スリック

粘土模型の表面を滑らかに整える道具、それがすり板です。薄いプラスチックの板で出来ており、角は丸みを帯びています。これは、粘土模型に傷を付けないための大切な工夫です。材質には、しなやかさと丈夫さを兼ね備えたものが選ばれています。 主に、自動車の設計者が粘土模型を作る際に、滑らかな曲面を作るために使われます。模型の表面にぴったりと沿うように作られており、わずかな形の変化にも対応できます。 すり板は、板状のものだけでなく、様々な形があります。例えば、水滴型や楕円形など、扱う部分に合わせて最適な形を選ぶことができます。 熟練した模型製作者は、すり板を自在に操り、まるで生きているかのような美しい曲線を作り出します。初心者でも扱いやすい道具ですが、使いこなすには練習が必要です。適切な角度と力の加減を身に付けることで、より効果的に表面を滑らかに仕上げることができます。 力の入れ具合が強すぎると、粘土が大きくへこんでしまったり、形が崩れてしまうことがあります。反対に、弱すぎると、表面が滑らかになりません。また、すり板の角度も重要です。角度が浅すぎると、粘土を削りすぎてしまう可能性があります。逆に、角度が深すぎると、表面を滑らかにすることができません。 粘土の状態に合わせて、最適な力加減と角度を調整することが、美しい曲線を作るための秘訣です。練習を重ねることで、自分の感覚を研ぎ澄まし、思い通りの形を粘土で表現できるようになります。