カバリエ図

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図面を読み解く:カバリエ図入門

カバリエ図は、奥行きのある物体を平面の紙の上に描き表す方法の一つです。絵画のように遠近法を使って奥行きを表現するのではなく、縦、横、高さの三方向の長さをすべて同じ縮尺で描くのが特徴です。そのため、奥行き方向の線も実際の長さと同じように描かれます。この描き方を斜め投影図と言います。 カバリエ図を使う一番の利点は、物体の実際の大きさが分かりやすいことです。普通の絵のように奥のものが小さく描かれることはありません。だから、部品の設計図や建物の平面図などでよく使われています。複雑な形をした機械部品でも、カバリエ図ならそれぞれの部分の寸法や位置関係が一目で理解できます。 例えば、箱をカバリエ図で描くと、正面は正方形に見え、奥行きを表す線は斜めに描かれます。奥行きを表す線の角度や長さは決まりがなく、45度の角度で実際の奥行きと同じ長さに描くのが一般的です。もちろん、見やすさのために角度や長さを調整することもあります。 カバリエ図は、物体の全体像を把握するのには向いていますが、奥行き方向の情報が分かりにくいという欠点もあります。奥行き方向の線が重なってしまい、どの部分が手前にあってどの部分が奥にあるのかが分かりづらい場合があります。そのため、細かい部分の形状を正確に表現するには不向きです。複雑な形状の物体を描く場合は、複数の視点からのカバリエ図を組み合わせたり、他の図法と併用したりすることで、より分かりやすく表現することができます。