エンジンの心臓部!オイルクリアランスを徹底解説
車の心臓部である原動機は、多くの金属部品が組み合わさって動いています。これらの部品は、互いにこすれ合って摩耗しないように、わずかな隙間を空けて組み付けられています。この隙間を油のすき間といいます。油のすき間は、原動機の回転する部分、特に回転軸とそれを支える受け座との間に設けられています。回転軸は、原動機の動力を伝える重要な部品で、常に高速で回転しています。受け座は、この回転軸を支え、スムーズな回転を助ける役割を担っています。
油のすき間は、ちょうど人間の関節のような役割を果たしています。関節に適切な量の滑液があることで、骨同士がスムーズに動くように、油のすき間にも原動機油が満たされ、金属同士の摩擦と摩耗を防いでいます。この油は、回転軸と受け座の間の薄い膜となって、金属同士が直接触れ合うことを防ぎ、滑らかな回転を可能にしています。
油のすき間の大きさは非常に重要です。すき間が狭すぎると、油がうまく流れず、摩擦抵抗が増加して原動機がスムーズに回転しなくなります。また、油温が上昇しすぎる原因にもなります。反対に、すき間が広すぎると、油圧が低下し、油膜が薄くなって十分な潤滑効果が得られず、金属部品の摩耗を早めてしまいます。
油のすき間の大きさは、回転軸の直径の千分の一程度、つまり髪の毛よりも細いものです。この微細なすき間に、原動機油がしっかりと流れ込み、潤滑の役割を果たすことで、原動機はスムーズに回転し、長い寿命を保つことができるのです。適切な油のすき間は、原動機の性能と寿命を左右する重要な要素と言えるでしょう。