タイヤの隠れた守護神:ベルトカバー
車のタイヤは、いくつもの部品が組み合わさってできています。その中で、あまり知られていないけれど大切な部品の一つに、ベルトカバーがあります。
ベルトカバーとは、タイヤの表面を覆うゴムの部分(トレッド)と、その下にある補強層(ベルト)の間にある、繊維をまとめた層のことです。この層は、主にナイロンなどの糸で作られており、タイヤの円周方向にぐるりと巻かれています。まるでタイヤに帯を巻いているように見えることから、「ベルトカバー」という名前が付けられました。別名「キャッププライ」とも呼ばれています。
このベルトカバーは、高速で走る時にタイヤが安定するように、重要な役割を果たしています。速く回転するタイヤは、大きな遠心力を受けます。この力によって、タイヤの表面であるトレッドが変形してしまうと、車がうまく走らなかったり、安全に影響が出たりする可能性があります。ベルトカバーは、この変形を防ぐ役割を担っているのです。
ベルトカバーは、高速で回転するタイヤにかかる力を受け止め、トレッドの変形を抑えます。これにより、タイヤと路面の接地面積を一定に保ち、優れた操縦安定性と制動力を実現します。また、トレッドの摩耗を均一にする効果もあり、タイヤの寿命を延ばすことにも繋がります。
まさに、ベルトカバーはタイヤにとって鎧のような存在と言えるでしょう。タイヤをしっかりと保護し、安定した走行を支える縁の下の力持ちなのです。