車の頭脳、エンジンマネージメントコンピューター
今の車は、電子制御なしでは考えられません。電子制御の中核を担うのが、エンジンを管理する計算機です。この計算機は、様々な場所に取り付けられた感知器から送られてくる情報に基づいて、燃料の噴射量や点火時期などを細かく調整することで、エンジンを最も良い状態で動かす司令塔の役割を果たしています。まるで車の頭脳と言えるほど重要な部品です。
この計算機は、エンジンの回転数や車の速度、空気の量や温度など、様々な情報を常に監視しています。そして、これらの情報に基づいて、燃料をどれくらい噴射するか、点火をいつ行うかなどを瞬時に判断し、エンジンを制御しています。例えば、アクセルペダルを強く踏めば、計算機は多くの燃料を噴射するように指示を出し、力強い加速を実現します。逆に、アクセルペダルを離せば、燃料の噴射量を減らし、燃費を向上させます。
また、この計算機は、排気ガスをきれいにする役割も担っています。排気ガス中の有害物質を減らすために、燃料の噴射量や点火時期を調整することで、環境にも配慮しています。さらに、最近の車は、安全運転を支援する機能も備えています。例えば、滑りやすい路面でタイヤが空回りした場合、計算機はエンジンの出力を自動的に調整して、車を安定させるように制御します。このように、エンジンを管理する計算機は、快適な運転だけでなく、安全な運転や環境保護にも大きく貢献しているのです。
かつては、機械的な装置でエンジンを制御していましたが、電子制御の技術が進歩したことで、より精密で複雑な制御が可能になりました。その結果、エンジンの性能が向上し、燃費も良くなり、排気ガスもきれいになりました。この計算機のおかげで、私たちは快適で安全な運転を楽しむことができるのです。