乗り心地の革新:エアサス徹底解説
空気のばねは、金属でできた従来のバネとは違い、空気の力で車の重さを支える仕組みです。ゴムでできた袋のような部品に空気を詰めることで、バネと同じ働きをします。この袋は蛇腹のような形をしていて、空気を出し入れすることで伸び縮みします。まるで空気が詰まった風船のようなものです。
この空気の量は、車の重さや道路の状態に合わせて自動的に調整されます。例えば、人が多く乗ったり、荷物をたくさん積んだりすると、車体側のコンピューターがそれを感知し、空気のばねに送る空気の量を増やします。逆に、人が降りたり荷物を降ろしたりすると、空気の量を減らします。
この仕組みのおかげで、まるで雲の上を走るように滑らかで快適な乗り心地を実現できます。路面の凸凹を空気が吸収してくれるので、車体に伝わる振動が少なく、乗っている人はほとんど揺れを感じません。
また、空気のばねは車高を自由に変えることができるのも大きな特徴です。急な坂道を上る時や、段差のある場所を走行する時、車高を高くすることで、車体が路面に接触するのを防ぎ、スムーズに走行できます。反対に、高速道路を走行する時などは車高を低くすることで、空気抵抗を減らし、燃費を向上させることも可能です。
さらに、重い荷物を積んだ時でも、車高を一定に保つことができます。従来のバネでは、重い荷物を積むと車体が沈み込んでしまうことがありましたが、空気のばねは自動的に空気の量を調整することで、車高を一定に保ち、安定した走行を可能にします。このように、空気のばねは乗り心地と走行性能の両方を向上させる、画期的な技術と言えるでしょう。