コンデンサー

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車の心臓部、整流器の役割

車は、様々な電気仕掛けの機器で溢れています。明るい照明、心地よい温度を保つ冷暖房、道案内をしてくれる地図表示装置など、これらは全て直流電力で動いています。しかし、車の発電機は交流電力を作り出します。そこで、整流器の出番です。整流器は、交流電力を直流電力に変換する、いわば電気の変換装置です。発電機で作られた電力は、まず整流器に送られます。整流器の中には、電流の流れを一方通行にするダイオードと呼ばれる部品が複数組み込まれており、これらが交流電力の波形をプラスの値だけに整えます。こうして、プラスとマイナスが交互に入れ替わる交流電力が、プラス方向へ一定に流れる直流電力に変換されるのです。変換された直流電力は、車のバッテリーに蓄えられます。バッテリーは、エンジンが停止している時でも、各機器に電気を供給する役割を担っています。また、整流器はバッテリーへの過充電も防ぎます。バッテリーが必要とする以上の電力が供給されると、バッテリーは劣化したり、最悪の場合、破損してしまう可能性があります。整流器は、バッテリーの充電状態を監視し、必要以上の電力が流れないように制御することで、バッテリーの寿命を延ばします。整流器が正常に働いていなければ、電装品は正しく作動しません。快適な運転はもちろん、安全な運転にも支障をきたす可能性があります。普段は目に触れることはありませんが、整流器は車の電気系統を支える重要な部品なのです。
機能

蛇管冷却器:車の快適な温度を保つ工夫

蛇管冷却器とは、その名の通り、冷却に使う液体を流す管が蛇のようにくねくねと曲がった形をしている冷却器のことです。この曲がりくねった管のことを蛇管と呼びます。 なぜこのような形をしているかというと、限られた大きさの中で、冷却に使う液体が通る管の長さをできるだけ長くするためです。管を長くすることで、冷却したいものと冷却に使う液体との触れ合う面積を広げることができます。 例えば、熱いお茶を冷ます時を想像してみてください。熱いお茶を入れた湯呑みに氷を一つ入れるよりも、同じ量の氷を砕いてたくさん入れる方が早く冷えますよね。これは、氷とお茶が触れ合う面積が広くなるからです。蛇管冷却器も同じ原理で、管を曲げて長さを稼ぐことで、冷却効率を高めているのです。 蛇管冷却器の中には、冷やす働きをする液体、いわゆる冷媒が流れています。この冷媒の種類は、冷却する対象や温度などによって様々です。例えば、自動車のエアコンでは冷媒としてフロン類などが使われていますし、冷蔵庫では昔はフロン類が使われていましたが、今は環境への影響が少ない代替フロンやイソブタンなどが使われています。 蛇管冷却器は、自動車のエアコンや冷蔵庫以外にも、様々な場所で活躍しています。家庭用のルームエアコンや、工場などで使われる大型の冷却装置などにも利用されています。また、食品工場などでは、製品の温度を一定に保つために蛇管冷却器が使われています。このように、蛇管冷却器は私たちの生活を支える様々な場面で活躍している、重要な技術なのです。
機能

小型化への貢献:積層型コンデンサー

電気の通り道を遮る物質を挟み、二枚の金属板を向かい合わせた構造を持つのが、電気をためる部品、蓄電器です。蓄電器は、まるで小さな電池のように電気をためることができますが、電池とは異なる性質を持っています。蓄電器は、瞬間的に大量の電気をためたり、放出したりすることが得意です。この特性を活かして、様々な電化製品の中で役立っています。 蓄電器に電気をためる様子を想像してみましょう。二枚の金属板に電気を送ると、プラスの電気とマイナスの電気がそれぞれ別の金属板に集まります。二つの板の間には電気の通り道を遮る物質があるため、プラスとマイナスの電気は直接触れ合うことができません。まるで、薄い壁を隔てて向き合っているかのようです。この状態では、電気は金属板に閉じ込められた状態になり、蓄電器の中に電気がたまっている状態となります。 蓄電器にたまった電気は、必要に応じて瞬時に放出することができます。例えば、写真機の閃光電球を思い浮かべてみてください。閃光電球は、蓄電器にたまった電気を一気に放出することで、明るく光ります。また、電圧を一定に保つ役割も担っています。電圧とは、電気が流れる勢いのことで、電化製品が正常に動くためには、電圧が安定している必要があります。電圧が不安定になると、電化製品が壊れたり、誤作動を起こしたりする可能性があります。蓄電器は、電圧が不安定な時に電気をためたり、放出したりすることで電圧を一定に保ち、電化製品の安定した動作を支えています。まるで、電圧の変動を吸収する緩衝材のような役割を果たしているのです。
エンジン

高性能のひみつ!コンデンサー放電点火装置

自動車の心臓部ともいえる動力源、エンジン。そのエンジンを動かすために欠かせないのが燃料と空気の混合気に火をつけることです。この大切な役割を担うのが点火装置です。 点火装置は、バッテリーに蓄えられた電気を高電圧に変換し、スパークプラグと呼ばれる部品に送ります。スパークプラグの先端では、この高電圧によって火花が発生します。この火花が、エンジン内部の燃焼室に送り込まれたガソリンと空気の混合気に点火し、爆発を起こします。この爆発の力でピストンが押し下げられ、車が動くための力が生まれるのです。 点火装置の重要な役割の一つに点火時期の制御があります。エンジンの回転数や負荷に応じて、最適なタイミングで点火を行う必要があります。早すぎても遅すぎてもエンジンの性能が低下し、燃費が悪化したり、排気ガスが増加したりする原因になります。この点火時期の制御は、昔は機械式の装置で行われていましたが、近年の自動車ではコンピューターが制御する電子制御式が主流となっています。電子制御式は、様々なセンサーからの情報に基づいて、常に最適な点火時期を調整するため、より精密な制御が可能となっています。 点火装置が正常に働かなければ、エンジンは始動しないばかりか、スムーズに回転しません。これは、いわば人間の心臓が正常に鼓動しなければ生命活動が維持できないのと同じです。快適な運転、良好な燃費、そして環境への配慮。これらを達成するために、点火装置は縁の下の力持ちとして重要な役割を担っているのです。