エネルギー回生

記事数:(3)

ハイブリッド

エネルギー回生で未来の車を作る

車は走るために多くのエネルギーを使いますが、止まる時にもエネルギーが発生します。この止まる時に生まれるエネルギーは、普段は熱や音になって逃げてしまいます。エネルギー回生とは、この捨ててしまうエネルギーを回収して再利用する技術のことです。 この技術は、車の燃費を良くし、環境への負担を軽くするために大変役立ちます。電気で走る車や、電気とガソリンを併用する車では、このエネルギー回生が重要な役割を担っています。これらの車には、走るためにも止まるためにもモーターが使われています。減速する時は、このモーターを発電機のように働かせることで、電気を作り出して電池にためることができます。これを回生ブレーキと言います。回生ブレーキを使うことで、無駄なエネルギーを減らし、一回の充電で走れる距離を長くすることができます。 電気で走る車だけでなく、ガソリンで走る車にもエネルギー回生技術が使われ始めています。ガソリンで走る車では、発電機を使って電気を作り、ライトやエアコンなどを動かしています。従来の発電機は、エンジンが動いている限り常に電気を作り続けていましたが、最近の車は、減速時などに発電機の働きを強め、より多くの電気を作り出すようになっています。これにより、エンジンの負担を軽くし、ガソリンの消費を抑えることができるのです。 このように、エネルギー回生は、様々な種類の車で燃費向上に貢献し、環境保護にも役立つ重要な技術です。今後、技術の進歩によって更に効率的なエネルギー回生システムが開発され、より環境に優しい車社会の実現が期待されます。
機能

エネルギー回収の巧み技:回生制動

車は止まる時に、大きな力を使っています。この力を今までのようにただ熱として捨ててしまうのはもったいない、そこで考えられたのが回生制動です。回生制動とは、ブレーキを踏んで車を遅くする時に生まれる力を電気に変え、電池にためて再利用する仕組みのことです。 これまでの車は、ブレーキを踏むと、パッドと呼ばれる部品が回転する円盤を強く挟み込み、摩擦によって車を止めていました。この摩擦で発生する熱は、空気に逃げて無駄になっていました。しかし回生制動を使う車では、ブレーキを踏むと、車輪につながっているモーターが発電機のような働きを始めます。 モーターは普段、電池から電気をもらって回転し、車を動かしますが、回生制動が働いている時は、逆に車輪の回転から電気を作り出し、その電気を使って電池を充電するのです。これは、自転車のライトでよく見られる仕組みと似ています。自転車のライトは、タイヤの回転を利用して発電し、電気を供給することで点灯しています。回生制動もこれと同じように、車の動きを電気に変えているのです。 この回生制動は、電池で動く車にとって特に大きな利点となります。電気自動車や一部の組み合わせ型の車などは、この技術のおかげで電池の持ちが良くなり、走る距離が伸びるからです。さらに、ブレーキパッドの摩耗も抑えられるので、部品交換の頻度も減らせます。環境にも優しく、財布にも優しい、まさに一石二鳥の技術と言えるでしょう。
ハイブリッド

蓄圧式ハイブリッド:未来の車

車は走るために燃料を燃やして力を得ていますが、ブレーキを踏んで車を止める時には、その動いていた力が熱に変わって捨てられてしまいます。もったいないですよね。そこで、捨ててしまう力を別の形で取っておいて、再び走る力に変えることができれば、燃料をもっと節約できます。その一つの方法が、今回ご紹介する蓄圧式混合動力方式です。 この方式では、ブレーキを踏む時、普段捨ててしまう力を油を圧縮する力に変えます。自転車の空気入れを想像してみてください。ポンプを押すと、中の空気は縮められて圧力が高くなりますよね。同じように、油を専用のポンプで圧縮して、空気や窒素のような気体と一緒にタンクに閉じ込めます。このタンクの中では、まるで縮められたバネのように、大きな力が蓄えられています。 では、蓄えた力はどうやって使うのでしょうか? 加速したい時には、この高圧になった気体の力で油圧モーターを回します。油圧モーターは、水車のように、油の流れで羽根車を回し、動力を生み出す装置です。このモーターが生み出した力が、エンジンの動力を助けるのです。つまり、一度ブレーキで捨てられるはずだった力が、再び車を動かす力として使われているわけです。 この蓄圧式混合動力方式と、電気で動くよく知られた混合動力車との一番の違いは、力を蓄える方法にあります。電気の混合動力車は大きな電池に電気を溜めますが、蓄圧式では気体の圧力として力を蓄えます。 また、ブレーキの仕組みにも工夫があります。ブレーキペダルを軽く踏んだ時は、まず油圧モーターが作動して、減速する力を利用してタンクに気体を圧縮し始めます。さらに強くブレーキを踏む必要がある場合は、通常のブレーキが作動して確実に車を止めます。このように、二段階のブレーキシステムによって、出来る限り多くのエネルギーを回収するように工夫されています。