クルマの重さ:空車質量とは?

クルマの重さ:空車質量とは?

車のことを知りたい

先生、「空車質量」って、どういう意味ですか? 車の重さのことですか?

車の研究家

そうだね、簡単に言うと車の重さのことだよ。ただし、ガソリンや荷物、人などを何も積んでいない状態の重さのことなんだ。 「空車重量」をSI単位系で表す際に、「空車質量」または「空車荷重」と呼ぶようになったんだよ。

車のことを知りたい

何も積んでいない状態の重さ…ということは、ガソリンも入っていない状態ってことですか?

車の研究家

いや、ガソリンや冷却水、オイルなどの必要なものは含まれている状態だよ。人が乗ったり、荷物を積んだりする前の、本当に最低限の状態の車の重さのことなんだ。ちなみに、「車両総重量」は、乗員や荷物をすべて積んだ状態の重さで、これと「空車質量」を合わせて覚えておくと、車の重さを理解しやすいと思うよ。

空車質量とは。

車について話すとき、『空車質量』という言葉があります。これは、一般的に『空車重量』と呼ばれているものを、国際的に決められた単位で言い換えたものです。『空車荷重』という言い方もあります。1999年に計量法が変わり、国際単位系を使うことになったとき、それまで『重量』と呼んでいたものが、『質量』とそれに働く重力(『荷重』)というふたつの考え方に分けられました。荷重は、質量と重力加速度を掛け合わせたもので、質量の単位にはキログラムなどが、荷重の単位にはニュートンなどが使われます。国際単位系に移行した後も、車両重量、車両総重量、軸重といったものは、これまで通りキログラムやトンで表されています。これは、これらの言葉がもともと質量を表すものとして使われていたためです。ちなみに、『シャシー空車質量』とは、シャシーキャブと呼ばれる車の空車重量のことです。

重さの呼び名

重さの呼び名

車がどれくらい重たいのかを表す呼び方には、いろいろな種類があり、それぞれ異なる意味を持っています。安全に車を走らせたり、法的な決まりを守ったりするためには、これらの違いをよく理解しておくことが大切です。

よく聞く言葉に「車両重量」と「車両総重量」がありますが、他にも様々な呼び方があります。まず、「空車質量」とは、組み立てが終わった車の、何も載せていない状態での重さのことです。燃料や冷却水、オイルなども入っていない状態での重さです。いわば、生まれたばかりの車の重さと言えるでしょう。

次に「空車状態質量」は、空車質量に、燃料や冷却水、ブレーキ液、オイルなどの必要な液体をすべて入れた状態の重さです。さらに、車載工具やスペアタイヤなども含まれます。普段私たちが運転する時の、最低限の装備が整った状態の重さと考えて良いでしょう。

その他にも、具体的な装備や乗員を想定した重さを表す呼び方もあります。例えば、運転者や同乗者、荷物を想定した「乗車定員」、そして実際に乗っている人の重さである「乗員重量」などです。また、「積載量」とは、車に載せることができる荷物の最大重量を指します。

これらの重さを理解しておくことは、車の性能を正しく把握するために役立ちます。例えば、重い車は加速に時間がかかったり、ブレーキをかける距離が長くなったりする傾向があります。また、積載量を超えて荷物を載せてしまうと、車のバランスが崩れて事故につながる可能性があります。

車の重さを正しく理解することは、安全運転だけでなく、法規遵守にもつながります。車種ごとに決められた積載量を超えて荷物を載せて走行すると、罰則の対象となる場合もあります。それぞれの呼び方の意味を理解し、安全で快適な運転を心がけましょう。

名称 説明
空車質量 組み立てが終わった車の、何も載せていない状態での重さ。燃料、冷却水、オイルなども含まない。
空車状態質量 空車質量に、燃料、冷却水、ブレーキ液、オイルなどの必要な液体、車載工具、スペアタイヤを含めた重さ。
乗車定員 想定される運転者、同乗者、荷物の重さ。
乗員重量 実際に乗っている人の重さ。
積載量 車に載せることができる荷物の最大重量。

空車質量とは

空車質量とは

空車質量とは、何も載せていない状態の車の重さではなく、燃料やエンジンオイル、冷却水、ブレーキ液、ウォッシャー液といった、車が走るために必要な液体を全て満たした状態での重さのことです。ただし、運転者や同乗者、荷物、スペアタイヤ、車載工具などは含まれません。これらの重量は除いた、いわば車が本来持っている重量と考えて良いでしょう。

この空車質量は、車の燃費や走行性能、そして安全性能に大きく関わってきます

まず燃費に関して言えば、空車質量が軽い車は、少ない力で動かすことができるため、燃料消費量が少なく、結果として燃費が良くなります。反対に、空車質量が重い車は、動かすのに大きな力が必要となるため、燃費が悪くなる傾向があります。

次に走行性能ですが、軽い車は加速性能に優れ、キビキビとした走りを実現できます。車体が軽いため、エンジンの力が効率的に路面に伝わり、スムーズな加速が可能です。一方、重い車は加速性能は劣りますが、高速走行時の安定性に優れています。車体が重いため、路面の凹凸や横風などの影響を受けにくく、どっしりとした安定した走りを実現できます。

安全性能については、重い車の方が有利な面があります。衝突時の衝撃を吸収する能力が高いため、乗員へのダメージを軽減できる可能性があります。ただし、安全性能は空車質量だけでなく、車体の構造や安全装備など、様々な要素が複雑に絡み合っているため、単純に重い方が安全とは言い切れません

このように、空車質量は車の様々な性能に影響を与える重要な要素です。車を選ぶ際には、自身の運転の仕方や用途、重視する性能などを考慮し、適切な空車質量の車を選ぶことが大切です。例えば、街乗り中心で燃費を重視するのであれば軽い車、高速道路をよく利用し、安定した走りを求めるのであれば重い車が適していると言えるでしょう。それぞれの車の特性を理解し、自分に合った車選びを心掛けてください。

項目 空車質量の影響
定義 燃料、オイル、冷却水など車が走るために必要な液体を満たした状態の重さ。運転者、同乗者、荷物などは含まない。
燃費 軽い車は燃費が良い。重い車は燃費が悪い。
走行性能 軽い車は加速性能に優れる。重い車は高速走行時の安定性に優れる。
安全性能 重い車は衝撃吸収能力が高いが、安全性能は空車質量以外にも様々な要素が絡み合うため、単純に重い方が安全とは言い切れない。
車選びのポイント 運転の仕方、用途、重視する性能などを考慮し、適切な空車質量の車を選ぶ。

単位の変更

単位の変更

自動車の重さに関する表現は、時代とともに変化してきました。かつては「空車重量」という言葉が一般的に使われていましたが、1999年の計量法改正に伴い、「空車質量」という用語が正式名称となりました。これは、国際単位系(SI単位系)への移行によるもので、質量と荷重を明確に区別するためです。

「重量」とは、物体に働く重力の大きさを指します。地球上では重力が常に働いているため、重量は場所によって変化します。例えば、同じ車を月面に持っていけば、重力が小さくなるため、重量も軽くなります。一方、「質量」とは、物体に含まれる物質の量を表すもので、場所によって変化しません。月面に持っていっても、車の質量は変わりません。

SI単位系では、質量の単位はキログラム(記号kg)、荷重の単位はニュートン(記号N)です。重量は重力加速度を乗じることでニュートンで表すことができます。地球上では、重力加速度は約9.8メートル毎秒毎秒なので、1キログラムの物体には約9.8ニュートンの重力が働いていることになります。

自動車の重さについては、SI単位系への移行後も、慣習的にキログラムやトンが使われています。これは、日常生活で質量と荷重を厳密に区別する必要がないこと、また、キログラムやトンの方が直感的に理解しやすいことが理由と考えられます。しかし、カタログなどで「車両重量」と表記されている場合は、正しくは「車両質量」であることを理解しておく必要があります。これは、自動車の持ち運びやすさや燃費の良さなどを比較する上で、物体の固有の量である質量が重要な指標となるからです。

用語 意味 単位 備考
空車重量 かつて使われていた、自動車の自重を表す用語 キログラム(kg)、トン 1999年の計量法改正により「空車質量」へ変更
空車質量 現在の正式名称。自動車の自重を表す。 キログラム(kg) 国際単位系(SI単位系)に基づく表現
重量 物体に働く重力の大きさ ニュートン(N) 場所によって変化する
質量 物体に含まれる物質の量 キログラム(kg) 場所によって変化しない
車両重量 慣習的に使われている表現 キログラム(kg)、トン 正しくは「車両質量」
車両質量 自動車の質量 キログラム(kg) 燃費や持ち運びやすさなどを比較する際の指標

空車質量と他の重さの違い

空車質量と他の重さの違い

「空車質量」とは、簡単に言うと、何も積んでいない状態での車の重さのことです。燃料や冷却水、潤滑油などの液体は含まれていますが、人や荷物、アクセサリーなどは含まれていません。 この空車質量は、車の基本的な性能を示す重要な数値です。

よく似た言葉に「車両総重量」があります。これは、人や荷物などを全て積み込んだ状態での車の最大の重さのことです。 空車質量に、運転者や同乗者、そして荷物の重さを全て足し合わせた値と考えても良いでしょう。 車を買う時によく目にするカタログには、車両総重量が必ず記載されています。

この車両総重量を超えて荷物を積むと、法律違反になるだけでなく、車が本来持つ性能を発揮できなくなったり、事故につながる危険性も高まります。 ブレーキが効きにくくなったり、ハンドル操作が不安定になったりすることもあります。 また、タイヤやサスペンションなどの部品にも負担がかかり、故障の原因となることもあります。

さらに、「軸重」というものも重要です。 軸重とは、それぞれの車軸にかかる重さのことです。 前輪にかかる重さ、後輪にかかる重さ、それぞれに制限があります。 車両総重量と同様に、軸重も超えてはいけない値です。 特にトラックなどの大型車では、軸重の制限が厳しく定められています。 荷物を積む際には、車両総重量だけでなく、軸重にも注意を払う必要があります。 軸重を適切に管理することで、道路の損傷を防ぎ、安全な走行を確保することができます。

車に荷物を積む時は、車両総重量と軸重の両方を意識し、安全運転を心がけましょう。安全を守るためにも、これらの数値の意味を正しく理解しておくことが大切です。

項目 説明 注意点
空車質量 何も積んでいない状態での車の重さ。燃料、冷却水、潤滑油を含む。人、荷物、アクセサリーは含まない。 車の基本性能を示す重要な数値。
車両総重量 人や荷物などを全て積み込んだ状態での車の最大の重さ。空車質量+人+荷物。
  • この数値を超えて荷物を積むと法律違反になる。
  • 車の性能が低下し、事故の危険性が増す。
  • 部品に負担がかかり、故障の原因となる。
軸重 それぞれの車軸にかかる重さ。前輪と後輪それぞれに制限がある。
  • 軸重を超えてはいけない。
  • 特に大型車で制限が厳しい。
  • 軸重を適切に管理することで、道路の損傷を防ぎ、安全な走行を確保できる。

シャシー空車質量

シャシー空車質量

トラックやバスなどの荷物を運んだり人を運んだりする車は、完成した姿だけでなく、その土台となる骨組みの状態での重さの情報も大切です。この骨組みの部分を「車台」と言い、車台だけの重さを「車台空車質量」と呼びます。荷台や座席などの乗せる物を何も載せていない、いわば裸の状態での車台の重さのことです。車台空車質量は、完成車ではなく車台だけの状態での重さを示すため、主に荷台や客室を作るメーカーにとって重要な情報となります。

車台空車質量が分かれば、荷台や客室など、車台の上に載せる物の重さを計算に入れて、車両全体が決められた重さより重くならないように設計できます。例えば、大きな荷物を運ぶトラックを作る場合、荷台の重さを軽くするためにアルミなどの軽い材料を使う必要があるかもしれません。もし車台自体が重ければ、荷台をあまり重くできません。反対に、車台が軽ければ、より重い荷台を作ることができます。

車台空車質量は、車のバランスにも関係します。車全体で重さがどのように verteilt されているかは、車の走り方に大きな影響を与えます。前後の重さのバランスが悪いと、カーブで曲がりにくくなったり、ブレーキが効きにくくなったりする可能性があります。車台空車質量が分かれば、荷台や客室の設計段階で重さのバランスを調整し、安全で快適な乗り心地を実現できます。

さらに、燃費にも影響します。車体が重いほど、動かすのに多くの力が必要になり、燃料を多く消費します。車台空車質量を把握することで、荷台や客室を設計する際に、車両全体の重さを軽くする工夫をすることができます。例えば、荷台の素材を軽くしたり、客室の座席数を減らしたりすることで、燃費を向上させることができます。このように、車台空車質量は、様々な面で車の設計に役立つ重要な情報なのです。

項目 説明
車台空車質量とは 完成車ではなく、車台だけの状態での重さ。荷台や座席など何も載せていない状態。
重要性 荷台や客室を作るメーカーにとって重要。車両全体が決められた重さより重くならないように設計できる。
荷物の積載量への影響 車台空車質量が分かれば、荷台や客室など、車台の上に載せる物の重さを計算に入れて、車両全体が決められた重さより重くならないように設計できる。車台が軽ければ、より重い荷台を作ることができる。
車のバランスへの影響 車全体で重さがどのように配分されているかは、車の走り方に大きな影響を与える。車台空車質量が分かれば、荷台や客室の設計段階で重さのバランスを調整し、安全で快適な乗り心地を実現できる。
燃費への影響 車体が重いほど、動かすのに多くの力が必要になり、燃料を多く消費する。車台空車質量を把握することで、荷台や客室を設計する際に、車両全体の重さを軽くする工夫をすることができ、燃費を向上させることができる。

まとめ

まとめ

自動車の重さには、いくつかの種類があり、それぞれ大切な意味を持っています。まず、空車質量です。これは、燃料やオイル、冷却水などを含み、乗車する人も荷物もない状態での自動車の重さです。この重さは、自動車の燃費や、動き出しの良さ、ブレーキの効き具合などに大きく影響します。軽い車は燃費が良く、動きも軽快ですが、一方で風に流されやすいという側面もあります。逆に、重い車は安定した走りを実現できますが、燃費が悪くなる傾向があります。次に、車両総重量です。これは、乗員や荷物、燃料などをすべて含んだ、自動車が安全に走れる最大の重さです。この重さを超えて荷物を積むと、ブレーキが効きにくくなったり、タイヤが破損したりするなど、重大な事故につながる危険性があります。車両総重量を守ることは、安全な運転のためにとても重要です。さらに、車両重量軸重についても理解しておく必要があります。車両重量は、空車質量にスペアタイヤや標準装備の工具などを加えた重さです。軸重は、それぞれの車軸にかかる重さのことです。前輪と後輪にかかる重さのバランスが崩れると、運転の安定性に影響が出ることがあります。これらの重さは、自動車の運転のしやすさや安全性に直結する重要な要素です。自動車を選ぶ際や、荷物を積む際には、これらの重さをしっかりと確認し、安全で快適な自動車生活を送りましょう。特に、長距離ドライブやキャンプなど、多くの荷物を積む場合は、車両総重量を超えないように注意深く荷物の量を調整する必要があります。また、普段から燃料を満タンにしない、不要な荷物を車内に置かないなど、自動車の重さを意識することで、燃費の向上にもつながります。

項目 説明 影響
空車質量 燃料、オイル、冷却水などを含み、乗員と荷物を除いた状態での自動車の重さ。 燃費、動き出し、ブレーキの効き具合に影響。軽い車は燃費が良いが風に流されやすく、重い車は安定するが燃費が悪い。
車両総重量 乗員、荷物、燃料などを全て含んだ、自動車が安全に走れる最大の重さ。 この重さを超えるとブレーキの効きが悪くなったり、タイヤが破損するなど危険。
車両重量 空車質量にスペアタイヤや標準装備の工具などを加えた重さ。
軸重 それぞれの車軸にかかる重さ。 前輪と後輪のバランスが崩れると運転の安定性に影響。