ガルフ

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組織

巨大石油企業の栄枯盛衰

かつて世界の経済を握っていた巨大な石油会社、石油メジャーと呼ばれる七つの会社がありました。これらの会社は、石油に関わる全て、つまり、油田探しや掘り出しから、石油を様々な製品にすること、作った製品を各地に運ぶこと、そして売ることまで、全てを自分たちで行っていました。まるで巨大な生き物がいくつもの足を世界中に伸ばしているようでした。七つの会社とは、アメリカのエクソン、モービル、テキサコ、シェブロン、ガルフの五社と、イギリスのブリティッシュ・ペトロリアムの一社、そしてイギリスとオランダが共同で作ったロイヤル・ダッチ・シェルの一社です。この七つの会社の名前は、石油という言葉を聞けば誰でも思い浮かべるほど有名でした。 彼らは世界の経済の中心で大きな力を持っていました。石油が出る国々との繋がりを巧みに利用し、想像もつかないほどのお金と権力を集めていきました。人々は彼らを繁栄の象徴、進歩の象徴として見ていました。世界中の人々が、彼らの名前を輝かしいものとしてとらえていたのです。 しかし、石油メジャーの力は永遠ではありませんでした。石油が出る国々が自分たちの石油資源を自分たちで管理しようという動きが強まってきたのです。産油国は、石油メジャーに頼らず、自分たちで石油を管理し、利益を得たいと考え始めました。この動きは、石油メジャーの力に陰りをもたらす大きな変化の始まりでした。石油という宝を巡る世界の勢力図が大きく変わろうとしていたのです。