進化する四輪駆動:可変配分型の解説
四輪駆動とは、読んで字のごとく四つの車輪すべてにエンジンの動力を伝える駆動方式です。通常、乗用車では前輪もしくは後輪の二つの車輪だけを駆動させる二輪駆動が主流ですが、四輪駆動はこれとは異なり、前輪と後輪の両方に駆動力を分配します。これにより、二輪駆動よりもはるかに強力な推進力を得ることができ、ぬかるみや雪道といった悪路でも安定した走行を可能にするのです。
舗装路を走る通常の二輪駆動車は、路面との摩擦抵抗が十分に確保できるため、二つの車輪だけで十分な駆動力を得られます。しかし、雪道や砂利道など、摩擦抵抗の低い路面では、二輪駆動だとタイヤが空転しやすく、思うように前に進めないことがあります。このような状況で四輪駆動は真価を発揮します。四つの車輪すべてに駆動力が伝わることで、タイヤが空転するのを抑え、しっかりと路面を捉えることができるため、二輪駆動では走行が困難な悪路でも走破できるのです。
また、四輪駆動は安定性も向上させます。雪道や凍結路面など、滑りやすい路面では、二輪駆動車の場合、駆動輪がスリップして車が横滑りする危険性が高まります。しかし、四輪駆動は四つの車輪すべてで路面を捉えるため、スリップしにくく、安定した走行を維持できます。
四輪駆動は、オフロード車やスポーツ多目的車(SUV)だけでなく、近年では一般的な乗用車にも搭載されるようになってきています。雪国に住む人々にとっては、冬場の安全な運転に欠かせない技術と言えるでしょう。また、アウトドアを楽しむ人にとっても、山道や砂浜など、様々な道を走破できる四輪駆動車は心強い相棒となるはずです。