ダイヤフラム

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エンジン

車のバキュームスイッチ:仕組みと働き

自動車の心臓部であるエンジンルームには、様々な部品が所狭しと並んでおり、それらが複雑に連携することで車は走ります。その中で、負圧スイッチはあまり表に出ない縁の下の力持ち的な存在です。 負圧スイッチは、エンジンの吸気作用で生まれる負圧を利用して様々な装置を制御する役割を担っています。まるで、エンジンの呼吸を感知して適切な指示を出す指揮者のような働きをしています。 一昔前の、燃料を霧状にしてエンジンに送り込む装置である気化器式のエンジンでは、負圧スイッチは特に重要な役割を果たしていました。アイドリング時の燃料の量を調整したり、排気ガスを再びエンジンに戻して燃焼させる排気再循環装置を制御したりする際に、負圧スイッチが活躍していたのです。エンジンの状態を的確に捉え、必要な制御を行うことで、燃費向上や排ガス浄化に貢献していました。 近年の電子制御式エンジンでは、コンピューターである電子制御装置が様々な制御を行うようになり、負圧スイッチの役割は以前と比べると小さくなっています。しかし、現在でも一部の車種では、負圧スイッチが重要な役割を担っているのです。例えば、四輪駆動車の切り替え装置や、ブレーキの効きを良くする装置の制御に、負圧スイッチが利用されていることがあります。 このように、負圧スイッチは、エンジンの負圧という目に見えない力を利用して、様々な装置を制御する重要な部品です。普段は目に触れる機会が少ない部品ですが、自動車の円滑な運転を支えるためには欠かせない存在と言えるでしょう。
機能

車の心臓部、ダイヤフラムの役割

薄い膜状の部品である、ふだん目にする機会が少ない「隔壁」。これが、実は自動車の様々な場所で重要な役割を担っている「心臓部」と言える部品、ダイヤフラムです。ゴムや人工の樹脂といった、よく伸び縮みする材料で作られており、圧力の変化に合わせて自在に形を変えることができます。この性質を利用して、自動車の様々な機能を実現しています。 例えば、自動車を安全に止めるために欠かせないブレーキシステム。ダイヤフラムは、ブレーキペダルを踏む力を油圧に変換する過程で重要な役割を果たします。ペダルを踏むと、ダイヤフラムが押されて変形し、ブレーキ液と呼ばれる液体を押し出します。この液体がブレーキへと伝わり、タイヤの回転を止める力を発生させます。ダイヤフラムがなければ、ブレーキペダルを踏む力だけでは自動車を止めるだけの力を生み出すことはできません。 また、エンジンの燃料供給にもダイヤフラムは活躍しています。燃料ポンプと呼ばれる部品の中に組み込まれたダイヤフラムは、エンジンの動きに合わせて伸縮を繰り返します。この動きによって燃料を吸い込み、エンジンに必要な量だけ噴射することで、自動車をスムーズに走らせることができます。ダイヤフラムの伸縮が、エンジンの鼓動を支えていると言っても過言ではありません。 さらに、排出ガス浄化装置など、環境対策にもダイヤフラムは貢献しています。有害な排気ガスをきれいにする過程で、ダイヤフラムは圧力調整弁として機能し、浄化装置の効率的な動作を支えています。 このように、ダイヤフラムは一見地味な部品ですが、自動車の安全性、性能、環境性能など、様々な面で重要な役割を担っています。まるで生き物の横隔膜のように、伸縮することで様々な機能を実現していることから、ダイヤフラムはまさに自動車の「縁の下の力持ち」と言えるでしょう。
エンジン

脈動を伝える、ダイヤフラム式燃料ポンプ

車は燃料を燃やすことで力を得て動きますが、その燃料をタンクからエンジンまで送り届ける重要な役割を果たしているのが燃料ポンプです。燃料ポンプがなければ、エンジンは燃料が足りずに動くことができません。ちょうど、人の心臓が血液を送り出すように、燃料ポンプは車の心臓部であるエンジンに燃料を送るポンプの役割を果たしていると言えるでしょう。 燃料ポンプには様々な種類があります。古くから使われているものの一つに、膜を使って燃料を送る仕組みのポンプがあります。このポンプは、膜の動きを利用して燃料を吸い込み、圧力をかけてエンジンに送り出します。シンプルな構造で、修理もしやすいという利点があります。しかし、このポンプは燃料の圧力を高くすることが難しいため、最近の車ではあまり使われていません。 最近の車では、電気で動く燃料ポンプが多く使われています。このポンプは、小さなモーターで羽根車を回し、燃料を高い圧力でエンジンに送り出すことができます。エンジンの出力に合わせて燃料の量を細かく調整できるため、燃費の向上にも役立ちます。また、燃料タンクの中に設置されていることが多く、燃料で冷却されるため、ポンプの寿命も長くなります。 燃料ポンプは、車の走行に欠かせない重要な部品です。もし燃料ポンプが故障すると、エンジンがかからなくなったり、走行中に止まってしまうこともあります。そのため、定期的な点検や交換が必要となります。燃料ポンプの寿命は、車の使用状況や燃料の種類などによって異なりますが、一般的には数万キロメートルから十数万キロメートルで交換することが推奨されています。日頃から車の状態に気を配り、異音や振動などを感じた場合は、早めに整備工場で点検してもらうようにしましょう。