クルマづくりを支える内製部品

クルマづくりを支える内製部品

車のことを知りたい

先生、「内製部品」ってどういう意味ですか? 車のパーツのことですか?

車の研究家

はい、車のパーツのことです。簡単に言うと、会社が自分で作った部品のことですね。 車を作るにはたくさんの部品が必要ですが、全てを自分で作る会社と、一部は他の会社から買う会社があります。自分で作った部品が「内製部品」です。

車のことを知りたい

なるほど。じゃあ、他の会社から買った部品はなんて言うんですか?

車の研究家

それは「外製部品」と言います。 車の部品は「内製部品」と「外製部品」の2種類に分けられるんですよ。

内製部品とは。

自動車を作るために必要な部品には、他の会社から買う部品と、自社で作る部品の二種類があります。自社で作られる部品のことを「内製部品」と言います。たとえば、自動車の鉄板を加工する工程や、プラスチック部品を加工する工程などを自社で行い、そこで作られた部品が内製部品です。

部品の種類

部品の種類

車を組み立てるには、数えきれないほどの部品が必要です。小さなネジから大きな車体まで、様々な部品が組み合わさって一台の車が完成します。これらの部品は、大きく分けて二つの種類に分けられます。

一つ目は、他の会社から購入する部品です。これは、外注部品とも呼ばれます。タイヤや窓ガラス、カーナビゲーションシステムなど、高度な専門技術が必要な部品は、それぞれの分野に特化した会社が製造しています。自動車メーカーはこれらの部品を仕入れて、自社の車に取り付けます。例えば、タイヤはタイヤメーカー、カーナビゲーションシステムは電機メーカーから購入します。このように、専門メーカーから部品を調達することで、自動車メーカーは開発コストを抑え、より高品質な部品を車に搭載することができます。

二つ目は、自社工場で作る部品です。これは、内製部品とも呼ばれます。車体やエンジン、座席など、車の主要な部品は、自動車メーカーが自社の工場で設計・製造しています。これらの部品は、車の性能や安全性に直結するため、自動車メーカーは独自の技術やノウハウを駆使して開発・生産を行います。内製部品は、自動車メーカーの個性や特徴を表す重要な要素と言えるでしょう。例えば、あるメーカーは燃費の良いエンジンを作ることに力を入れていますし、別のメーカーは衝突安全性に優れた車体を作ることに注力しています。このように、内製部品は自動車メーカーの技術力を示す重要な指標となります。

外注部品と内製部品の割合は、自動車メーカーや車種によって異なります。一般的には、高度な技術や設備が必要な部品は外注し、車の性能や特徴に直結する重要な部品は内製する傾向があります。自動車メーカーは、それぞれの部品の特性やコスト、自社の技術力などを考慮して、外注と内製のバランスを調整しています。このようにして、様々な部品が組み合わさり、一台の車が完成するのです。

部品の種類 説明 製造元
外注部品 他の会社から購入する部品。高度な専門技術が必要な部品が多い。 タイヤ、窓ガラス、カーナビゲーションシステム タイヤメーカー、電機メーカーなど
内製部品 自社工場で作る部品。車の性能や安全性に直結する主要な部品が多い。 車体、エンジン、座席 自動車メーカー自身

内製部品の製造工程

内製部品の製造工程

自動車を構成する部品の中には、自動車メーカーが自ら設計・製造する内製部品と、外部の部品メーカーから供給を受ける外製部品があります。ここでは、内製部品の製造工程について、具体例を挙げながら詳しく説明します。

まず、車体外板のような金属部品は、巨大なプレス機械で薄い鋼板を型に押し付けて成形します。この工程はプレス成形と呼ばれ、数千トンという強力な力で鋼板を一瞬のうちに複雑な形状へと変形させます。プレス成形では、まず鋼板を切断し、次に複数の段階を経て徐々に目的の形状へと成形していきます。最後に、不要な部分をトリミングして仕上げます。

樹脂製の部品、例えばバンパーや内装部品などは、射出成形という方法で作られます。これは、加熱して溶かした樹脂を金型に流し込み、冷却して固める成形方法です。金型は精密に設計・製作されており、複雑な形状の部品を高精度で大量生産することができます。材料となる樹脂の種類も多様で、求められる強度や柔軟性に応じて使い分けられます。

エンジン部品のような金属部品の中には、鋳造という方法で作られるものもあります。鋳造は、溶かした金属を型に流し込み、凝固させて目的の形状を得る製法です。エンジンブロックやシリンダーヘッドなど、複雑な形状の部品を一体成形できることが特徴です。鋳造後には、不要な部分を切削加工したり、表面を研磨したりするなど、さらに加工を加えて仕上げます。

これらの製造工程は高度な技術と設備を必要とし、自動車メーカーの技術力の象徴と言えるでしょう。各工程には熟練の技術者が携わり、高品質な部品を安定して供給できるよう、日々努力を重ねています。近年では、自動化技術や人工知能を活用した生産技術の開発も進んでおり、より効率的で高精度な生産体制が構築されています。

部品の種類 製造工程 工程の説明 特徴
車体外板などの金属部品 プレス成形 巨大なプレス機械で薄い鋼板を型に押し付けて成形。数千トンという強力な力で鋼板を一瞬のうちに複雑な形状へと変形。 鋼板を切断、複数段階を経て成形、最後にトリミング
バンパーや内装部品などの樹脂部品 射出成形 加熱して溶かした樹脂を金型に流し込み、冷却して固める。 精密な金型で複雑な形状の部品を高精度で大量生産可能。樹脂の種類も多様。
エンジンブロックやシリンダーヘッドなどの金属部品 鋳造 溶かした金属を型に流し込み、凝固させて目的の形状を得る。 複雑な形状の部品を一体成形できる。鋳造後、切削加工や研磨などの加工あり。

内製部品のメリット

内製部品のメリット

自動車づくりにおいて、部品を自社で製造する、いわゆる内製には、様々な利点があります。まず、品質の管理を徹底できる点が大きなメリットです。外部委託の場合、どうしても製造過程のすべてを把握しきれない部分が出てきます。しかし、自社工場で生産すれば、材料の調達から組み立て、検査に至るまで、すべての工程を自社の基準で管理できます。使用する材料の品質はもちろん、加工の精度、組み立ての正確さなど、細部にわたるまで厳しくチェックすることで、高い品質の部品を安定して供給できます。これは、完成車の品質向上に直結し、ひいては顧客満足度の向上、ブランドイメージの向上にもつながります。次に、場合によってはコスト削減を実現できる点もメリットです。一見、自社工場の維持管理や人件費などを考えると、外注するよりもコストがかかりそうに思えます。しかし、大量生産する場合や、特殊な技術を要する部品の場合、自社生産の方が費用を抑えられることがあります。また、中間マージンが発生しないこともコスト削減に貢献します。さらに、設計変更に柔軟に対応できる点も見逃せません。自動車業界は技術革新が激しく、市場のニーズも刻々と変化します。そのため、迅速な設計変更が求められる場面が多くあります。内製であれば、設計部門と製造部門が密接に連携し、変更内容をすぐに生産工程に反映させることが可能です。これは、開発期間の短縮や、市場の変化への迅速な対応につながり、競争優位性を築く上で大きな力となります。このように、内製には品質、コスト、柔軟性という3つの大きなメリットがあり、自動車メーカーにとって重要な戦略の一つとなっています。

メリット 詳細
品質管理の徹底 材料調達から組み立て、検査まで全工程を自社基準で管理可能。高品質な部品を安定供給し、完成車の品質向上、顧客満足度向上、ブランドイメージ向上に貢献。
コスト削減 大量生産時や特殊技術部品の場合、費用を抑えられる。中間マージンが発生しない。
設計変更への柔軟な対応 設計部門と製造部門が密接に連携し、変更内容を即時反映。開発期間短縮、市場変化への迅速な対応、競争優位性確保。

内製部品と外製部品のバランス

内製部品と外製部品のバランス

自動車を作る会社は、部品を自社で作るか、他の会社から買うか、常に考えています。どの部品を自社で作って、どの部品を他社から買うかの決め方は、会社の将来を左右する重要な問題です。

全ての部品を自社で作るのは、一見、品質管理が徹底できるように思えます。しかし、実際には、多くの工場や設備、そして働く人にお金がかかります。部品を作るための機械を新しく買うにもお金がかかり、それを動かすにも、維持するにもお金がかかります。また、たくさんの種類の部品を全て自社で管理するのは大変な仕事です。そのため、全ての部品を自社で作るのは、効率が悪く、コストも高くつきます。

反対に、全ての部品を他の会社から買うと、部品を作るためのお金や手間は省けます。しかし、部品の品質をきちんと管理するのが難しくなります。また、自動車の設計を変えたいと思っても、他の会社に頼んでいる部品はすぐに変更できません。

そこで、自動車を作る会社は、どの部品を自社で作って、どの部品を他の会社から買うかを戦略的に決める必要があります。一般的には、車の性能や安全に直接関係する重要な部品、例えばエンジンやブレーキなどは、自社で作ることが多いです。これらの部品は、車の性能を大きく左右するため、自社でしっかりと品質を管理する必要があるからです。

一方、シートや窓ガラスなど、車の性能や安全に直接関係しない部品は、他の会社から買うことが多いです。これらの部品は専門の会社に任せた方が、安く、そして高品質な部品を手に入れられるからです。

しかし、技術の進歩や市場の流行の変化に合わせて、自社で作る部品と、他の会社から買う部品の割合は、常に調整されています。例えば、最近では自動運転技術が注目されています。そのため、自動運転に関係する部品を自社で開発・生産する会社が増えています。このように、自動車を作る会社にとって、自社で作る部品と他の会社から買う部品のバランスは、会社の経営戦略において、とても重要な要素となっています。

部品の調達方法 メリット デメリット
自社生産 品質管理の徹底、設計変更の自由度 設備投資、人件費、管理コスト増加 エンジン、ブレーキ
外部調達 コスト削減、生産効率向上 品質管理の難しさ、設計変更の制約 シート、窓ガラス

これからの内製部品

これからの内製部品

自動車業界は、電気で動く車や自動で走る技術など、かつてない大変革の時代を迎えています。このような新しい技術に対応するためには、自動車メーカーが自ら作る部品、いわゆる内製部品の役割がこれまで以上に重要になってきています。

例えば、電気で動く車に欠かせない電池や電動機、自動で走るための様々な探知機などは、高度な技術が求められるため、内製することで他社に負けない力をつけることができます。内製であれば、部品の設計から製造までを自社で管理できるため、品質の向上やコスト削減にも繋がります。また、他社との差別化を図り、独自の技術を確立するためにも内製は有効な手段です。

さらに、環境問題への関心の高まりから、繰り返し使える材料を使った部品作りも求められています。内製であれば、使用する材料を厳選し、環境に配慮した部品を開発することが可能です。また、部品の製造過程で出る廃棄物を減らすなど、環境負荷を低減するための取り組みもしやすくなります。

このような状況の中、自動車メーカー各社は、内製部品の技術開発に力を入れています。新しい材料の研究や、より効率的な製造方法の開発など、様々な分野で技術革新が進められています。例えば、電池の性能向上や軽量化、電動機の小型化や高出力化、探知機の精度向上や多機能化など、日夜研究開発が行われています。

これからの車作りにおいて、内製部品は更なる進化を遂げ、自動車の性能向上、環境性能の向上、そして安全性の向上に大きく貢献していくでしょう。 内製部品は、未来の車社会を支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。

内製部品の重要性 詳細
競争力強化 電池、電動機、探知機などの高度な技術を持つ部品を内製することで、他社に負けない力をつける。
品質向上とコスト削減 部品の設計から製造までを自社で管理できるため、品質の向上やコスト削減が可能。
差別化と独自技術の確立 他社との差別化を図り、独自の技術を確立するためにも内製は有効。
環境問題への対応 繰り返し使える材料を使った部品作りや、製造過程での廃棄物削減など、環境に配慮した取り組みが可能。
技術開発の推進 新しい材料の研究や、より効率的な製造方法の開発など、様々な分野で技術革新を進める。電池の性能向上や軽量化、電動機の小型化や高出力化、探知機の精度向上や多機能化などが研究されている。
未来の車社会への貢献 自動車の性能向上、環境性能の向上、そして安全性の向上に大きく貢献し、未来の車社会を支える重要な役割を担う。