シリコーンゴム

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消耗品

車とシリコーン:隠れた立役者

珪素を骨格とする有機珪素化合物は、まとめて「シリコーン」と呼ばれています。これは自然界には存在せず、人工的に作り出されたものです。珪素と酸素の結合であるシロキサン結合が、シリコーンの様々な性質の土台となっています。この結合のおかげで、シリコーンは油のような液体、ゴムのような弾力を持つもの、樹脂のような硬いものなど、様々な形をとることができます。それぞれの形によって、シリコーン油、シリコーンゴム、シリコーン樹脂などと呼ばれ、目的に合わせて使い分けられています。 まず、液体のシリコーン油は、さらっとした感触と、よく染み込む性質を持っています。そのため、化粧品や髪の毛のケア用品によく使われています。肌や髪に塗ると、滑らかに伸びて、べたつかず、しっとりとした使い心地になります。次に、ゴムのような弾力を持つシリコーンゴムは、熱や寒さにも強いという特徴があります。そのため、自動車の部品や台所の道具などに使われています。例えば、車のエンジン周りの部品は高い熱に耐えなければなりませんが、シリコーンゴムはそのような厳しい環境でもしっかりと機能します。また、台所用品では、耐熱性に加えて、食品に直接触れても安全という利点があります。最後に、硬い樹脂状のシリコーン樹脂は、塗料や接着剤などに使われています。シリコーン樹脂を加えることで、製品の耐久性や、雨風に対する耐性を高めることができます。例えば、建物の外壁塗装にシリコーン樹脂を使うと、長持ちし、ひび割れなども起こりにくくなります。このように、シリコーンは様々な形と性質を持つため、私たちの暮らしのあらゆる場面で役立っているのです。
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車とシリコーンゴム:隠れた立役者

車は、実に様々な部品が組み合わさってできています。その中で、目立たないながらも重要な役割を担っているのが、万能素材とも呼ばれる「けい素ゴム」です。けい素ゴムは、高温や低温、油や活性酸素といった過酷な環境でも劣化しにくいという優れた性質を持っています。 車を走らせる心臓部であるエンジンルームは、高温になる上、油や振動も発生する過酷な環境です。けい素ゴムは、このような環境下でも安定した性能を発揮するため、エンジンルーム内の様々な部品に使われています。例えば、エンジンオイル漏れを防ぐための部品(オイルシール)や、冷却水を循環させる部品(ホース)などに利用され、エンジンの正常な動作を支えています。 また、ブレーキ部品にもけい素ゴムは欠かせません。ブレーキ部品は、高温になる上、ブレーキ液などの薬品にも耐える必要があるため、過酷な条件に耐えられる材料が求められます。けい素ゴムは、これらの条件を満たすため、ブレーキシステムの安全性向上に貢献しています。 さらに、車内の快適性向上にもけい素ゴムは一役買っています。例えば、窓枠のパッキン(ウェザーストリップ)には、雨風や騒音の侵入を防ぐために、柔軟性と耐久性が求められます。けい素ゴムは、これらの要求を満たすため、車内を快適な空間に保つ上で重要な役割を果たしています。 一般的に「ゴム」というと、タイヤを連想する人が多いでしょう。タイヤには強度が求められるため、別の種類のゴムが使われています。一方、けい素ゴムは、タイヤのような強度ではなく、柔軟性や耐熱性、耐薬品性といった特性が求められる場所で活躍しています。まさに縁の下の力持ちとして、自動車の安全性、快適性、そして耐久性の向上に大きく貢献しているのです。