サーフェイスプレート

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車の生産

精密測定の要、定盤の世界

定盤とは、精密な測定や検査を行う際に基準面となる、非常に平らに仕上げられた厚板のことです。まるで鏡のように滑らかで、わずかな凹凸も許されないほど精密に作られています。この平らな面を基準にすることで、製品の寸法や形状を正確に測ったり、部品を正しく組み立てることができます。 定盤の材料としてよく使われるのは鋳鉄です。鋳鉄は強度が高く、加工もしやすいため、定盤の素材に適しています。さらに、熱を伝えやすい性質を持つため、温度変化によるわずかな変形も抑えることができます。他にも、花崗岩(御影石)や陶磁器で作られた定盤もあります。これらの素材は、鋳鉄よりも温度変化の影響を受けにくく、より高い精度が求められる作業に適しています。 定盤の表面には、測定や線を引く作業をしやすくするために、格子状の線が刻まれています。この線は、基準となる目盛りとして使われ、製品の寸法や形状を正確に測るのに役立ちます。線の幅や間隔は国によって異なり、日本では100mm間隔が、アメリカでは5インチ(約127mm)間隔が主流となっています。 イタリアでは大理石で作られた定盤も見られます。大理石は美しい模様を持ち、丁寧に磨けば高い平坦性を得ることができます。そのため、芸術作品としても評価されるほど美しい定盤が作られています。このように、定盤は精密な測定には欠かせない道具であり、ものづくりの現場で重要な役割を担っています。様々な種類があり、用途や求められる精度に応じて最適な定盤が選ばれています。