スクロール式過給機

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エンジン

進化を遂げた巻物型過給機

巻物型過給機は、エンジンの吸気力を高めるための装置で、その名の通り、渦巻状の部品が空気を圧縮する仕組みを持っています。まるで蚊取り線香のような、渦巻状の部品が二つ組み合わさって、独特な圧縮方法を実現しています。 この二つの部品は、中心をずらして配置されています。一つは固定され、もう一方は偏心軸によって回転するようになっています。回転する部品は、固定された部品の内部で複雑な動きをします。例えるなら、迷路の中を進むように、吸い込んだ空気を少しずつ中央へと導いていきます。 回転する部品と固定された部品の間には、常に一定の隙間があります。この隙間は、吸気口付近では広く、中央に近づくにつれて狭くなっています。回転する部品が空気を中央へと押し進めるにつれて、この隙間も狭くなり、結果として空気は圧縮されます。ちょうど、風船の口を閉じながら握りつぶしていくように、空気をぎゅっと閉じ込めて圧力を高めていくのです。 こうして圧縮された空気は、エンジンの燃焼室へと送り込まれます。圧縮された空気中には、より多くの酸素が含まれているため、燃料が効率よく燃焼します。その結果、エンジンはより大きな力を生み出し、力強い走りを可能にします。 巻物型過給機は、その独特の渦巻状の部品による圧縮方式から、スパイラル式過給機とも呼ばれています。他の過給機に比べて、低回転域から高い圧縮効率を発揮するのが特徴です。スムーズで力強い加速を体感できるため、様々な種類の車に搭載されています。