ダイオード

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車の心臓部、整流器の役割

車は、様々な電気仕掛けの機器で溢れています。明るい照明、心地よい温度を保つ冷暖房、道案内をしてくれる地図表示装置など、これらは全て直流電力で動いています。しかし、車の発電機は交流電力を作り出します。そこで、整流器の出番です。整流器は、交流電力を直流電力に変換する、いわば電気の変換装置です。発電機で作られた電力は、まず整流器に送られます。整流器の中には、電流の流れを一方通行にするダイオードと呼ばれる部品が複数組み込まれており、これらが交流電力の波形をプラスの値だけに整えます。こうして、プラスとマイナスが交互に入れ替わる交流電力が、プラス方向へ一定に流れる直流電力に変換されるのです。変換された直流電力は、車のバッテリーに蓄えられます。バッテリーは、エンジンが停止している時でも、各機器に電気を供給する役割を担っています。また、整流器はバッテリーへの過充電も防ぎます。バッテリーが必要とする以上の電力が供給されると、バッテリーは劣化したり、最悪の場合、破損してしまう可能性があります。整流器は、バッテリーの充電状態を監視し、必要以上の電力が流れないように制御することで、バッテリーの寿命を延ばします。整流器が正常に働いていなければ、電装品は正しく作動しません。快適な運転はもちろん、安全な運転にも支障をきたす可能性があります。普段は目に触れることはありませんが、整流器は車の電気系統を支える重要な部品なのです。
機能

ダイナモ:直流発電機の仕組みと歴史

直流発電機、いわゆる発電機は、電磁気の力を利用して一定方向の電気を作り出す装置です。磁石と回転する導線を組み合わせることで、電気を作ることができるのです。この電気を作る仕組みを電磁誘導といいます。 発電機の中心には、磁石によって作られた磁界があります。この磁界の中に、コイルと呼ばれる導線の束が配置されています。コイルは軸に繋がれており、外部からの力で回転させることができます。コイルが磁界の中を回転すると、コイルを通り抜ける磁力線の数が変化します。この磁力線の変化が、コイルに電気を生み出す力、つまり起電力を発生させるのです。 しかし、コイルが回転する際に発生する電気は、向きが周期的に変化する交流です。直流発電機では、この交流を直流に変換するために整流子と呼ばれる部品が使われています。整流子は、回転するコイルと外部の回路をつなぐ部分に設けられています。整流子はコイルの回転に合わせて接触する部分を変えることで、電気が流れる向きを常に一定に保ちます。これにより、外部回路には一定方向の電気、つまり直流が供給されるのです。 発電機の電気の量は、コイルの回転速度と磁界の強さで調整できます。コイルを速く回転させたり、より強い磁石を使ったりすると、より多くの電気が作られます。これは、磁力線の変化が大きくなるほど、起電力も大きくなるためです。 このように、直流発電機は磁石とコイル、そして整流子という部品を組み合わせ、電磁誘導の原理を利用することで、安定した直流電気を作り出しています。私たちの暮らしに欠かせない電気を作る、重要な装置と言えるでしょう。