燃費向上に貢献!スリッパースカートピストン
車は、燃料を燃やすことで力を生み出し、その力で動いています。この力を生み出す装置がエンジンであり、エンジンの内部ではピストンと呼ばれる部品が上下に動いて、回転する力を作り出しています。ピストンはエンジンの性能を左右する重要な部品であり、いわばエンジンの心臓部と言えるでしょう。
ピストンは燃料が燃えて発生する圧力によって押し下げられ、その動きがクランクシャフトという部品を介してタイヤを回転させる力に変換されます。このピストンが上下に動く部分には、シリンダーと呼ばれる筒状の空間があり、ピストンはこのシリンダーの内壁と常に擦れ合いながら動いています。そのため、ピストンとシリンダーの間の摩擦をいかに減らすかが、エンジンの効率を高める上で重要な課題となります。
近年、燃費を良くするための技術開発が盛んに行われており、ピストンの形も進化を続けています。その中で、現在広く使われているのが「スリッパースカートピストン」と呼ばれるものです。従来のピストンは、全体が均一な太さでしたが、スリッパースカートピストンは、ピストンが上下に動く際にシリンダー壁と接触するスカートと呼ばれる部分を、横から見るとスリッパのような形にしています。
スリッパのように一部分を薄くすることで、ピストンが動く際の抵抗を減らし、燃費の向上に貢献しています。さらに、ピストンの軽量化にもつながり、エンジンの回転をスムーズにする効果もあります。 このスリッパースカートピストンの登場は、エンジンの性能向上に大きく貢献しており、現在多くの車に採用されています。
このように、小さな部品の一つ一つが改良されることで、車の性能は大きく向上します。今後も技術開発が進み、より高性能で環境に優しい車が開発されることが期待されます。