オゾン層破壊

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環境対策

車のエアコンと環境問題:フロンガスについて

車の中で過ごす時、暑さ寒さを気にせず快適に過ごせるのは、エアコンのおかげです。このエアコンを動かすのに欠かせないのが冷媒と呼ばれるもので、かつてはフロンガスが広く使われていました。フロンガスは、基本となる炭素と水素の化合物に、フッ素や塩素といった元素がくっついたものです。このガスは、化学的にとても安定していて、簡単には他の物質と反応しません。つまり、燃えにくく、金属を腐食させることもないため、エアコンの冷媒として理想的と考えられていました。 エアコンだけでなく、冷蔵庫やスプレーの噴射剤など、様々な場面でこの便利なフロンガスは活躍していました。ところが、このフロンガスが、地球環境に大きな悪影響を及ぼすことが分かりました。 フロンガスは大気中に放出されると、オゾン層を破壊するのです。オゾン層は、太陽から届く有害な紫外線を吸収する役割を果たしており、私たち生物を守ってくれています。オゾン層が破壊されると、地上に届く紫外線量が増え、皮膚がんや白内障といった病気のリスクが高まります。また、植物の成長にも悪影響を及ぼし、生態系全体が乱れる恐れがあります。 こうしたことから、フロンガスの使用は国際的に規制されるようになりました。特定フロンの製造や輸入が禁止され、エアコンや冷蔵庫などに使われているフロンガスも回収・破壊することが義務付けられました。 現在では、フロンガスに代わる新たな冷媒の開発が進んでいます。地球環境への影響が少ない冷媒を使用することで、快適な暮らしと地球環境の保全を両り立っていくことが大切です。