エンジンシェイク

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車の構造

車の振動を理解する:剛体モードとは?

車は、多くの部品が組み合わさってできていますが、車全体を一つの塊として捉える考え方があります。これを剛体と呼びます。建物のように、力を加えても形が変わらないものを想像してみてください。車も、ある特定の動きをする時には、同じように形が変わらないものとして扱うことができるのです。 車はバネで支えられています。このバネのおかげで、路面の凸凹を吸収し、乗っている人は快適に過ごせるのです。しかし、このバネがあることで、車全体が上下に揺れたり、前後に傾いたりする動きも生じます。 例えば、デコボコ道を通ると、車はバネの上で跳ねるように上下に動きます。また、急ブレーキをかけると、車は前のめりになり、急発進すると後ろに傾きます。これらの動きは、車全体が一つの塊として動いていると見なせるため、剛体運動と呼ばれます。 剛体モードとは、バネで支えられた車が、まるで形が変わらない塊のように振る舞う時の動きのことです。実際には、車を作る金属や樹脂などの材料は、力を加えるとわずかに変形する性質、つまり弾性を持っています。しかし、車全体で見ると、特定の動き方をする時には、この変形を無視して、形が変わらないものとして計算できるのです。 この剛体モードの考え方は、車の乗り心地や走行安定性を考える上でとても大切です。例えば、車全体がどのように揺れるかを計算することで、バネの硬さや配置を最適化し、より快適な乗り心地を実現できます。また、急ブレーキや急ハンドルを切った時に車がどのように傾くかを予測することで、より安全な車作りが可能になります。
エンジン

エンジンシェイク:快適な運転を阻む振動

エンジンシェイクとは、車が一定の速度で走っている時に、ブルブルと細かく震える現象のことを指します。まるでエンジンの鼓動が車全体に響いているように感じられ、快適な運転を邪魔する厄介なものです。 この震えは、エンジンやその周りの部品の重さ、そしてエンジンを車体に固定する部品(マウンティングと呼ばれる)の性質が組み合わさって起こります。マウンティングは、震動を吸収するためのゴムでできた部品で、ばねのように振動を和らげる役割を果たします。このばねとエンジンの重さが共鳴し、特定の揺れの速さで振動が増幅され、車内に不快な揺れをもたらすのです。これは、ちょうどブランコを漕ぐ時に、タイミング良く力を加えると大きく揺れるのと同じ原理です。 エンジンシェイクの原因となるエンジンの振動は、エンジンの回転運動から生じます。ピストンが上下する際の力や、爆発による衝撃など、様々な力が複雑に作用し合い、振動が発生します。この振動がマウンティングを通して車体に伝わり、エンジンシェイクとして感じられるのです。 エンジンシェイクは、単なる震えだけではなく、車の乗り心地や運転の安定性にも悪影響を及ぼします。長期間放置すると、他の部品の寿命を縮める可能性もあるため、早めに対処することが大切です。例えば、マウンティングのゴムが劣化して硬化すると、振動を吸収する能力が低下し、エンジンシェイクが悪化することがあります。また、エンジンシェイクが激しい場合は、共振する回転数を避けて運転する、あるいはマウンティングを交換するなどの対策が必要です。深刻な場合は、エンジン本体に問題がある可能性も考えられるため、専門家による点検が必要です。