クルマの定期点検:車検の基礎知識
車のことを知りたい
車検って、どういうものですか?
車の研究家
簡単に言うと、車を安全に走らせるために国が定期的に検査することだよ。 事故を防いだり、環境を守ったりするために大切な検査なんだ。
車のことを知りたい
どんな車でも車検を受けないといけないんですか?
車の研究家
ほとんどの車は車検が必要だけど、自転車や一部のバイクなどは対象外だよ。普通自動車や軽自動車などは車検を受けないと公道を走れないんだ。
車検とは。
公道を走る自動車の安全と環境を守るため、国が定期的に検査を行うことを「車検」と言います。車検の対象となる車は、登録が必要な普通自動車や小型自動車(バイクを除く)、大型特殊自動車に加え、バイクタイプの小型自動車と軽自動車(二輪車などを除く)です。新しく車検を受けることを新規検査といい、合格すると車検証と検査標章がもらえます。バイクタイプの小型自動車と軽自動車(二輪車などを除く)の場合は、車両番号が決められ、車両番号標も交付されます。車検証の有効期限が切れても車を使い続けるには、継続検査を受けなければなりません。車検は軽自動車検査協会や運輸支局、または検査登録事務所で行われています。
車検の目的
車検は、安全な車を維持し、交通事故を防ぐための大切な制度です。道路を走る車は、時間の経過とともに部品が劣化したり、性能が低下したりすることがあります。そのまま放置すると、ブレーキが効かなくなったり、ハンドル操作が難しくなったりするなど、重大な事故につながる危険性があります。車検では、車の状態を専門家が細かくチェックし、安全に走行できる状態かを確認します。
また、車検は地球環境の保全にも役立っています。車の排気ガスには、大気を汚染したり、地球温暖化の原因となる物質が含まれています。車検では、これらの有害物質の排出量が基準値以下であるかを検査します。基準値を超えている場合は、修理や調整が必要になります。これは、私たちの生活環境を守り、将来の世代に美しい地球を残すために不可欠な取り組みです。
さらに、車検は公平な課税を実現する役割も担っています。自動車税や重量税などの税金は、道路の整備や維持管理に使われています。車検を受けることで、これらの税金を適切に納めているかどうかを確認することができます。きちんと納税することで、道路の安全性を高め、快適な運転環境を維持することに貢献できます。
車検は、法律で定められた義務です。車検を受けずに公道を走ると、罰則が科せられるだけでなく、自分自身や周りの人の安全を脅かすことになります。安全で安心な車社会を実現するために、車検の重要性を理解し、定期的に検査を受けるようにしましょう。
車検の目的 | 具体的な内容 |
---|---|
安全確保 | 車の状態を専門家が細かくチェックし、ブレーキやハンドル操作など、安全に走行できる状態かを確認 |
環境保全 | 有害物質の排出量が基準値以下であるかを検査し、大気汚染や地球温暖化を抑制 |
公平な課税 | 自動車税や重量税などの税金を適切に納めているかを確認し、道路整備費用を確保 |
法的義務 | 法律で定められた義務であり、未実施の場合罰則あり |
車検の対象となるクルマ
公道を走るほとんどのクルマは、安全を守るため、そして環境を守るため、定期的に検査を受けなければなりません。これを一般的に車検と呼びます。では、具体的にどのようなクルマが車検の対象となるのでしょうか。
普段私たちがよく目にする乗用車、いわゆる普通自動車や小型自動車(バイクなどの二輪車は除きます)は、車検の対象です。また、工事現場などでよく見かける大型特殊自動車も車検が必要です。少し特殊な例として、二輪車にも車検の対象となるものがあります。排気量が250ccを超える二輪の小型自動車は車検が必要です。
軽自動車も基本的に車検の対象です。ただし、二輪車や一部の特殊な車両は除かれます。つまり、ほとんどの四輪軽自動車は車検を受けなければなりません。
自分のクルマが車検の対象かどうか、すぐに確かめる方法があります。それは車検証を確認することです。車検証には、車検の有効期限が記載されています。もし有効期限が記載されていれば、そのクルマは車検の対象です。記載がなければ、車検を受ける必要はありません。
もし車検証を見てもよく分からない場合や、自分のクルマが車検の対象かどうか不安な場合は、お近くの運輸支局や軽自動車検査協会に問い合わせるのが一番確実です。専門の担当者が丁寧に教えてくれますので、安心して質問することができます。これらの機関は、車検に関する様々な情報を提供しているので、活用することをお勧めします。
車両の種類 | 車検の要否 | 備考 |
---|---|---|
普通自動車 | 必要 | |
小型自動車(四輪) | 必要 | |
二輪車 | 250cc超は必要 | 250cc以下は不要 |
大型特殊自動車 | 必要 | |
軽自動車(四輪) | 必要 | 二輪車や一部の特殊車両は除く |
新規検査と継続検査
初めて道を走る新しい車は、必ず新規検査を受けなければなりません。この検査は、国が定めた安全基準と排出ガス基準を満たしているかを確かめるためのものです。検査項目は多岐に渡り、ブレーキの効き具合やライトの明るさ、排気ガスの成分など、細かくチェックされます。検査に合格すると、車の情報が詳しく書かれた車検証と、検査の有効期限を示す検査標章(車検シール)が交付されます。また、二輪の小さい自動車と、軽自動車(二輪などを除く)の場合は、車両番号が指定され、車両番号標(ナンバープレート)も交付されます。これにより、晴れて公道を走ることが許可されます。
車検証に書かれている有効期限が過ぎた後も乗り続けるためには、継続検査(車検)を受けなければなりません。これは、すでに公道を走っている車が安全な状態を保っているかを定期的に確認するためのものです。新規検査と同様に、ブレーキやライト、排気ガスなど様々な項目が検査されます。ただし、新規検査に比べて検査項目の一部が省略される場合もあります。継続検査は、新車から最初の車検までの期間と、それ以降の車検までの期間が異なります。一般的に、新車から最初の車検までは3年、それ以降は2年ごとに検査を受ける必要があります。
継続検査を受けるためには、事前に準備が必要です。まず、自動車税や自動車重量税などの税金を納付しなければなりません。また、自賠責保険への加入も必須です。これらの手続きが完了したら、整備工場や検査場に車を持ち込んで検査を受けます。検査に合格すれば、新しい車検証と検査標章が交付され、引き続き安心して車に乗ることができます。日頃から車の点検整備を適切に行うことで、継続検査をスムーズに受けることができます。また、安全な運転を心がけることは、事故を防ぎ、自分自身と周りの人の命を守ることに繋がります。
検査の種類 | 目的 | 対象 | 検査内容 | 有効期限 | その他 |
---|---|---|---|---|---|
新規検査 | 安全基準と排出ガス基準を満たしているかを確かめる | 初めて道を走る新しい車 | ブレーキ、ライト、排気ガスなど | 車検証に記載 | 合格で車検証、検査標章、車両番号標(二輪・軽自動車)交付 |
継続検査(車検) | 車が安全な状態を保っているかを定期的に確認する | すでに公道を走っている車 | ブレーキ、ライト、排気ガスなど(新規検査項目の一部省略の場合あり) | 新車初回3年、以降2年ごと | 事前準備として自動車税、自動車重量税、自賠責保険加入が必要 |
車検はどこで受けるのか
自動車検査、いわゆる車検を受ける場所は大きく分けて二種類あります。一つは国が直接運営する検査場で、もう一つは民間の整備工場です。
国の検査場は、軽自動車検査協会と運輸支局、そして検査登録事務所の三種類あります。軽自動車検査協会は名前の通り、軽自動車専用の検査場です。それ以外の普通自動車や大型自動車などは、運輸支局または検査登録事務所で検査を受けます。これらの施設は国土交通省が管理しており、国の職員である検査員が自動車の安全性を細かく確認します。検査の内容は法律で細かく決められており、どの検査場でも同じ基準で検査が行われます。そのため、どの検査場を選んでも検査の厳しさは変わりません。ただし、地域によってどの施設があるかが異なるため、事前に調べておく必要があります。また、これらの施設を利用する場合、事前の予約が必要となる場合が多いので注意が必要です。
もう一つの選択肢は、民間の整備工場です。国の認可を受けた指定整備工場や認証工場では、検査と整備の両方を行うことができます。整備工場に車を持ち込むと、整備士が点検・整備を行い、その後、整備工場が代行して国の検査場へ車を持ち込んで検査を受けます。つまり、利用者自身は検査場に行く必要がありません。そのため、時間と手間を省くことができます。整備工場によっては、車検の時期が近づくと連絡をくれたり、代車を提供してくれたりするなど、様々なサービスを提供しているところもあります。自分の都合や好みに合わせて、国の検査場と整備工場のどちらを選ぶか決めましょう。どちらの場合も、事前に費用や手続きの流れを確認しておくことが大切です。
検査場 | 対象車両 | 運営主体 | 予約 | その他 |
---|---|---|---|---|
軽自動車検査協会 | 軽自動車 | 国土交通省 | 必要 | |
運輸支局/検査登録事務所 | 普通自動車、大型自動車など | 国土交通省 | 必要 | |
指定整備工場/認証工場 | 全車種 | 民間 | 工場による | 点検・整備込み、代行検査、時間節約 |
車検を受ける時期
自動車を所有する上で避けて通れないのが車検です。これは、安全に公道を走るために必要な定期点検であり、法律で義務付けられています。車検を受ける時期は、自動車の種類によって異なります。
自家用車として利用する普通自動車の場合、新車で購入した時点から3年間は車検を受ける必要はありません。初めての車検は3年後になり、それ以降は2年ごとに車検を受けることになります。例えば、令和6年に新車で購入した場合、最初の車検は令和9年、次の車検は令和11年という具合です。
一方、軽自動車の場合は、普通自動車とは異なり、新車で購入してから2年後に最初の車検を受けます。その後は普通自動車と同様に2年ごとの車検となります。令和6年に新車で購入した軽自動車であれば、令和8年に最初の車検、令和10年に次の車検を迎えます。
車検証には、次回の車検満了日が記載されています。満了日を超えて公道を走行すると、法律違反となりますので、注意が必要です。車検満了日が近付くと、業者から案内が届くこともありますが、自分で車検証を確認し、計画的に車検を受けることが大切です。余裕を持って予約しておけば、都合の良い日時に車検を受けることができますし、不意の出費にも慌てることがありません。また、車検を受ける際には、整備工場や販売店など、どこで受けるかを選ぶことができます。費用やサービス内容を比較検討し、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
車種 | 初回車検 | 2回目以降車検 |
---|---|---|
普通自動車 | 新車登録から3年後 | 2年ごと |
軽自動車 | 新車登録から2年後 | 2年ごと |
車検にかかる費用
自動車検査登録制度、いわゆる車検は、安全に自動車を運行するために国が定めた制度です。この車検を受けるには、当然ながら費用が発生します。大きく分けて、法定費用、車検基本料、整備費用の三つです。
まず、法定費用とは、国に納める税金や手数料を指します。具体的には、自動車の重さによって金額が変わる重量税、交通事故の被害者を救済するための自賠責保険料、手続きに必要な印紙代が含まれます。これらの費用は、どの業者に車検を依頼しても変わりません。
次に車検基本料ですが、これは車検業者に支払う検査手数料です。検査を行う場所や業者、車種によって金額が異なる場合があります。具体的な作業としては、ブレーキの効き具合やライトの明るさ、排気ガスの状態などを検査します。安全な走行に欠かせない項目を点検し、基準を満たしているかを確認する大切な作業に対する費用です。
最後に整備費用があります。これは、車検に通るために必要な整備や修理にかかる費用です。例えば、ブレーキパッドの交換やオイル交換、消耗部品の交換などが含まれます。整備費用は、自動車の状態によって大きく変動するのが特徴です。普段からこまめに整備や点検をしている自動車であれば、整備費用を抑えることができます。また、交換が必要な部品が見つかった場合でも、純正部品を使うか、再生部品を使うかなど、いくつかの選択肢から選ぶことで費用を調整できる場合もあります。
車検を受ける際は、事前に見積もりを取ることが大切です。費用の内訳をしっかりと確認し、納得した上で依頼するようにしましょう。車検は安全な自動車社会を実現するための重要な制度です。必要な費用を理解し、適切な時期に車検を受けるように心がけましょう。
費用項目 | 内容 | 金額変動要因 |
---|---|---|
法定費用 | 国に納める税金や手数料 (重量税、自賠責保険料、印紙代) |
自動車の重さ(重量税) |
車検基本料 | 車検業者に支払う検査手数料 (ブレーキ、ライト、排気ガス等の検査) |
検査場所、業者、車種 |
整備費用 | 車検に通るための整備費用 (ブレーキパッド、オイル、消耗部品の交換など) |
自動車の状態、部品の種類(純正/再生) |