スチールベルト

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駆動系

無段変速機の心臓部:スチールベルト

滑らかな変速の秘密は、無段変速機、つまりよくシーブイティーと呼ばれる機構にあります。この機構は、名前の通り、歯車を使った段階的な変速ではなく、連続的に変速比を変化させることで、滑らかで心地よい走りを実現しています。 この滑らかな変速を可能にしているのが、特殊な金属の帯であるスチールベルトと、プーリーと呼ばれる円錐形の部品です。プーリーは、二つの円錐が向かい合ったような形をしており、その溝にスチールベルトが巻き掛けられています。自転車のチェーンとプーリーを想像すると分かりやすいでしょう。しかし、自転車のチェーンとは異なり、スチールベルトは、多数の薄い金属板を繋ぎ合わせて作られており、非常に高い強度と柔軟性を兼ね備えています。 変速の仕組みは、このプーリーの溝の幅を変化させることにあります。アクセルを踏んで加速すると、エンジンの回転に合わせて、一方のプーリーの溝の幅が狭くなり、同時に、もう一方のプーリーの溝の幅が広がります。これにより、スチールベルトが巻き付く位置が変わり、まるで自転車でギアを変えるように変速比が変化します。この一連の動作が、スチールベルトの高い強度と柔軟性によって、滑らかに行われるため、乗る人はほとんど変速のショックを感じることがありません。 スチールベルトは、単なる金属の帯ではなく、精密に計算された技術の結晶です。その精巧な作りと、プーリーとの絶妙な組み合わせによって、無段変速機は、滑らかで快適な運転体験を提供しているのです。