アルフィン

記事数:(1)

駆動系

ブレーキドラム:縁の下の力持ち

ブレーキドラムは、自動車を止めるための装置の一部で、特に小型の乗用車や荷物などを運ぶ車、そして車を止めておくためのブレーキによく使われています。 ドラムブレーキは、車輪と一緒に回転する円筒形の部品で、主に鉄を溶かして型に流し込んで作られています。 見た目は太鼓のような形をしています。このドラムブレーキの中に、ブレーキシューと呼ばれる摩擦材が組み込まれています。摩擦材とは、摩擦を起こしやすい特別な素材のことです。 ブレーキペダルを踏むと、油の圧力を使ってこのブレーキシューをドラムの内側に押し付けます。すると、ブレーキシューとドラムの間で摩擦が生じ、回転する力が弱まり、車は徐々に止まります。自転車のブレーキを握ると車輪が止まるのと似た仕組みです。 ドラムブレーキには、自己効力作用と呼ばれる特徴があります。これは、ブレーキを踏む力がドラムブレーキ自身によって増幅される現象です。少ない力で大きな制動力が得られるため、効率的なブレーキシステムと言えます。 ドラムブレーキは、構造が単純で作るコストも安く済むという利点があります。部品点数が少ないため、整備もしやすいという特徴も持っています。また、水や泥などの影響を受けにくいため、様々な環境で使用できるという点も大きなメリットです。 一方で、ブレーキを連続して使用すると、ドラムの中に熱がこもりやすく、ブレーキの効きが悪くなることがあります。また、ドラムブレーキはディスクブレーキに比べて放熱性が悪く、制動力が低下しやすいという欠点もあります。そのため、高速走行が多い大型車などには、放熱性に優れたディスクブレーキが採用されることが多くなっています。