反映した燃費を測ること
走行モードを理解することで、自分の運転状況に合った燃費情報を得て、車選びに役立てることができる。

今後の課題と展望

今後の課題と展望

車は、私たちの生活に欠かせない移動手段として、常に進化を続けています。そして、車の性能を測る上で重要な指標の一つが燃費です。燃費は、家計への負担だけでなく、環境問題にも大きく関わっています。

近年の道路は、交通量の増加や道路状況の変化など、様々な要因によって複雑化しています。このような状況下で、一定の条件下で測定された燃費だけでは、実際の走行状況を正確に反映できないケースも少なくありません。例えば、都市部でのストップアンドゴーの多い走行や、山間部での急な坂道など、多様な道路状況に対応した燃費の情報提供が求められています。

また、自動運転技術の進化も、燃費に大きな影響を与えます。自動運転車は、人間よりもスムーズな加減速や車間距離の制御を行うことで、燃費を向上させる可能性を秘めています。しかし、複雑な交通状況や天候の変化など、様々な要因によって燃費が変動するため、自動運転技術に最適化された燃費測定方法の開発が必要です。

現在、多くの車が搭載している走行モードも、今後の更なる技術革新を見据えると、更なる改良が必要となるでしょう。例えば、道路状況や交通量、天候などの情報をリアルタイムで取得し、状況に合わせて最適な走行モードを自動的に選択するシステムや、ドライバーの運転特性を学習し、個々の運転に合わせた燃費向上のためのアドバイスを提供するシステムなどが考えられます。

このような技術開発を通して、ドライバーは、より正確な燃費情報を基に、経済的で環境に優しい運転を心がけることができるようになります。また、自動車メーカーは、より環境性能の高い車の開発を促進し、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されます。

課題 解決策 効果
一定の条件下での燃費測定では、実際の走行状況を反映できない。 多様な道路状況に対応した燃費情報の提供 実走行に近い燃費情報の提供
自動運転技術の進化は燃費に大きな影響を与える。 自動運転技術に最適化された燃費測定方法の開発 自動運転車における燃費の最適化
走行モードは更なる改良が必要。 状況に合わせて最適な走行モードを自動選択するシステム、ドライバーの運転特性を学習し燃費向上のためのアドバイスを提供するシステム ドライバーにとって経済的で環境に優しい運転、環境性能の高い車の開発促進

まとめ

まとめ

自動車を選ぶ際に、燃費の良さは大切な要素です。カタログに掲載されている燃費は、定められた走行パターン(モード)に基づいて測定された「モード燃費」と呼ばれ、様々な車種を比較する目安となります。このモード燃費は、時代と共に変化する交通状況や技術の進歩に合わせて、より実態に即した値となるよう改良されてきました。かつては、市街地走行を想定した「10モード」や、郊外路走行を想定した「15モード」といった測定方法が用いられていましたが、より実態に近い燃費を計測するために、現在は「WLTCモード」と呼ばれる世界統一の試験方法が採用されています。

WLTCモードは、市街地、郊外、高速道路といった様々な道路状況を想定した走行パターンで計測を行います。これにより、従来のモード燃費よりも実走行に近い燃費の値を把握できるようになりました。しかし、モード燃費はあくまでも試験場での測定値であるため、実際の道路状況、運転方法、エアコンの使用状況、乗員数、荷物の量などによって燃費は大きく変わります。例えば、急発進や急ブレーキを繰り返すと燃費は悪化しますし、エアコンを常に作動させていると、より多くの燃料を消費します。また、乗車人数や荷物の量が増えれば、車体にかかる負担が大きくなり、燃費にも影響が出ます。

モード燃費はあくまでも参考値として捉え、カタログ値だけにとらわれず、他の情報と合わせて総合的に判断することが重要です。例えば、試乗を通じて実際の運転感覚を確かめたり、自動車評論家の評価を参考にしたりすることで、より自分に合った燃費の良い車を見つけることができるでしょう。さらに、近年では、ハイブリッド車や電気自動車といった、より燃費性能に優れた自動車も登場しています。これらの自動車は、ガソリン車に比べて燃費が格段に良く、環境にも優しいという利点があります。購入を検討する際には、こうした様々な選択肢も視野に入れ、自身の運転スタイルや使用環境に合った車を選びましょう。

燃費の指標 説明 特徴
モード燃費 定められた走行パターン(モード)に基づいて測定された燃費。車種比較の目安。 試験場での測定値のため、実際の燃費とは異なる場合がある。

WLTCモードは、実走行に近い燃費を把握できる。

あくまでも参考値として、他の情報と合わせて総合的に判断することが重要。
10モード/15モード かつて用いられていたモード燃費の測定方法。10モードは市街地走行、15モードは郊外路走行を想定。 現在はWLTCモードに移行。
WLTCモード 世界統一の試験方法。市街地、郊外、高速道路といった様々な道路状況を想定した走行パターンで計測。 従来のモード燃費よりも実走行に近い燃費の値を把握できる。