インターナルギヤ

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エンジン

ロータリーエンジンの心臓部:インターナルギヤ

三角形の回転子が独特な動きをする心臓部には、内部歯車という重要な部品があります。この部品は、回転子の滑らかで力強い回転を作り出すための鍵となります。内部歯車は回転子の一面にしっかりと固定されていますが、回転子と一緒に回るわけではありません。どういうことかというと、回転子の中心には、固定された静止歯車があり、内部歯車はこの静止歯車と噛み合っています。 この内部歯車と静止歯車の噛み合わせが、回転子の独特な動きを生み出します。回転子は、中心からずれた位置で回転する「遊星運動」と呼ばれる動きをします。まるで、惑星が太陽の周りを回りながら、自転もしているような動きです。この複雑な動きによって、回転子の頂点に取り付けられた頂点封環と呼ばれる部品の先端が、ハウジングと呼ばれる外側の壁の中で「トロコイド曲線」と呼ばれる、卵のような形の曲線を描きます。 このトロコイド曲線に沿って動く頂点封環が、燃焼室の容積を変化させます。燃焼室とは、燃料と空気が混ざり合って爆発する部屋のことです。容積が変化することで、まず混合気を吸い込み、次に圧縮し、そして点火爆発させ、最後に排気ガスを排出する、という4つの行程が実現されます。まるで、息を吸って、止めて、吐き出すという呼吸のようなものです。この一連の動きが、ロータリーエンジン独特の滑らかで力強い回転の源であり、他のエンジンとは異なる特徴となっています。