インバーター

記事数:(8)

EV

電気自動車の心臓部:電動機制御装置

電動機制御装置は、電気で動く車の心臓部と言える重要な部品です。アクセルを踏んだりブレーキを踏んだりした時の信号を受け取り、状況に応じて電動機の回転の速さや力を調整することで、車をうまく安全に走らせる役割を担っています。単に電動機を動かすだけでなく、様々な機能を持っています。例えば、何か異常を見つけたら安全を確保するための機能や、警告を出す機能、警報を出す機能など、電動機に関わる制御全般を担っています。これにより、運転する人は安心して運転に集中することができます。 もう少し詳しく説明すると、アクセルペダルを踏むと、その踏み込み量に応じて電動機制御装置は電動機に送る電気の量を調整します。これにより、電動機の回転速度が上がり、車は加速します。逆にブレーキペダルを踏むと、電動機制御装置は電動機にブレーキをかける信号を送ります。さらに、回生ブレーキという仕組みを使って、ブレーキの際に発生するエネルギーを電気に変えてバッテリーに充電することも行います。この回生ブレーキの制御も電動機制御装置の重要な役割の一つです。また、坂道発進時など、車が後退しないように電動機を制御する機能も備えています。これらの制御は、様々なセンサーからの情報に基づいて、瞬時に行われます。 近頃、電気で動く車の普及に伴い、電動機制御装置の技術革新も目覚ましく、より少ない電気で動くようにしたり、装置の大きさを小さくしたり、価格を安くしたりといった改良が進んでいます。さらに、高度な制御技術によって、より滑らかで心地よい運転を体験できるようになっています。例えば、アクセル操作に対する反応をより繊細に制御することで、加速や減速をスムーズに行うことが可能になります。このように、電動機制御装置は、電気自動車の性能と安全性を大きく左右する重要な部品であり、今後の進化にも大きな期待が寄せられています。
ハイブリッド

プリウスを支える縁の下の力持ち

電気で動く車の心臓部ともいえる物が二つあります。一つは電気を蓄える電池、もう一つは電気を動力に変える装置です。この二つを繋ぐのが、電力の通り道となる高電圧の電線です。この電線は、まるで人の体でいう血管のような役割を果たしています。 この電線の中を流れる電気は、家庭で使っている電気よりもはるかに高い電圧です。家庭の電気は100ボルト程度ですが、この電線は数百ボルトにもなります。高い電圧の電気は大きな力を持ちますが、同時に危険も伴います。そのため、電気を安全に送るための工夫が欠かせません。 まず、電線は特殊な素材で作られています。高い電圧に耐えられるだけでなく、熱にも強く、曲がったり、振動したりしても壊れにくい丈夫な素材です。さらに、電線の周りは何層にも重ねた被覆で覆われています。この被覆は、電気を通さない絶縁体でできており、外からの衝撃や熱から電線を保護する役割を果たします。また、万が一、電線が破損した場合でも、感電などの事故を防ぐことができます。 さらに、この電線は電気を効率よく送る工夫も凝らされています。電気が流れる時に熱が発生し、エネルギーが無駄になってしまうのを防ぐため、抵抗の少ない素材が使われています。また、電線の太さも、流れる電流の量に合わせて最適な太さに設計されています。そして、電線の長さをできるだけ短くすることで、エネルギーの損失を最小限に抑えています。 このように、高電圧を安全に送る電線は、特殊な素材や構造によって、高い電圧から守られ、効率よく電気を送ることができるように設計されています。この電線があるおかげで、電気で動く車は、静かで力強く、環境にも優しい走りを実現できるのです。
EV

車の心臓部:インバーターの働き

電気で動く車や、電気とガソリンの両方で動く車にとって、電気の変換器であるインバーターは欠かせない部品です。インバーターの主な役割は、直流電気を交流電気へと変換することです。この変換がなぜ必要かというと、車の動力源であるモーターを動かすためです。 車の電池は直流電気を出しますが、モーターを直接動かすには交流電気を使います。つまり、電池の電気はそのままではモーターを動かせません。そこで、インバーターが間に入り、電池から送られてくる直流電気を交流電気へと変換するのです。変換された交流電気はモーターに送られ、滑らかな加速や減速、安定した走行を可能にしています。 インバーターは、電気を作る量を細かく調整することもできます。アクセルペダルを踏む強さによって、必要な電力の量が変化します。インバーターはこの変化に合わせて、モーターに送る電気の量を調整し、ドライバーの思い通りの加減速を実現するのです。 近ごろは、電気で動く車が増えてきています。それに伴い、インバーターの重要性も増しています。静かで力強い走りを実現する上で、インバーターはなくてはならない存在です。表舞台に出ることはありませんが、縁の下の力持ちとして、電気で動く車の性能を支えている重要な部品と言えるでしょう。
駆動系

電気自動車の心臓部、同期モーター

同期モーターは、交流モーターの一種で、回転子の回転速度と供給される交流電流の周波数が常に一致していることからその名が付いています。電気自動車の動力源として広く使われているほか、家電製品や産業機械など、様々な分野で活躍しています。 同期モーターの回転の仕組みは、電磁石と永久磁石の相互作用を利用しています。モーターは大きく分けて、回転する部分である回転子と、静止している部分である固定子から構成されています。回転子には永久磁石が取り付けられており、固定子には電磁石が配置されています。固定子の電磁石に電気を流すと磁界が発生し、この磁界が回転子の永久磁石と引き合ったり、反発したりする力を生み出します。この力によって回転子が回転するのです。自転車のペダルを漕ぐことを想像してみてください。足が磁界、ペダルが永久磁石、自転車の車輪が回転子だと考えると分かりやすいでしょう。足でペダルを交互に踏むことで車輪が回転するように、磁界を変化させることで回転子を回転させます。 永久磁石を使うことでエネルギーの損失を減らし、効率的な回転を実現できることが同期モーターの大きな利点です。また、供給する交流電流の周波数を変えることで、回転速度を細かく制御することも可能です。電気自動車の場合、アクセルペダルを踏む強さに応じて電流の周波数を調整することで、滑らかで力強い加速を生み出しています。まるで熟練の職人が自在に操るように、電気自動車の動きを緻密に制御できるのは、同期モーターの優れた特性のおかげと言えるでしょう。電気自動車の普及と共に、同期モーターの需要はますます高まっており、更なる性能向上に向けた研究開発が活発に行われています。
EV

電気自動車の心臓部、車載型充電器の進化

電気自動車を走らせるには、電気の力が必要です。この電気をためておくのが、バッテリーと呼ばれる部品です。そして、このバッテリーに電気を送るための装置が、車載型充電器です。 車載型充電器は、家庭にあるコンセントから電気を取り込みます。コンセントから送られてくる電気は、そのままではバッテリーに充電できません。電圧や電流の大きさがバッテリーに合っていないからです。そこで、車載型充電器は、コンセントからの電気の種類を変換し、バッテリーに適した電気の種類に変えます。ちょうど、外国の電化製品を使う際に、変圧器を使って電圧を変えるのと同じような働きです。 車載型充電器は、いわば電気自動車のエネルギー補給を行うための重要な部品であり、人間の体でいえば、食事から栄養を吸収する消化器官のような役割を果たしています。以前は、この充電器が大きく、車の中に搭載するには場所を取りすぎていました。しかし、技術の進歩によって小型化、軽量化が進み、今ではほとんどの電気自動車に搭載されるほど小型になっています。かつては大きな荷物だったものが、今ではポケットに入るほど小さくなったと考えると、その進化の度合いがよくわかるでしょう。 この小型化という進化が、電気自動車の普及を大きく後押ししたと言えるでしょう。もしも車載型充電器が大きくて重いままであったら、電気自動車を作るのも難しかったでしょうし、電気自動車に乗る人も少なかったはずです。このように、車載型充電器は電気自動車の発展に欠かせない重要な部品なのです。小型軽量化によって、車内のスペースを広く取れるようになったこと、そして、車の燃費向上にも貢献していることは、見逃せない点です。今後も、更なる小型化、高効率化といった技術革新が期待されています。
EV

電気自動車の電磁騒音対策

電気自動車の心臓部であるモーターや、その制御を司る装置、電圧を変換する装置といった電子部品からは、電気的な雑音である電磁騒音が発生します。 これらの部品は、電気を高速でオンオフしているため、電磁波が発生し、これが様々な形で騒音問題を引き起こすのです。 この電磁騒音には、大きく分けて二つの種類があります。一つは人間の耳に聞こえる音です。これはモーターの駆動音とは異なり、独特の高い音として車内や車外に漏れることがあります。静かな電気自動車では、この音が特に気になる場合があります。もう一つは電波として他の電子機器に影響を与えるものです。ラジオやテレビへの雑音の混入がよく知られていますが、近年では携帯電話や医療機器、特に心臓ペースメーカーへの影響が懸念されています。これらの電子機器は電磁波の影響を受けやすく、誤作動や機能低下を引き起こす可能性があるため、対策が重要視されています。 電磁騒音対策としては、発生源である電子部品を改良することがまず挙げられます。例えば、電流を滑らかに変化させることで電磁波の発生を抑える、ノイズを吸収する部品を使うなどの工夫がされています。また、電子部品を金属の箱で覆うことで、電磁波が外部に漏れるのを防ぐ方法も有効です。さらに、車体全体を電磁波を遮断する素材で覆うことで、車内への電磁騒音の侵入や、車外への漏洩を防ぐ対策も取られています。電気自動車の普及に伴い、電磁騒音対策は安全性と快適性の両面から、今後ますます重要になっていくでしょう。これらの対策により、電気自動車の静粛性と電子機器への影響を最小限に抑える努力が続けられています。
EV

インバーター:車の心臓部

車を動かすにはエネルギーが必要です。ガソリンを燃やして得る力を使う車もあれば、電気の力を使う車もあります。電気を使う車には、電池に蓄えられた直流の電気を使うものや、エンジンと電池の両方を使うものなど、様々な種類があります。これらの車には「魔法の箱」とも呼ばれる、電気を変換する大切な装置が搭載されています。それが「変換機」です。 電池に蓄えられた電気は直流で、そのままではモーターをうまく動かすことができません。モーターを滑らかに、そして力強く動かすには、直流の電気を交流に変える必要があるのです。変換機はこの重要な役割を担っています。変換機は、直流の電気を交流に変換するだけでなく、電気の周波数や電圧を調整する機能も持っています。これにより、アクセルペダルの踏み込み具合に応じて、モーターの回転速度を細かく制御することが可能になります。 変換機のおかげで、電気で動く車は静かで力強い走りを実現できるのです。アクセルを踏んだ瞬間に力強い加速が得られるのは、変換機が電気を効率よく制御しているおかげです。また、電気の力で動く車は、ガソリンを使う車に比べて音が静かです。これも、変換機が滑らかに電気を制御することで実現されています。 変換機は、電気で動く車の心臓部とも言える重要な部品です。この小さな箱が、環境に優しく、快適な運転を実現する上で、大きな役割を果たしているのです。今後、電気で動く車がますます普及していく中で、変換機の技術はさらに進化していくことでしょう。より小型で、より効率的な変換機の開発が、電気で動く車の未来を大きく変えていくでしょう。
EV

高効率電力変換:サイリスターインバーター

サイリスター変換装置は、直流の電気の流れを交流の電気の流れに変える機械で、たくさんの電気を使う場面で役立っています。この装置の中心となる部品がサイリスターという半導体スイッチです。サイリスターは、電気を流したり止めたりすることを素早く行うことができ、大きな電気も扱えるため、変換装置に最適です。 サイリスター変換装置の仕組みは、直流の電気を断続的に流すことで、方形波と呼ばれる角張った形の交流電気を作るというものです。一般的ななめらかな波形を持つ交流電気と比べて、この方形波は電圧と時間の積が大きくなる特徴があります。電圧と時間の積が大きいということは、同じ時間でより多くの電気エネルギーを伝えられることを意味します。つまり、限られた電気から、より多くの交流電気を作ることができるので、変換の効率が良いと言えるのです。 サイリスター変換装置は、電車や工場などの大きな電力を必要とする場所で活躍しています。例えば、電車のモーターを動かす際や、工場で大きな機械を動かす際に、直流の電気を交流に変換するために使われます。また、太陽光発電や風力発電などで作られた直流の電気を、家庭で使える交流の電気に変換するのにも役立っています。このように、サイリスター変換装置は、私たちの生活を支える様々な場面で重要な役割を担っているのです。