クラッシャブルボディ

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駆動系

車好き必見!ミッドシップのすべて

車の設計において、動力源である原動機の置き場所は車の性格を決める重要な要素の一つです。原動機を車体中央、前後の車輪の間に配置する形式は、中央配置と呼ばれ、特に運転席と後輪の間にある場合は中央後方配置と呼ばれます。この配置は、車の重量バランスを大きく改善し、運動性能を向上させる効果があります。 原動機が車の中心近くにあることで、前輪と後輪にかかる重量が均等に近づきます。理想的には前後重量比が5対5となり、これを目指して設計が行われます。前後重量バランスが整うことで、車の安定性が向上し、特に旋回時の性能が飛躍的に高まります。旋回時に車体が傾く動き、すなわち横揺れが抑えられるため、ドライバーの操作に対する車の反応が素直になります。ドライバーが思った通りに車を操縦できるようになり、一体感を得られる操縦性を実現できるのです。 急な曲がり角や高速走行時でも安定した走りを実現できるため、運転の楽しさを追求する人にとって、中央後方配置は大きな魅力となります。しかし、原動機を車体中央に配置することで、車内の空間が狭くなるという欠点もあります。特に後部座席の空間が犠牲になりがちで、大人数が乗車するには不向きです。また、原動機への整備性が低下する場合もあり、整備の際に手間がかかることもあります。 これらの長所と短所を踏まえ、中央後方配置は、高い運動性能を求められる高性能の競技用自動車や、運転の喜びを重視する一部の趣味性の高い乗用車に採用されています。快適性や実用性を重視する一般的な乗用車には、原動機を車体前部に配置する前輪駆動方式が広く採用されています。これは、車内空間を広く確保でき、製造コストも抑えられるためです。このように、車の原動機配置は、車の性格を決定づける重要な要素であり、それぞれの車種が目指す性能や用途に合わせて選択されています。