ギヤポンプ

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機能

ポンプの脈動を抑える技術

押し出す力や圧縮する力を利用する機械は、私たちの暮らしを支える様々な場面で活躍しています。しかし、これらの機械を使う際に、どうしても避けられない現象があります。それが脈動です。脈動とは、液体や気体などの流れが周期的に変化する現象のことを指します。まるで心臓の鼓動のように、流体の流れが強まったり弱まったりを繰り返すのです。 この脈動は、機械の内部構造や、扱う液体、気体の性質など、様々な原因によって引き起こされます。例えば、回転する羽根を使って液体を送り出すポンプを考えてみましょう。羽根が回転するたびに、液体は断続的に押し出されます。この時、まるで波のように流れが強まったり弱まったりするわけです。これが脈動です。また、ピストンを使って液体を押し出すポンプでも同様の現象が見られます。ピストンが前後に動くたびに液体が吐き出されるため、脈動が発生するのです。 脈動は、単に流れが変動するだけではありません。配管に振動を起こしたり、騒音を発生させたりする原因となります。さらに、機械の寿命を縮めたり、最悪の場合は故障に繋がることもあります。 このような脈動による悪影響を防ぐためには、脈動を抑える様々な工夫が凝らされています。例えば、配管の途中に脈動を吸収する装置を取り付けたり、ポンプの構造を工夫して脈動の発生を抑えたりするなど、様々な方法が用いられています。脈動を理解し、適切な対策を施すことは、機械を安全かつ効率的に運用するために非常に重要なことなのです。
エンジン

静かなる心臓:AFCローター歯形オイルポンプ

車の心臓部であるエンジンは、たくさんの部品が組み合わさって動いています。これらの部品が互いにこすれ合って摩耗しないように、そしてスムーズに動くように、潤滑油、つまりオイルが欠かせません。オイルはエンジン内部を循環することで、各部品に油膜を作り、摩擦や摩耗、そして熱の発生を抑えています。このオイルを循環させる重要な役割を担っているのがオイルポンプです。 近年の自動車技術の進化に伴い、オイルポンプにも様々な改良が加えられています。従来のオイルポンプは、主に外接歯車式が用いられてきました。これは比較的シンプルな構造で、安定したオイルの供給を実現してきましたが、近年では更なる燃費向上や静粛性の向上が求められています。そこで、日産の主力エンジンに採用されているのが、AFCローター歯形オイルポンプと呼ばれる最新のオイルポンプです。 AFCローター歯形オイルポンプは、従来の外接歯車式に比べ、より複雑な形状の歯車を採用しています。この特殊な形状により、オイルを圧送する際の抵抗を減らし、より少ないエネルギーで効率的にオイルを循環させることが可能になりました。これにより、エンジンの燃費向上に貢献するだけでなく、ポンプ自体から発生する騒音も低減され、車内の静粛性向上にも繋がっています。 また、AFCローター歯形オイルポンプは、オイルの供給量をエンジンの回転数や負荷に応じて細かく調整することができます。低回転時や低負荷時には必要なオイル量だけを供給し、高回転時や高負荷時にはより多くのオイルを供給することで、常に最適な潤滑状態を維持することが可能です。これにより、エンジンの耐久性向上にも大きく貢献しています。 このように、最新の潤滑方式であるAFCローター歯形オイルポンプは、エンジンの性能向上、燃費向上、そして快適な運転環境の実現に貢献する、重要な技術革新と言えるでしょう。今後の自動車開発においても、更なる進化が期待される技術の一つです。