3軸荷重計:大型車の重量測定
車のことを知りたい
先生、『3軸荷重計』って、普通の体重計みたいに、車全体を一度に測るんじゃないんですか?
車の研究家
そうだね、車全体を一度に測る大きな荷重計もあるけれど、3軸荷重計は、主に前2軸または後2軸といったように、いくつかの車軸の重さを測る荷重計のことを指すんだ。全体を一度に測れる大きな荷重計でも、前2軸(または後2軸)の軸重を測定し、残りの軸重を計算で出すことも認められているんだよ。
車のことを知りたい
軸ごとに重さを測るって、何か意味があるんですか?
車の研究家
もちろん意味があるよ。軸ごとの重さを知ることで、荷物の積み方や車の状態が適切かどうかを確認できるんだ。例えば、特定の軸に荷重が偏ると、タイヤや車軸への負担が大きくなり、故障や事故につながる可能性があるからね。だから、軸重を測って、安全な範囲内にあるかを確認することはとても重要なんだ。
3軸荷重計とは。
トラックなど、車軸が3つ以上ある車の重さを測る道具「3軸荷重計」について説明します。前2つの車軸、あるいは後ろ2つの車軸を持つ車の重さを測る時は、少なくともその2つの車軸を同時に載せられる大きさの道具を使わなければなりません。同時に測られた重さから、それぞれの車軸にかかる重さを計算します。例えば、前の前の車軸、前と後ろの車軸、あるいは後ろの前と後ろの車軸というように、重さがどのように分散しているかを記録します。もし、すべての車軸を同時に載せられる大きさの道具を使う場合は、空車の状態での全体の重さと、前の2つの車軸(あるいは後ろの2つの車軸)にかかる重さを測り、残りの後ろの2つの車軸(あるいは前の2つの車軸)にかかる重さは計算で求めてもよいことになっています。
荷重計の種類
重さを量る道具である荷重計には、様々な種類があります。大きく分けて、持ち運びができる携帯型、決まった場所に置く据置型、地面などに埋め込む埋め込み型の三つの種類があります。
まず、携帯型荷重計は、手軽に持ち運べることが大きな特徴です。現場ですぐに重さを量りたい時などに便利です。小さいながらも正確に重さを量ることができ、色々な場所で使うことができます。工事現場などで、材料の重さを確認する際などに役立ちます。
次に、据置型荷重計は、特定の場所に設置して使うものです。丈夫で壊れにくく、長い間変わらずに正確な値を示します。工場や倉庫など、何度も重さを量る必要がある場所にピッタリです。例えば、製品の出荷前に重さを確認する作業などで使われています。
最後に、埋め込み型荷重計は、道路などに埋め込んで使います。車が上を通ると自動的に重さを量ることができ、とても効率的です。高速道路の料金所などで、車の重さに応じて料金を決める際に利用されています。その他にも、橋の通行料を決める場合や、過積載の車両を見つけるためにも使われています。
三つの軸で重さを量る三軸荷重計は、主に据置型または埋め込み型で使われます。
このように荷重計にはそれぞれ違った特徴があるので、何のために使うのかを考えて、適切な種類を選ぶことが大切です。
種類 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
携帯型 | 手軽に持ち運べる、様々な場所で使える | 工事現場での材料の重量確認など |
据置型 | 特定の場所に設置、丈夫で壊れにくい、正確な値を示す | 工場や倉庫での製品の重量確認など |
埋め込み型 | 道路などに埋め込み、車が上を通ると自動的に重量測定 | 高速道路の料金所、橋の通行料、過積載車両の検出など |
3軸荷重計の役割
荷物を運ぶ大きな車、特に荷台をけん引する車において、車軸にかかる重さを正しく知ることはとても大切です。道路を安全に走るため、そして車を長く良い状態で使うために、3軸荷重計は重要な役割を担っています。
3軸荷重計を使う一番の目的は、車軸一つ一つにかかる重さ、そして車全体の重さを正確に測ることです。荷物を積みすぎると、車が壊れたり、事故につながったりする危険性が高まります。また、道路にも負担がかかり、ひび割れや陥没の原因になることもあります。3軸荷重計で重さをきちんと測ることで、積みすぎを防ぎ、安全な運転につなげることができます。
荷物を運ぶ大きな車は、複数の車軸を持っています。3軸荷重計は、それぞれの車軸がどれだけの重さを支えているのかを個別に測ることができます。例えば、前側の車軸に負担がかかりすぎていると、ハンドル操作が難しくなることがあります。反対に、後ろ側の車軸に負担がかかりすぎていると、ブレーキの効きが悪くなることがあります。3軸荷重計を使うことで、このような問題を早期に発見し、適切な対処をすることができます。
さらに、3軸荷重計で得られた重さのデータは、車の点検計画を立てるのにも役立ちます。車軸に大きな負担がかかっている場合は、タイヤやブレーキなどの部品が早く傷む可能性があります。重さのデータをもとに点検計画を立てることで、部品の交換時期を予測し、故障を未然に防ぐことができます。また、荷物の積み方や運び方を工夫することで、車の燃費を良くしたり、運送にかかる時間を短縮したりすることにも役立ちます。3軸荷重計は、安全な運行だけでなく、効率的な輸送を実現するためにも欠かせない装置と言えるでしょう。
3軸荷重計の重要性 | 詳細 |
---|---|
安全な道路走行と車両の維持 | 車軸にかかる重さを正しく知ることは、道路の安全と車両の長持ちに不可欠 |
正確な重量測定 | 各車軸と車両全体の重さを正確に測定し、過積載による車両損傷や事故、道路損傷を防止 |
個別の車軸荷重測定 | 各車軸の荷重を個別に測定し、ハンドルの操作性やブレーキの効きへの影響を把握、早期問題発見と適切な対処が可能 |
車両点検計画の策定 | 荷重データに基づいて点検計画を立て、部品交換時期を予測し故障を防止 |
輸送の効率化 | 荷物の積み方や運び方の工夫により、燃費向上や輸送時間の短縮を実現 |
測定方法と基準
荷重を測る道具には、三方向からの力を測れる三軸荷重計があります。この荷重計を使った車の重さを測るやり方には、大きく分けて二通りあります。
一つ目は、前の二つの車軸、もしくは後ろの二つの車軸を同時に測る方法です。この場合、二つの車軸に同時にかかる重さを一度に測れる大きさの荷重計を使うことが大切です。測った重さから、それぞれの車軸にかかる重さを計算し、記録用紙に書き留めます。
二つ目は、全ての車軸の重さを同時に測る方法です。この方法なら、全ての車軸を一度に測れる荷重計が必要です。この方法では、何も積んでいない状態での車の重さと、前の二つの車軸(もしくは後ろの二つの車軸)の重さを測り、残りの車軸の重さを計算で求めることもできます。
どちらの方法を使う場合でも、正確に重さを測るためには、荷重計を正しく置き、調整することが重要です。荷重計の置き方が悪いと、正確な値が測れません。また、定期的に調整することで、常に正しい値を示すようにしておく必要があります。
重さを測る時の基準は、法律や決まりによって定められています。これらの基準は必ず守らなければなりません。基準を守らないと、罰せられる可能性もあります。安全な運行のためにも、基準をしっかりと理解し、重さを正しく測るようにしましょう。
車軸の測り方 | 荷重計 | 手順 | 注意点 |
---|---|---|---|
前の二つの車軸、もしくは後ろの二つの車軸を同時に測る | 二つの車軸に同時にかかる重さを一度に測れる大きさのもの | 1. 二つの車軸に荷重計を置く 2. 測った重さから、それぞれの車軸にかかる重さを計算 3. 記録用紙に書き留める |
荷重計を正しく置き、調整することが重要 法律や決まりで定められた基準を守る |
全ての車軸の重さを同時に測る | 全ての車軸を一度に測れる大きさのもの | 1. 全ての車軸に荷重計を置く 2. (積載なしの場合)前の二つの車軸(もしくは後ろの二つの車軸)の重さを測り、残りの車軸の重さを計算で求める |
重量分布の重要性
車は、走る、曲がる、止まるという基本動作を安全かつ確実に行うために、重量バランスが非常に大切です。
特に、大きな車や荷物を運ぶ車の場合、重量の偏りは、様々な問題を引き起こす可能性があります。
例えば、荷物が後ろに偏っている場合を考えてみましょう。
後ろ側のタイヤへの負担が大きくなり、タイヤの摩耗を早めるだけでなく、ブレーキの効きが悪くなることもあります。
また、前輪が浮き上がり気味になり、ハンドル操作が難しくなることもあります。
特に雨の日や凍結した路面では、スリップや横滑りの危険が高まります。
反対に、荷物が前に偏っている場合は、前輪の負担が過大になり、ブレーキ時に前輪がロックしやすくなります。
これにより、ハンドル操作が効かなくなり、大変危険な状態に陥る可能性があります。
カーブを曲がるときにも、重量バランスは重要です。
重量バランスが悪いと、車体が傾きやすくなり、転倒の危険があります。
このような問題を防ぐために、荷物は車全体に均等に積むことが大切です。
また、重い荷物はなるべく低い位置に積むことで、車の重心が低くなり、安定性が向上します。
重量バランスを正しく保つことは、安全運転だけでなく、車の寿命を延ばすことにも繋がります。
三軸荷重計などを用いて、こまめに重量バランスをチェックし、安全で快適な運転を心がけましょう。
荷物の偏り | 影響 | 危険性 |
---|---|---|
後ろに偏っている |
|
|
前に偏っている |
|
ハンドル操作の効力喪失 |
左右に偏っている | 車体が傾きやすくなる | 転倒の危険性 |
対策:
- 荷物は車全体に均等に積む
- 重い荷物はなるべく低い位置に積む
- 三軸荷重計などを用いて重量バランスをチェック
重量バランスを正しく保つメリット:
- 安全運転
- 車の寿命延長
今後の展望
荷重計は、技術の進歩と共に、より精密に、より使いやすく進化を続けています。近年では、ほんの僅かな重さの変化も捉えられる高精度な荷重計が登場しています。これにより、これまで以上に正確な計量が可能となり、製品の品質管理や取引の信頼性向上に大きく貢献しています。また、従来の荷重計は操作が複雑で、熟練した作業者でなければ正確な測定が難しい場合もありましたが、最近の荷重計は操作が簡素化され、誰でも容易に扱えるようになっています。
情報技術との連携も大きな進展を見せています。測定データは自動的に記録され、コンピュータで分析できるだけでなく、離れた場所から測定値を確認できる遠隔監視機能を持つ荷重計も登場しています。これらの機能は、作業の効率化だけでなく、人為的なミスを減らし、データの信頼性を高める上でも大変有効です。蓄積されたデータは、今後の製品開発や業務改善に役立つ貴重な情報源となるでしょう。
物流業界では、荷物の積み過ぎによる車両の故障や道路の損傷、さらには事故の発生といったリスクが常に存在します。高精度な荷重計は、これらのリスクを未然に防ぐための重要な役割を担っています。また、積載量の最適化は、輸送効率の向上にもつながり、物流コストの削減にも貢献します。
将来に向けては、車両の走行中に重量を測定できる動的荷重計の普及が期待されます。従来のように車両を止めて測定する必要がなく、測定にかかる時間と手間を大幅に削減できます。これにより、交通渋滞の緩和にもつながり、物流のさらなる効率化が実現すると考えられます。このように、荷重計は、技術革新を通して、これからも物流業界をはじめ様々な分野で重要な役割を果たしていくことでしょう。
荷重計の進化 | 特徴 | メリット |
---|---|---|
高精度化 | 僅かな重さの変化も捉えられる | 正確な計量、品質管理、取引の信頼性向上 |
操作の簡素化 | 誰でも容易に扱える | 作業効率化、人為的ミスの削減、データ信頼性向上 |
情報技術との連携 | データ自動記録、遠隔監視機能 | 作業効率化、人為的ミスの削減、データ信頼性向上、製品開発、業務改善 |
動的荷重計 | 走行中の重量測定 | 時間と手間の大幅削減、交通渋滞の緩和、物流効率化 |