オイル消費を抑える!インナーベベルリングとは?
自動車の心臓部であるエンジン。その中で、ピストンはシリンダーの中を上下に激しく動いて、車を走らせる力を生み出しています。このピストンとシリンダーの間には、摩擦を減らすために、わずかな隙間がどうしても必要になります。しかし、この隙間がそのままでは、エンジンの性能に悪影響を及ぼします。そこで重要な役割を果たすのが、輪の形をした部品、ピストンリングです。
ピストンリングは、主に二つの重要な働きを担っています。一つ目は、燃焼室で発生した高い圧力のガスが隙間から漏れるのを防ぐことです。ピストンリングがしっかりと隙間を塞ぐことで、ガスの圧力が効率的にピストンを押し下げ、力強いエンジンの駆動力を生み出します。もし、ガスが漏れてしまうと、エンジンの力は弱まり、燃費も悪くなってしまいます。
二つ目は、エンジンオイルが燃焼室に入り込むのを防ぐことです。エンジンオイルはピストンの潤滑や冷却のためにシリンダー壁に供給されていますが、これが燃焼室に上がってしまうと、不完全燃焼を起こし、排気ガスが汚れたり、オイルが早く減ってしまったりします。ピストンリングは、オイルをシリンダー壁に留め、燃焼室への侵入を防ぐ役割を果たし、エンジンオイルの消費を抑え、きれいな排気ガスを実現する手助けをしています。
このように、ピストンリングは相反する二つの働きを両立させ、エンジンの性能を最大限に引き出すために、縁の下の力持ちとして活躍しているのです。小さな部品ですが、自動車にとって無くてはならない、重要な部品と言えるでしょう。