ターボエンジン

記事数:(1)

エンジン

オイルジェット:エンジンの隠れた守護神

車は、心臓部である発動機を冷やす様々な工夫が凝らされています。その中で、油を噴射して冷やす仕組みが、油噴射装置です。この装置は、高性能の発動機にとって特に大切です。発動機内部の、力を生み出す部品である活塞は、燃料が燃えて爆発する時に、高い温度と圧力にさらされます。この熱のために、活塞の耐久性が下がり、ひどい場合には壊れてしまうこともあります。油噴射装置は、この熱から活塞を守るために、発動機油を活塞の裏側に直接吹き付け、効果的に冷やします。まるで、発動機の守護神の役目を担っていると言えるでしょう。 油噴射装置は、どのようにして油を活塞に届けているのでしょうか。まず、発動機本体にある油の通り道から油を取り出します。そして、直径1ミリから2ミリほどの小さな噴出口から、活塞の裏側に油を吹き付けます。この小さな噴出口から、ピンポイントで油を噴射することで、活塞の温度上昇を効果的に抑えます。油の量や噴射のタイミングは、発動機の回転数や温度に応じて細かく調整されます。この精密な制御によって、必要な時に必要なだけ油を噴射することができ、無駄な油の消費を抑えることにも繋がります。 油噴射装置は、高性能の発動機には欠かせない重要な部品です。活塞を冷やすことで、発動機の性能を保ち、寿命を延ばすだけでなく、燃費の向上にも貢献しています。まさに、縁の下の力持ちと言えるでしょう。