タイヤのケーシング:構造と役割
車は地面と接するタイヤによって支えられています。そのタイヤの形を保ち、空気圧を閉じ込めているのがケーシングと呼ばれる部分です。ケーシングはタイヤの骨格であり、なくてはならない重要な部品です。
ケーシングは、幾重にも重ねられたコード層でできています。このコード層はカーカスとも呼ばれ、ゴムで覆われています。タイヤの中に閉じ込められた空気は、このケーシングによって支えられています。人が乗ったり、荷物を積んだりすることでタイヤにかかる重さを、中の空気が支えられるのは、ケーシングが頑丈な構造をしているからです。また、ケーシングは高い耐久性も備えています。
路面には、小さな石や段差など、様々なものがあります。車が快適に走れるように、ケーシングはこれらの路面からの衝撃を吸収する役割も担っています。そのため、乗り心地の良し悪しにも、ケーシングは大きく関わっています。
一口にケーシングと言っても、その構造や素材はタイヤの種類や用途によって様々です。例えば、普段私たちが乗る乗用車と、大きな荷物を運ぶトラックでは、タイヤに求められる性能が違います。乗用車では、静かで快適な乗り心地が重視されます。一方、トラックでは、重い荷物を積んで長距離を走るため、高い耐久性と荷重に耐えられる丈夫さが求められます。そのため、乗用車用タイヤのケーシングは、乗り心地や静粛性を重視して設計され、トラック用タイヤのケーシングは、より頑丈な構造となっています。このように、タイヤの種類によってケーシングの構造や素材は異なり、それぞれに適した性能を発揮するように作られています。