電気の源、電荷を学ぶ
物質の中には、とても小さな粒が集まってできています。中心には原子核があり、その周りを電子が回っています。原子核はプラスの電気、電子はマイナスの電気を帯びています。
多くの場合、物質全体ではプラスの電気とマイナスの電気の量が同じなので、電気的に中性です。つまり、プラスとマイナスがつり合って、全体としては電気を帯びていない状態です。
しかし、金属などの物質では、一部の電子は原子核の周りを自由に動き回ることができます。これらの電子を自由電子と呼びます。自由電子は電気を運んだり、熱を伝えたりする役割を担っています。
二つの物をこすり合わせると、自由電子が一方の物からもう一方の物に移動することがあります。例えば、風船をセーターでこすると、セーターから風船に電子が移動します。この結果、風船は電子が増えてマイナスの電気を帯び、セーターは電子が減ってプラスの電気を帯びます。
このように、電子が持つ電気の量を電荷といいます。電荷は電気の現象を理解する上で、とても大切な量です。電気に関する様々な現象は、この電荷の動きによって説明できます。例えば、雷は雲に溜まった電荷が一気に放電する現象ですし、電気が流れるのも電荷が移動しているからです。
電荷の大きさを表す単位はクーロンといい、記号はCです。1クーロンは非常に大きな量で、日常生活で目にすることはほとんどありません。通常は、クーロンよりもずっと小さい単位を使って電荷の量を表します。