車の内装:セミトリムとは?
車の内装部品、特にドアや側面の壁を覆う仕上げ材には、大きく分けて全面を覆うものと部分的に覆うものの二種類があります。全面を覆うものを全面仕上げ、部分的に覆うものを部分仕上げと呼びます。部分仕上げのことを、半分という意味を持つ言葉を用いて中間仕上げと呼ぶこともあります。
中間仕上げは、ドアの内装部品の一部に内張りを取り付ける方法です。具体的には、ドアの下半分に内張りを取り付け、上半分はドアの金属面をそのまま露出させる形になります。このようにすることで、全面仕上げに比べて材料費を抑えることができます。また、デザインの自由度も高まり、金属の質感を活かした高級感のある内装にすることも可能です。
ドア以外でも、側面の壁や荷台を持つ車種では、荷室の側面にも中間仕上げが使われています。荷室では、強度と耐久性が求められるため、金属面をそのまま残すことで、傷や汚れに強く、荷物の積み下ろしにも耐えられるようにしています。全面仕上げのように内張りで覆ってしまうと、荷物の角で傷ついたり、汚れたりしやすくなります。
中間仕上げは、全面仕上げと比べて材料費が抑えられるだけでなく、車体の軽量化にも貢献します。そのため、軽自動車や小型車、商用車など、価格を抑えたい車種や燃費を重視する車種によく採用されています。また、近年では、環境への配慮から、資源を無駄にしないという観点からも注目されています。
中間仕上げは、コストと機能性を両立させた内装の仕上げ方法と言えるでしょう。見た目にも変化をつけやすく、車種ごとの個性を出すためにも役立っています。