クルマの空気抵抗を減らす工夫
車のことを知りたい
先生、車の空気抵抗について教えてください。空気抵抗は、圧力抵抗、摩擦抵抗、誘導抵抗の3つに分けられるそうですが、自動車の場合、圧力抵抗が大部分を占めるのはなぜですか?
車の研究家
いい質問だね。自動車の場合、車体の形が複雑なため、空気の流れが乱れやすく、車体の後ろ側に大きな渦ができやすいんだ。この渦が圧力抵抗を大きくする主な原因だよ。
車のことを知りたい
なるほど。空気の流れが乱れると渦ができるんですね。ということは、車体の形を工夫すれば、空気抵抗を小さくできるということですか?
車の研究家
その通り!車体の形を流線型にすることで、空気の流れをスムーズにし、渦の発生を抑えることができる。そうすれば、圧力抵抗を小さくして、燃費を向上させることができるんだよ。
空気抵抗とは。
車が空気の中を進むとき、空気から受ける抵抗について説明します。空気抵抗には、圧力抵抗、摩擦抵抗、誘導抵抗の3種類がありますが、車の場合は、主に圧力抵抗が大きな割合を占めます。この圧力抵抗は、空気の流れが渦を巻くと大きくなります。
空気抵抗とは
車は空気の中を進む乗り物です。空気の中を進む以上、どうしても空気から抵抗を受けてしまいます。これを空気抵抗と言います。空気抵抗は車の燃費や走り方に大きな影響を与えるため、自動車を作る上でとても重要な要素です。空気抵抗が大きい車は、エンジンがより多くの力を使わなければならず、結果として燃費が悪くなります。また、速い速度で走っている時の安定性にも影響します。
空気抵抗には、大きく分けて圧力抵抗、摩擦抵抗、誘導抵抗の3種類があります。それぞれ異なる仕組みで発生し、車の形や速度によってその割合が変わってきます。まず、圧力抵抗とは、車の正面にぶつかる空気の圧力によって生まれる抵抗です。ちょうど、強い風が正面から吹いているようなイメージです。車の前面投影面積が大きいほど、圧力抵抗も大きくなります。次に、摩擦抵抗とは、車の表面と空気との摩擦によって生まれる抵抗です。人の肌が強い風を受けると抵抗を感じるように、車も空気との摩擦で抵抗を受けます。車の表面がツルツルであるほど、摩擦抵抗は小さくなります。最後に、誘導抵抗とは、車が空気中を進む時に空気の流れが乱れ、渦ができることで生まれる抵抗です。これは、車の後ろ側で発生しやすく、車の形によって大きく変化します。例えば、角張った車は渦が発生しやすく誘導抵抗が大きくなりますが、流線型の車は渦の発生が抑えられ、誘導抵抗を小さくすることができます。
このように、空気抵抗は様々な要因が複雑に絡み合って発生します。燃費の良い車、そして安全に快適に走れる車を作るためには、これらの抵抗を小さくするための工夫が欠かせません。それぞれの抵抗の発生メカニズムを理解し、車の形や表面の材質などを工夫することで、空気抵抗を小さくし、より優れた車を作ることができるのです。
空気抵抗の種類 | 発生メカニズム | 影響する要素 |
---|---|---|
圧力抵抗 | 車の正面にぶつかる空気の圧力 | 車の前面投影面積が大きいほど、圧力抵抗も大きくなる |
摩擦抵抗 | 車の表面と空気との摩擦 | 車の表面がツルツルであるほど、摩擦抵抗は小さくなる |
誘導抵抗 | 車が空気中を進む時に空気の流れが乱れ、渦ができる | 車の後ろ側で発生しやすく、車の形によって大きく変化する 角張った車は渦が発生しやすく誘導抵抗が大きくなるが、流線型の車は渦の発生が抑えられ、誘導抵抗を小さくすることができる |
圧力抵抗の影響
自動車が空気の中を進む時、大きな壁となるのが空気抵抗です。この空気抵抗の中で、最も大きな割合を占めるのが圧力抵抗です。
自動車が走ると、その前面に空気がぶつかり、高い圧力が生まれます。まるで壁にぶつかるように、空気は押し返されます。反対に、自動車の後方では、空気が剥がれ落ち、渦を巻きます。この渦は、周りの空気を巻き込みながら、まるで小さな竜巻のように回転します。この渦巻く領域は、気圧が低くなり、自動車の後ろ側を引っ張る力となります。
自動車の前側を押す高い圧力と、後ろ側を引っ張る低い圧力。この圧力の差こそが、圧力抵抗の正体です。圧力の差が大きければ大きいほど、自動車は前に進むためにより大きな力が必要となり、結果として燃費が悪化してしまいます。
そこで、近年の自動車開発では、この圧力抵抗を少しでも減らすための様々な工夫が凝らされています。自動車の形状を滑らかにすることは、空気の流れをスムーズにし、前面の圧力を下げる効果があります。また、自動車後方の形状も重要です。後方の形状を工夫することで、空気の剥離を抑え、渦の発生を小さくすることができます。例えば、後端を緩やかに傾斜させたり、小さな翼のような部品を取り付けることで、空気の流れを整えることができます。
さらに、細かな突起物や凹凸も空気の流れを乱し、圧力抵抗を増やす原因となります。そのため、ドアミラーの形状や、窓枠のわずかな段差など、細部に至るまで徹底的に見直し、空気抵抗を減らす努力が続けられています。これらの技術の積み重ねが、燃費性能の向上に繋がり、環境にも優しい自動車を生み出しているのです。
空気抵抗の要素 | 発生原因 | 対策 |
---|---|---|
圧力抵抗 | 自動車前面の圧力と後方の圧力の差 | ・自動車の形状を滑らかにする ・自動車後方の形状を工夫する(例: 緩やかな傾斜、小さな翼) ・細かな突起物や凹凸をなくす |
摩擦抵抗の低減
車は走る際、空気から様々な抵抗を受けます。その中でも、摩擦抵抗は車体表面と空気との摩擦によって発生する抵抗です。空気は目には見えませんが、粘り気のある性質を持っており、これが車体表面に沿って流れる時に抵抗となります。この抵抗は、まるで水飴の中を進むように、車の動きを妨げます。
車体の表面がざらざらしていたり、出っ張りがあると、空気の流れが乱れ、摩擦抵抗が大きくなります。逆に、表面が滑らかであれば空気の流れもスムーズになり、摩擦抵抗は小さくなります。このため、自動車メーカーは摩擦抵抗を小さくするために様々な工夫をしています。
例えば、塗装の表面を滑らかに研磨することで、空気との摩擦を減らす努力がされています。また、車体全体の形状を工夫することで、空気の流れをスムーズにする工夫も凝らされています。さらに、ドアミラーや窓枠などの細かい部品の段差をなくすことで、空気の乱れを最小限に抑える工夫もされています。まるで水滴が葉の上を滑り落ちるように、空気の流れを邪魔しない形状が理想です。
その他にも、車の表面にワックスや被膜を作る液体を塗ることで、表面の摩擦をさらに減らすことができます。これらの被膜は、空気との摩擦を減らすだけでなく、車体を汚れから守る効果もあります。
これらの工夫は、一つ一つは小さな効果かもしれませんが、積み重ねることで大きな効果を発揮し、燃費の向上に貢献します。摩擦抵抗を減らすことは、車の性能向上だけでなく、環境保護にも繋がる重要な取り組みと言えるでしょう。
抵抗の種類 | 発生原因 | 低減策 | 効果 |
---|---|---|---|
摩擦抵抗 | 車体表面と空気との摩擦 |
|
燃費向上、環境保護 |
誘導抵抗とその抑制
車は空気の中を進む時、空気から抵抗を受けます。この抵抗の一つに誘導抵抗というものがあります。これは、車が空気を押し分けて進む際に、空気の流れが変わり、渦ができることで生まれます。
車が空気の中を進むと、車体の後ろ側で空気が渦を巻きます。ちょうど船が水面を進むと船尾に波ができるように、車も空気の波、つまり渦を作るのです。この渦は、車体の進行方向とは逆向きに力を生み出すため、車の速度を落とそうとするのです。これが誘導抵抗です。
この誘導抵抗を少なくするためには、空気の流れをスムーズにする工夫が必要です。例えば、車のお尻に取り付ける部品であるリアスポイラー。これは、単に車をかっこよく見せるためのものではなく、車の上を流れる空気と車の下を流れる空気をうまく調整して、後ろにできる渦を小さくする役割があります。他にも、車の底面を平らにすることで、車の下を流れる空気を整え、渦の発生を抑えることができます。
また、車の側面の形状も重要です。角張った形状だと、空気の流れが乱れやすく、渦が発生しやすくなります。逆に、滑らかな曲線で構成された形状は、空気の流れをスムーズにし、渦の発生を抑える効果があります。
これらの工夫により誘導抵抗を小さくすることで、燃費が向上するだけでなく、高速で走る時の安定性も高まるのです。空気抵抗を減らすことは、快適で安全な運転にも繋がる大切な要素なのです。
誘導抵抗とは | 車が空気を押し分けて進む際に、空気の流れが変わり、渦ができることで生まれる抵抗。車体の後ろ側で渦を巻き、進行方向とは逆向きに力を生み出す。 |
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誘導抵抗を少なくする方法 |
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誘導抵抗を少なくするメリット |
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燃費向上への貢献
車の燃費を良くするには、空気との摩擦を減らすことがとても大切です。空気との摩擦を空気抵抗と言いますが、この抵抗が小さくなればなるほど、エンジンは小さな力で車を走らせることができるようになります。そのため、使う燃料の量も少なくて済むのです。
特に、高速道路で速く走る時には、空気抵抗の影響が大きくなります。空気抵抗が大きいと、エンジンはたくさんの燃料を使って車を走らせなければならず、燃費が悪くなってしまいます。ですから、燃費を良くするためには、空気抵抗を小さくすることが欠かせません。
最近は、燃費に関する決まりが厳しくなり、環境問題への関心も高まっています。そのため、自動車を作る会社は、空気抵抗を減らすための技術開発に力を入れています。車の形を工夫したり、特別な部品を使ったりすることで、空気抵抗をできる限り小さくし、燃費の良い車を作ろうと努力しているのです。
例えば、車の形を滑らかにすることで、空気の流れをスムーズにし、抵抗を減らすことができます。また、車の下にカバーをつけたり、ドアミラーの形を変えることで、空気の渦ができるのを防ぎ、抵抗を小さくすることができます。
このような空気抵抗を減らすための工夫は、燃費を良くするだけでなく、地球環境を守るためにも大切な取り組みです。燃料を節約することは、二酸化炭素の排出量を減らすことにもつながり、地球温暖化防止に貢献します。自動車メーカーの技術開発は、快適な運転と環境保護の両立を目指して、日々進歩しています。これからも、更なる技術革新によって、より燃費の良い、環境に優しい車が開発されていくことでしょう。
空気抵抗を減らすことのメリット | 空気抵抗の影響が大きくなる場面 | 空気抵抗を減らすための工夫 | 空気抵抗を減らすことの重要性 |
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エンジンの負担軽減、燃費向上 | 高速道路での高速走行時 | 車の形状の工夫(滑らかな形状)、特別な部品の使用(車体下部カバー、ドアミラー形状変更など) | 燃費向上、二酸化炭素排出量削減、地球温暖化防止に貢献 |