マクファーソンストラット式サスペンションの解説
マクファーソン式と呼ばれる、支柱一本で車輪を支える画期的な仕組みを持つ緩衝装置は、その名前の由来となったマクファーソン氏によって考案されました。この緩衝装置は、それまでの複雑な仕組みに比べて単純ながらも、高い性能を発揮しました。
1960年代に入ると、イギリスの自動車製造会社フォードとドイツの自動車製造会社べエムヴェーがこの画期的な仕組みにいち早く注目し、自社の車に取り入れ始めました。その後、1966年には日本の代表的な大衆車である初代カローラにも採用され、その優れた性能と製造のしやすさから、瞬く間に国内の自動車製造会社全体に広まりました。特に前輪を駆動する車においては、エンジンを置く場所の空間を有効に使えるという利点があり、多くの車種で採用されるようになりました。
当初は主に前の車輪に使われていましたが、その後、技術の進歩とともに後ろの車輪にも使われるようになりました。さらに、ただ衝撃を吸収するだけでなく、路面状況や車の状態に合わせて緩衝装置の硬さを自動で調整する技術や、コンピューター制御によってより精密な調整を行う技術など、様々な制御技術と組み合わせることで、より高度な性能を実現しています。
このように、マクファーソン式緩衝装置は時代に合わせて改良が加えられ、自動車の乗り心地や運転の安定性を向上させる上で、なくてはならないものとなっています。現在も進化を続けており、自動車技術の発展を支える重要な部品の一つと言えるでしょう。