コールドボックス法

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車の生産

進化する鋳型:コールドボックス法

車は、たくさんの部品が組み合わさってできています。その中でも、エンジンや動力を伝える部品には、複雑な形をした金属部品が欠かせません。これらの部品は、鋳物(いもの)と呼ばれ、砂型に溶かした金属を流し込んで作られます。砂型を作る方法はいろいろありますが、最近では、コールドボックス法という方法が注目されています。 コールドボックス法は、特殊な砂と接着剤を使って砂型を作る方法です。まず、砂と接着剤を混ぜ合わせたものを型枠に詰めます。次に、ガスを吹き付けて接着剤を固めます。こうしてできた砂型は、非常に硬くて丈夫なので、複雑な形をした鋳物を作るのに最適です。 従来の砂型作りでは、砂を押し固めるだけで型を作っていました。しかし、この方法では砂型が崩れやすく、複雑な形を作るのが難しかったのです。また、砂型が崩れると、鋳物の表面がデコボコになったり、欠陥ができたりすることもありました。 コールドボックス法では、接着剤で砂をしっかり固めるので、砂型が崩れる心配がありません。そのため、複雑な形をした鋳物でも、寸法精度が高く、表面が滑らかな製品を作ることができます。また、砂型を一度に大量に作ることができるので、生産性も高いという利点もあります。 このように、コールドボックス法は、従来の砂型製法に比べて多くの利点を持つ、高品質な鋳物部品を作るための重要な技術となっています。自動車の性能向上や製造コストの削減にも大きく貢献していると言えるでしょう。