ホイールパーク式駐車ブレーキの解説
車は安全に止まっていることが何よりも大切です。そのために無くてはならないのが駐車ブレーキ、中でも大型車や中型車でよく使われているのがホイールパーク式駐車ブレーキです。このブレーキは、タイヤのすぐそば、車輪の中に備え付けられているのが大きな特徴です。車輪に直接ブレーキをかけるので、中心にあるブレーキとは仕組みが全く違います。
では、どのようにしてブレーキをかけるのでしょうか。ホイールパーク式駐車ブレーキは、バネの力を使っています。「ブレーキチャンバー」と呼ばれる部品の中に仕込まれた、ギュッと押し縮められたバネが重要な働きをします。このバネは、くさび形の部品を押し、その力がさらに奥にある、車輪の「シリンダー」という部品の中の「ピストン」という部品を押し出します。ピストンが外側に押し出されると、ブレーキがかかる仕組みになっています。
反対にブレーキを解除するには、ブレーキチャンバーの中に空気を送り込みます。空気が入ると、押し縮められていたバネが元の状態に戻り、ピストンも元の位置へ戻ってブレーキが解除されます。まるで空気の力でバネを操っているかのようです。
ところで、普段私たちが乗用車で使っている駐車ブレーキは、かける強さを調整できますよね。しかし、このホイールパーク式駐車ブレーキはブレーキのかかる強さを段階的に調整することができません。かけるか、解除するかのどちらかしか選べないのです。このブレーキは「スプリングブレーキ」とも呼ばれています。バネ、つまりスプリングの力を利用していることが名前の由来です。しっかり止まってくれるホイールパーク式駐車ブレーキは、大型車や中型車の安全を守る上で重要な役割を果たしています。