クロスカントリー

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駆動系

自動でロックするハブの仕組み

四輪駆動車は、力強い走破性で悪路をものともせず、オフロード愛好家にとって頼もしい存在です。ぬかるみや雪道など、二輪駆動車では立ち往生してしまうような過酷な状況でも、四輪すべてに駆動力を伝えることで走破することができます。しかし、従来の四輪駆動車は、二輪駆動と四輪駆動の切り替えに手間がかかるという難点がありました。多くの四輪駆動車には、マニュアルロッキングハブと呼ばれる機構が備わっており、二輪駆動と四輪駆動を切り替える度に、運転席から降りて車輪のハブを手で操作する必要がありました。これは、急な天候の変化や、舗装路から未舗装路へ移行する際など、頻繁な切り替えが必要な状況では非常に不便です。ましてや、雨や雪などの悪天候下では、車外での作業は危険を伴うものでした。このような不便さや危険性を解消するために開発されたのが、オートマチックロッキングハブです。この画期的な機構は、車輪の回転を感知して自動的にハブをロック・解除するため、ドライバーは運転席に座ったまま、スイッチ操作だけで二輪駆動と四輪駆動を切り替えることができます。急な路面状況の変化にも瞬時に対応できるため、安全性が大幅に向上しました。また、車外に出る必要がないため、快適性も向上しました。オートマチックロッキングハブの登場は、四輪駆動車の使い勝手を大きく向上させ、オフロード走行をより安全で快適なものにしました。これにより、これまで以上に多くのドライバーが、悪路走破の喜びと、四輪駆動車の持つ力強さを体感できるようになりました。
カーレース

悪路走破に挑む!クロカン車の世界

車は、舗装されていない道を走ることを前提とした競技から生まれ発展しました。険しい山道や砂漠、岩場など、普通の車では走れない場所を走る技術を競うことが始まりでした。 草創期は、改造した軍用車や農業用車を活用していました。丈夫で悪路走破性の高いこれらの車は、まさにうってつけだったのです。競技が盛んになるにつれて、求められる性能も高まり、参加者たちは、車の改良に工夫を凝らしました。 やがて、競技専用の車が開発されるようになりました。これらの車は、車体と路面の距離を大きく確保し、どんな悪路でもスムーズに走行できるように設計されました。また、衝撃を吸収する装置も強化され、岩場や砂漠でも安定した走行を可能にしました。そして、四つの車輪全てに駆動力を伝える仕組みも備え、どんなに険しい道でも走破できるようになりました。 技術の進歩は目覚ましく、市販車を改造した車も登場するようになりました。これにより、より多くの人が競技に参加できるようになり、競技人口は増加の一途を辿りました。 競技の人気が高まるにつれ、技術革新のスピードも加速しました。より速く、より安全に、より快適に、と改良が重ねられ、現在では、世界中で様々な競技会が開催されています。多くの人々が自然の中で技術を競い合い、また、自然との一体感を楽しみながら、それぞれの冒険を繰り広げています。かつて、限られた人々だけが挑戦できた特別な世界は、技術の進歩と共に、より身近なものへと変化を遂げているのです。