ばね特性

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駆動系

ディスクスプリング:その特性と応用

皿ばねとも呼ばれる円盤ばねは、浅いおわんを伏せたような、あるいは円錐を押しつぶしたような独特の形をしたばねです。名前の通り、円盤状の形をしています。材質は、一般的にはばね鋼と呼ばれる特殊な鋼材が用いられます。この鋼材は、高い弾性と耐久性を持つため、繰り返し荷重がかかる環境でも安定した性能を発揮します。 円盤ばねは、軸方向の力、つまり上下方向の力を受けると変形し、その際にエネルギーを蓄えます。力を加えるのを止めると、蓄えられたエネルギーを放出し、元の形状に戻ろうとします。これがばねとしての働きです。一般的なコイル状のばねとは異なり、小さな変形で大きな荷重を支えることができます。これは、円盤ばねの形状によるものです。荷重がかかると、円盤の断面全体がたわむことで、効率的にエネルギーを蓄積できるのです。 この特徴から、円盤ばねは様々な機械部品で利用されています。例えば、自動車のクラッチやバルブ機構など、限られた空間で大きな力を必要とする箇所に最適です。また、建設機械や農業機械など、過酷な環境で使用される機械にもよく使われます。さらに、ボルトの締結力調整にも利用されます。複数の円盤ばねを重ねて使用することで、より大きな荷重に対応することも可能です。円盤ばねは、コンパクトながらも高い性能を持つ、現代の機械になくてはならない部品の一つと言えるでしょう。
車の構造

快適な乗り心地:ベローズ型空気ばね

乗り物の揺れを抑え、快適な乗り心地を実現するために、様々な種類のばねが開発されてきました。その中で、空気ばねは、高度な乗り心地の調整を可能にする重要な部品です。空気ばねは、圧縮空気を用いてばねの役割を果たす装置で、主に大型の乗り物、特に貨物自動車や乗合自動車といった車種で広く使われています。 空気ばねには、大きく分けて蛇腹型のベローズ型、筒状のスリーブ型、回転式のローリングローブ型の三つの種類があります。それぞれ形や構造が異なり、乗り物の特徴や用途に合わせて最適な型が選ばれます。今回は、蛇腹状の形が特徴的なベローズ型空気ばねについて詳しく説明します。 ベローズ型空気ばねは、ゴムや強化繊維などで作られた蛇腹状の袋に空気を出し入れすることで、ばねの強さを調整する仕組みです。この蛇腹状の構造は、伸縮性が高く、大きな荷重変化にも柔軟に対応できるという利点があります。 ベローズ型空気ばねは、構造が単純で、製造が容易なため、費用を抑えることができます。また、耐久性にも優れており、長期間にわたって安定した性能を発揮します。さらに、空気圧を調整することで、ばねの硬さを容易に変えられるため、荷物の重さや路面状況に合わせて最適な乗り心地を実現できます。 例えば、貨物自動車の場合、荷物を積んでいない状態では空気圧を低くして柔らかな乗り心地に、重い荷物を積んだ状態では空気圧を高くして安定した走行を確保できます。このように、ベローズ型空気ばねは、様々な状況に対応できる柔軟性を備えています。 一方で、ベローズ型空気ばねは、他の種類の空気ばねに比べて、蛇腹部分の摩擦による摩耗が発生しやすいという欠点もあります。しかし、最近の技術革新により、耐久性が向上した材料が開発され、この欠点は改善されつつあります。 このように、ベローズ型空気ばねは、単純な構造でありながら、高い性能と柔軟性を備えた、優れたばね装置です。大型乗り物における快適な乗り心地と安全な走行に大きく貢献しています。