車の横滑り量を測るサイドスリップテスター
車は、見た目はまっすぐ進んでいるように見えても、実際にはわずかに横にずれて進むことがあります。このずれのことを横滑り量と呼びます。横滑り量は、タイヤのすり減り具合や、車輪の取り付け角度のずれ、サスペンションの不具合など、様々な要因によって引き起こされます。
横滑り量が多いと、燃費が悪化することがあります。車はまっすぐ進むためにより多くの力を必要とするため、燃料の消費量が増えてしまうのです。また、タイヤの一部だけが偏ってすり減る「偏摩耗」も発生しやすくなります。偏摩耗はタイヤの寿命を縮めるだけでなく、走行中のバースト(破裂)などの危険も高めます。さらに、ハンドル操作の正確性も低下し、運転のしにくさや危険につながる可能性があります。
安全に車を走らせるためには、この横滑り量を適切に管理することがとても大切です。横滑り量を測定する装置として、「サイドスリップテスター」があります。サイドスリップテスターは、車が直進しているときのタイヤの横方向へのずれの量を数値で表示します。この数値を元に、整備士は車の状態を客観的に判断し、必要な調整を行うことができます。例えば、車輪の取り付け角度を調整したり、すり減ったタイヤを交換したりすることで、横滑り量を少なくし、燃費の向上やタイヤの寿命の延長、そして安全な走行を実現することができるのです。定期的な点検や整備で、横滑り量を適切な状態に保ち、安全で快適な運転を心がけましょう。