シースルーモデル

記事数:(2)

車の開発

透けて見える車の模型:シースルーモデル

車の開発や設計には、様々な模型が用いられます。大きく分けると、形状確認のための模型、走行性能を検証するための模型、そしてデザイン評価のための模型があります。 形状確認に用いる模型は、主に設計図面の正確さを確かめるために作られます。部品同士が正しく組み合わさるかどうか、部品の大きさや形に誤りがないかなどを細かく確認します。近年では、3次元設計図面を用いてコンピューター上で確認することが主流ですが、実物を使った確認も依然として重要です。 走行性能を検証するための模型には、風洞実験に用いるものなどがあります。風の流れを可視化し、空気抵抗や揚力などを計測することで、燃費向上や走行安定性の改善に役立てられます。これらの模型は、実車の形状を縮小したものが多く、素材には軽量な樹脂などが用いられます。 デザイン評価のための模型の一つに、シースルーモデルがあります。これは、外装だけでなく内装のデザインも評価するために作られる特殊な模型です。窓部分を透明な素材で再現することで、車内を見通せるように設計されており、乗員の視界や車内空間の広がりなどを確認することができます。実物大で製作されることが多く、実車に近い印象を与えます。また、クレイモデルと呼ばれる粘土でできた模型もデザイン評価に用いられます。これは、実物大で作成され、デザイナーが粘土を削ったり盛り付けたりすることで、造形を微調整していくことができます。シースルーモデルとは異なり、車内の様子は確認できませんが、実車のサイズ感や曲面を手で触れて確認できるため、デザインの完成度を高める上で重要な役割を果たします。このように、模型の種類によって目的や用途が異なり、それぞれが車の開発に欠かせない役割を担っています。
車の開発

設計に欠かせない立体モデル

立体模型とは、名前の通り、中身が詰まった、実物そっくりの設計図のようなものです。計算機の中で、まるで本当にそこにあるかのように、様々な方向から眺めたり、寸法を測ったり、内部の構造まで調べることができます。従来の平面図では、設計作業をする際に、頭に思い描く力が必要でしたが、立体模型を使うことで、より直感的に、そして正確に作業を進めることができます。 特に、複雑な形の部品や製品を設計する際には、立体模型の便利さは大変大きなものになります。例えば、自動車のエンジンルームのように、多くの部品が複雑に組み合わさっている場合、平面図だけではそれぞれの部品の位置関係や干渉などを把握するのが難しくなります。しかし、立体模型を使えば、部品同士がどのように組み合わさり、どの程度の隙間があるのかなどを、視覚的に確認することができます。これにより、設計ミスを未然に防ぎ、組立作業の効率化を図ることができます。 また、立体模型は設計者同士の情報共有だけでなく、お客様との意思疎通も円滑にします。お客様は技術的な図面を読み解くのが難しい場合がありますが、立体模型を見せることで、製品の形状や機能を直感的に理解してもらうことができます。これにより、お客様の要望を的確に反映した製品開発が可能となり、顧客満足度の向上に繋がります。さらに、立体模型は、製品の強度解析や流体解析など、様々なシミュレーションにも活用できます。仮想空間で様々な条件下での挙動を検証することで、製品の性能を向上させたり、開発期間の短縮を図ったりすることが可能です。このように、立体模型は現代の製品開発において、なくてはならない重要なツールとなっています。